参考資料

 

植物系の電気絶縁油が環境負荷低減に大きく貢献
「世界初、パームヤシ脂肪酸エステル電気絶縁油の開発」が
日本化学工業協会技術賞「環境技術賞」を受賞

ライオン株式会社(代表取締役社長・濱 逸夫)は、富士電機株式会社(代表取締役社長・北澤 通宏)との共同研究により開発した、植物系の電気絶縁油について、高い生分解性や廃棄時のCO排出量削減など環境負荷低減に大きく貢献し、かつ独創的で科学技術の進歩に寄与した製品、技術として認められ、この度、一般社団法人日本化学工業協会より第47回日本化学工業協会技術賞「環境技術賞」を受賞することとなりました。

表彰式及び受賞講演は、2015年5月28日(木)に、パレスホテル東京(東京都千代田区)において開催される「日化協シンポジウム2015」会場にて執り行われます。

■ 受賞した技術の内容 ~環境配慮型高性能電気絶縁油の開発~

電気は我々の生活に不可欠で大変重要なインフラです。電気は発電所で作られますが、送電ロスを防ぐため発電所で高電圧にする際と、送られてくる電気を、工場や家庭で使用する電圧まで下げる際に使用するのが変圧器(トランス)です。変圧器には電気絶縁と変圧器内で発生する熱の冷却のために、電気絶縁油が封入されています。

電気絶縁油は全世界で毎年100万キロリットルもの需要がありますが、そのほとんどが石油系の鉱物油です。植物を原料とする植物系絶縁油は、大気中のCOを増やさないカーボンニュートラルとなり、環境負荷低減に貢献します。しかし従来の植物系の絶縁油は、粘性が高いため冷却効果が劣るほか、低温安定性が確保できず、寒冷地で油の性状が変化するなど性能面に課題があり、あまり普及していませんでした。

この課題に対して、当社は富士電機と共同で研究に取り組み、世界で初めてパームヤシ油を原料に採用した、植物系の電気絶縁油『パステルNEO(商品名)』を開発しました。当社独自の、植物油に含まれる様々な炭素鎖長の脂肪酸から必要な成分だけを高純度で分離精製する技術や、様々な構造の脂肪酸エステルを合成する技術、また、富士電機の複合絶縁・冷却性評価技術や、変圧器の最適設計技術など、両社の保有する様々な技術を丁寧に組合せ、最適な分子構造を特定することで、鉱物油や従来の植物系絶縁油よりも高性能な環境配慮型電気絶縁油を作ることに成功しました。

『パステルNEO』は、従来品よりも優れた絶縁耐力や高い冷却性能、低温での流動性、長期使用に耐え得る酸化安定性など、優れた絶縁油性能を持っています。環境性能面では、良好な生分解性、低魚毒性を有しており、万一、絶縁油が流出しても環境への影響が低いことから、エコマーク認定(認定番号:第0711003号)を取得しています。また、植物油を原料に採用したことで、鉱物油に比べて、廃棄時に発生するCO排出量の削減に貢献できます。さらに、冷却性能を向上させたことで、従来の絶縁油では困難であった変圧器の小型化を可能にし、部材使用量の削減に成功しました。

以上のことから『パステルNEO』は、環境への負荷低減と高性能化の両立を実現する電気絶縁油といえます。

*カーボンニュートラル
植物を原料とする成分が製品使用後に分解されて生成するCOは、もともと植物が成長段階で吸収したものなので、大気中のCOを増やすことにはならないという考え方

■ 「環境技術賞」受賞理由

「環境技術賞」は、独創的で、かつ科学技術の進歩に寄与した製品や技術であり、環境負荷低減に著しく寄与したものが選定されます。

今回の「環境技術賞」の選定にあたっては、

  1. これまで主流だった化石資源由来の鉱物系電気絶縁油に対し、油脂の分子構造の設計から鋭意検討することで、冷却性、絶縁耐力や酸化安定性などに優れた植物由来の電気絶縁油の開発に成功したこと。
  2. 開発品は、高い生分解性を有し自然環境への負荷が低く、また植物由来によるCO排出量削減への貢献と、変圧器の小型化による省資源化等の環境改善に貢献していること。

などが評価されています。

■ 今後の展開

本技術は、富士電機、ライオン両社の技術を組み合わせることで、植物系油脂由来の化学品原料として、新たな用途を提供するとともに、電機産業の地球温暖化対策や環境保全、省資源化にも新たな道を開拓しました。現在、本技術を応用して、医療機器の冷却油や金属加工油への用途開発を行っており、今後、様々な産業の発展に貢献可能な技術でもあります。

当社は今後も、製品開発に独創的な発想を取り入れながら、科学技術の進歩や環境対応技術の発展に力を注いでまいります。

<日本化学工業協会技術賞>

「日本化学工業協会技術賞」は、科学技術の進歩と向上を目指して1968年に創設されました。

優れた化学技術の開発や工業化によって化学産業ならびに経済社会の発展に寄与した事業者を表彰する制度で、化学に関連する事業者から業績を公募し、優れた業績に対して表彰するものです。審査には外部の有識者を交え、産業全体の発展への寄与、技術の独創性、環境負荷低減への寄与等について、書類審査等を経て選定されます。

現在、技術賞は、「総合賞」・「技術特別賞」・「環境技術賞」の3賞で構成されています。

以上

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