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プレスリリース

2009年

−発表資料−

2009年12月16日

歯と歯の間の歯垢清掃を習慣にして歯周病予防!
継続的に歯間ブラシを使う独自の「歯周病予防プログラム」の実践で
歯グキの状態が改善することを確認

 財団法人ライオン歯科衛生研究所(理事長・高橋 達直)は、静岡県浜松市健康医療部健康増進課 口腔保健医療センター 石川 昭いしかわ あきら所長らと共同で、歯周病予防のための健康教育および保健指導の実践的プログラムの開発研究を進めております。

 この度、歯間ブラシを継続的に使用することを重点とした独自の「歯周病予防プログラム」を開発するとともに、そのプログラムに基づいた指導を浜松市内の地域住民を対象に実施しました。

 その結果、この度開発した「歯周病予防プログラム」(開始から2ヵ月にわたり計3回の指導)を実施することにより、歯間ブラシの使用が習慣化され、1年後の評価では、対象者の約9割が歯間ブラシを継続して使用していることがわかりました。また口腔内状態については、本プログラム実施により、開始前と比較して歯グキの状態が改善し、1年間継続使用後の評価では歯グキの状態が有意に改善したことを確認しました。このことより、本プログラムは、歯周病予防に有効であることが示されました。

1.研究の経緯

 歯周病は歯周病細菌を原因とする口腔内疾患で、成人期から高齢期における歯の喪失の最も大きな原因になっています。また、「糖尿病」や「メタボリックシンドローム」など、いろいろな全身疾患との関連性も指摘されていることから、歯周病予防は口腔の健康にとどまらず、全身の健康の維持や増進のためにも重要であると考えられています。

 歯周病の予防には、家庭で行う毎日のセルフケアと、歯科医師や歯科衛生士が行うプロフェッショナルケアの両方が重要です。セルフケアでは、歯をみがくだけでは落としきれない歯垢を歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃用具で除去することが大切であるとされています。しかし、歯間清掃用具の使用率は低く、「健康日本21※1」の目標値である「40歳、および50歳の歯間清掃用具の使用率50%以上」には到達していないのが現状です。

 そこでこの度、独自に開発した「歯周病予防プログラム」の実施と、「歯間ブラシの継続使用の推進」および「歯周病予防効果の向上」との関連性についての検討を行いました。

※1 

厚生労働省が提唱する、「21世紀における国民健康づくり運動」のこと。趣旨、基本的な方向、目標、地域における運動の推進などについて、その概要を説明するとともに各分野の数値目標を掲げている。

2.独自に開発した「歯周病予防プログラム」の概要

 「歯周病予防プログラム」は、歯周病予防のためのセルフケアにおいて、歯間ブラシを積極的かつ継続的に活用した予防習慣を確立することを目的として、 (財)ライオン歯科衛生研究所が口腔保健活動を通して積み重ねた知見をもとに石川昭所長らと共同で作成したものであり、健康教育および保健指導を含む内容となっています。本プログラムは開始から2ヵ月にわたり計3回の指導を行います。さらに開始から1年後に評価を行います。

【「歯周病予防プログラム」の概要】

第1回:テーマ 『自分の歯肉をみてみよう〜あなたの歯グキは大丈夫?〜』
歯周病と全身健康との関連、セルフケアの重要性とセルフケア方法について講演を行った後、歯科衛生士が対象者個々人の口腔内の状態に合わせて歯間ブラシの最適なサイズを選定する。
対象者には実際に使用感を体験してもらい、毎日使用することを推奨する内容。
 
第2回:テーマ 『歯周病の原因は歯垢!〜あなたのお口で確かめて〜』
個々人の口腔内で歯垢を染め出して、歯垢の付着場所と歯肉に炎症のある場所が一致していることを確認する。さらに、歯間ブラシを使うことで染め出した歯と歯の間の歯垢が除去できることを体験することで歯間ブラシの重要性を理解してもらう内容。
 
第3回:テーマ 『歯間ブラシの効果を確かめよう〜2ヵ月間の効果は?〜』
第1回から第3回までの口腔内の状態の変化を個々人に示し、歯間ブラシの効果を確認してもらう。さらに、各自に1年間の目標を設定してもらい、歯間ブラシを継続使用することの重要性の理解促進と継続使用の推奨を目的とする内容。

3.「歯周病予防プログラム」の効果の検証

 2007年3月〜9月に静岡県浜松市雄踏町(現在同市西区)の地域住民56名(男性15名、女性41名、30〜70歳、平均年齢48.8歳)を対象に、本プログラム(開始から2ヵ月にわたり計3回)を実施しました。そして開始から1年後に、歯間ブラシの使用状況および歯周病の症状改善に対する効果を評価した結果、以下のことがわかりました。

(1) 

歯間ブラシ使用率が約4割向上し、1年後でも87.5%が継続使用

本プログラム実施前の歯間ブラシ使用者は55.4%でしたが、第2回では96.5%、第3回では100%が使用するようになりました。さらに実施から1年後においても、「毎日使用」および「時々使用」を合わせた87.5%の方が歯間ブラシを継続的に使用していました。

(2) 

歯間ブラシを継続使用すると、有意差を持って歯グキの状態が改善

歯周病の検査結果(CPI測定※2)において、“歯周ポケット有”の人の割合は、初回の35.7%から1年後には10.7%に減少し、回を重ねる毎に改善傾向が認められました。また、歯周ポケットの部位数および歯グキからの出血部位数は、歯間ブラシを継続使用することにより有意に減少し、歯グキの状態が改善していました。

※2 

CPI(community periodontal index)は、歯周疾患状態を示す指標。“歯周ポケット有”とするのは、CPIの診査基準で、代表歯(10歯)において歯周ポケット4mm以上が1本以上

