−発表資料−

< 手洗い・うがいに関する 医師アンケート調査結果 >
医師の半数が『児童の抵抗力低下』を実感
〜「病気に負けないカラダづくり」は、「手洗い」・「うがい」の適切な習慣づけから〜

 ライオン株式会社(社長・藤重貞慶)は、医師が考える「子供の適切な手洗い・うがいの方法」を明らかにするため、小児科医師100人に対して「子供のうがい・手洗いについて」調査を実施しました。

 調査の結果、小児科医師の半数が子供の「抵抗力の低下」を感じており、「抵抗力を向上させるため」には、人の身体が本来持っている防御機能、すなわち「皮膚の常在菌の働き」、「呼吸器の線毛運動の働き」を妨げないことが有効であると回答しました。さらに、「病気に負けないカラダづくり」のためには、適切なタイミングで「手洗い」や「うがい」を習慣づけていくことが重要と考えている医師が多いことがわかりました。

病気になるのを防ぐチカラ「バイ菌バリア」について

人の身体には、外部から侵入しようとする菌から身体を守る機能が備わっています。手のひらなど、身体の表面には「常在菌」と呼ばれる菌が、のど(呼吸器)には「線毛」が存在し、それらの働きによってバイ菌の増殖や侵入を防いでいます。その「皮膚の常在菌の働き」と「呼吸器の線毛運動の働き」を当社では「バイ菌バリア」と呼んでいます。

 「バイ菌バリア」はとてもデリケートで、過剰な「手洗い」・「うがい」が機能を妨げる原因を作ってしまうこともあります。「バイ菌バリア」を妨げてしまうような、過剰な「手洗い」・「うがい」は避け、適切なタイミングで行うことが大切です。

「バイ菌バリア」アイコン

「抵抗力低下」には「バイ菌バリア」を妨げないことが有効

 診療を行っている小児科医師に対し、診療を通じて「自分が子供の頃と比較し、現代の子供の抵抗力の低下を感じるか」をたずねたところ、医師の50%が「低下している」と回答しました(図1)。

 そして、「抵抗力の向上」には、86%の医師が「皮膚の常在菌の働き」を、98%の医師が「呼吸器の線毛運動の働き」を妨げないことが有効であると回答したことから(図2、3)、多数の医師が、身体が本来持っている機能が抵抗力の向上に重要な役割を果たしていると認識していることがわかりました。

「病気に負けないカラダづくり」は、「手洗い」・「うがい」の適切な習慣づけから

・医師の8割以上が「抵抗力の向上」には「皮膚の常在菌の働き」・「呼吸器の線毛運動の働き」を妨げないことが有効と認識

・医師の97%が「病気に負けないカラダづくり」に「うがい」・「手洗い」などの病気を予防する行動の習慣づけが有効と認識

 また、医師の95%は「手洗い」が子供の病気予防に有効であると回答し(図4)、適切なタイミングは、「食事の前」「トイレの後」「帰宅時」など、適宜「手洗い」を行うことを推奨する医師が多くみられました。同様に、「うがい」については83%が有効と回答し(図5)、適切なタイミングとしては「起床時」「毎食前」「外出帰り」「寝る前」などがあげられています。さらに、子供に対して、「うがい」や「手洗い」など、病気を予防する行動の習慣づけが、病気に負けないカラダをつくることに有効かたずねたところ、97%が有効と回答しました(図6)。

 以上の結果より、適切なタイミングで行う「手洗い」「うがい」を習慣づけることが、病気に負けないカラダ作りの第一歩になると言えそうです。

図1.診療を通じて、ご自身が子供の頃と比べて児童の抵抗力の低下を感じますか? 図2.皮膚の常在菌の働きを妨げないことは、抵抗力の向上に有効だと思いますか?
図3.呼吸器の線毛運動の働きを妨げないことは、抵抗力の向上に有効だと思いますか? 図4.「手洗い」は児童の病気予防に有効だと思いますか?
図5.「うがい」は児童の病気予防に有効だと思いますか? 図6.病気に負けないカラダづくりには、予防の「習慣づけ」が有効だと思いますか?

【調査概要】

・表題:子供のうがい、手洗いについて

・調査方法:インターネット・リサーチシステム(AskDoctors※1)によるアンケート調査

・調査期間:2011年4月6日〜4月7日

・対象者:m3.com※2に登録する小児科医師、100名

 

ソニーグループのエムスリー株式会社が運営する医師に相談できるQ&Aサービス (http://www.askdoctors.jp

 

同社が運営する医療従事者専用の医療専門サイト(http://www.m3.com/" target="_blank"http://www.m3.com/


<参考資料>

玉置淳先生に聞く

ウイルス・雑菌と戦う身体のひみつ、「線毛運動」のチカラとしくみ

  玉置 淳(たまおき じゅん)東京女子医科大学 第一内科 教授

玉置 淳(たまおき じゅん)
東京女子医科大学 第一内科 教授

身体の自浄システム、「線毛運動」とは

一般に風邪やインフルエンザのウイルスは、鼻や口からのどを通って体内に侵入、増殖します(図1)。これらのウイルスへの感染を防ぐためにヒトの身体に備わっている自浄システム、それが「線毛運動」です。鼻からのどまで続く粘膜には、「線毛」とよばれる直径1,000分の1ミリの毛が隙間なく生えています(図2)。この線毛の動きに、ウイルスへの感染を防ぐ秘密が隠されています。

図1.鼻や口から侵入するバイ菌 図2.線毛写真

徹底解析!「線毛運動」のメカニズム

図3.正常なのどの線毛運動

●小刻みに動いてウイルス・雑菌を排出

線毛は1秒間に15〜17回程度の速さで小刻みに動いています。この動きが線毛運動で、鼻やのどの表面にある粘液に流れを生み出します。体内に入ったウイルスや雑菌は、粘液の流れに取り込まれ、せきやたんと共に体外へ排出されたり、唾液と一緒に体内に飲み込まれ胃液で分解されます。線毛運動が正常であれば、ウイルスや雑菌は、のどの粘膜細胞に付着、増殖する前に体外へ速やかに排出されるので、感染リスクを低く保つことができます(図3)。一方、線毛運動がなんらかの要因で低下してしまうと、ウイルスや雑菌が体内へ侵入しやすくなり、インフルエンザなどに感染しやすくなってしまいます。

図4.線毛細胞

●新たな線毛が生えるまで約3週間〜1ヶ月

実際にインフルエンザなどに感染すると、最悪の場合線毛細胞はすべて死滅。新たに再生するまで、約3週間から1ヶ月かかります(図4)。「ちょっとよくなったかな」「治ったかな」と思っていても、線毛運動が回復していないこの期間は、用心することが必要です。一度治ったと思っても、すぐまた風邪をひいたりすることがありますが、これも線毛細胞がすぐには再生しきれず、ウイルスや雑菌が体内に侵入しやすくなっていることと関係があるともいえます。

●線毛運動のピークは0歳

線毛運動が最も活発なのは0歳。つまり、年を重ねるごとに線毛の活動能力は低下していきます。よく「お年寄りは風邪を引きやすく、長引く」と言いますが、これは加齢による線毛運動の低下も一因なのです。

以上

お問い合わせ窓口

<報道関係の方> ライオン株式会社 広報センター TEL:03-3621-6661

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