 以上、歯間ブラシを継続的に使用することに重点をおいて独自に開発した「歯周病予防プログラム」は、一般の地域住民を対象として実施した結果、「歯間ブラシの使用の習慣化に有効であること」、「歯間ブラシの継続的な使用は歯周病の改善に有効であること」がわかりました。このことより歯周病予防を推進する上において、歯間ブラシによるセルフケアが重要であることが示されました。

 なお、この研究成果は、2009年10月11日に、岐阜県岐阜市で開催された『第58回日本口腔衛生学会・総会』で、(財)ライオン歯科衛生研究所が発表しております。

★『第58回日本口腔衛生学会・総会』発表概要

開催日

2009年10月9日〜11日(発表日:10月11日(日))

会 場

長良川国際会議場(岐阜県岐阜市長良福光2695-2)

演 題

地域住民を対象とした歯間ブラシの使用に重点をおいた歯周病予防プログラムの効果

発表者

(財)ライオン歯科衛生研究所 

湯之上志保、山口敏子、杉村和美、武儀山みさき、

武井典子、山崎洋治、高田康二

浜松市西区健康づくり課

中安美枝子

浜松市健康医療部健康増進課口腔保健医療センター 石川 昭

以上

<参考資料>

「歯周病予防プログラム」 〜セルフチェック版〜

今回開発した「歯周病予防プログラム」を、家庭で活用できるように以下ご紹介いたします。

まず「歯グキの健康チェック」を行ったあと、「歯間ブラシを使ったセルフケア」を行ってください。

その後、再び歯グキの健康チェックを行います。さらに歯間ブラシを1ヵ月ほど使い続けた後に、歯グキの健康チェックを行います。歯間ブラシを使い続けることで、歯グキの状態をより健康にすることができます。歯間ブラシの使い心地や効果を、是非実感してみてください。

なお、歯間ブラシの詳しい情報は、(財)ライオン歯科衛生研究所のHPをご参照ください。

(URL http://www.lion-dent-health.or.jp/basic/basic11.htm

1. 

【歯グキの健康チェック】 〜あなたの歯グキは大丈夫ですか?〜

鏡をよく見て『歯と歯の間の歯グキ』の状態を観察しましょう。初期の歯周病はセルフチェックで見つけられます。歯グキの状態は、色、形、感触、出血の4つのポイントで見分けます。1つでもSOS項目があれば、あなたの歯グキはSOSを発信しています。

歯グキのSOSチェック表 (各項のいずれかの□にチェックをつけてみましょう)

  チェック項目   健康   SOS
1 歯肉の色 ピンク色 赤色
2 内の歯肉の形 三角 丸い
3 歯肉の感触 ピチピチ ブヨブヨ
4 歯グキの出血 ない ある

※歯肉の形は右の写真参照

健康な歯グキ(歯肉の形は三角)

健康な歯グキ(歯肉の形は三角)

  歯肉炎の歯グキ(歯肉の形は丸い)

歯肉炎の歯グキ(歯肉の形は丸い)

2. 

【歯間ブラシの上手な使い方】 〜歯間ブラシを使ってみましょう!〜

1) 

歯間ブラシの選び方

歯間ブラシには、SSS、SS、S、M、L、LLの6種類があります。歯と歯の間にすき間のある方は、小さいサイズを入れてみてください。無理なく入る大きさが適正サイズです。入らないときは、デンタルフロスを試してください。

2) 

歯間ブラシの使い方

(1) 

歯と歯の間には歯ブラシの毛先が届きにくく、歯ブラシだけでは歯垢を取り除くことはできません。下図の赤い色の部分が歯垢のみがき残しやすい場所です。

(2) 

下図のように鉛筆を持つように持つと操作しやすいです。操作する時は必ず鏡を見ながら使用しましょう。歯肉を傷つけないようにゆっくり歯間ブラシを入れます。

   

(3) 

歯間ブラシを水平にして歯面に沿わせて前後に2〜3回動かして清掃します。

奥歯は内側からと外側からと両方から使うと効果的です。

(4) 

歯間ブラシを隣り合った前後の歯に沿わせて軽く当て、清掃します。

   
 

3. 

【歯間ブラシ使用後の歯グキの健康チェック】

〜最初に歯間ブラシを使ったときの様子やお口の感じはいかがですか?〜

チェック表(全ての項目をチェックしましょう)

    チェック項目
1 ブラシに白いネバツキのあるものがついていませんか
 →それは普段の歯みがきでは落としきれなかった、みがき残しの歯垢です
2 ブラシについた歯垢のにおいを確認してみましょう
 →古い歯垢はとてもイヤなニオイがするので、口臭の原因にもなります
3 食べかすがスッキリとれた感覚がありますか
4 歯と歯の間に空気が通る感覚がありますか
5 うがいのとき、歯と歯の間に水が通る感覚がありますか
6 歯グキから出血しましたか
 →もし出血があっても2〜3日で解消します。それ以上出血が続いたら、
   かかりつけ歯科医に相談してください

4. 

【歯間ブラシ継続使用後の歯グキの健康チェック】

〜歯間ブラシを使い続けることで「歯グキのSOS」が解消したか、効果を確かめましょう〜

チェック表(全ての項目をチェックしましょう)

    チェック項目
1 お口がさわやかな感じで気持ちがよいですか
2 歯肉の色はピンク色ですか
3 歯と歯の間の歯肉の形は、三角にみえますか
4 歯肉の感触はピチピチですか
5 歯グキからの出血はありませんか
お問い合わせ窓口

報道関係の方 ライオン株式会社 広報部 TEL:03-3621-6661

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