参考資料

国内の日用品工場では初の取り組み
「洗剤工場における製造工程排水のリサイクル技術の開発」が
日本水環境学会「技術奨励賞」を受賞

ライオン株式会社(代表取締役社長・濱 逸夫)は、当社が開発し、千葉工場(千葉県市原市)に導入した製造工程排水のリサイクル技術が、洗剤製造工場における高い節水効果で水環境保護に貢献し、将来を期待される技術と認められ、この度、公益社団法人日本水環境学会より「技術奨励賞」を受賞することとなりました。
表彰式及び受賞記念講演は、2017年6月16日(金)にタワーホール船堀(東京都江戸川区)において開催される日本水環境学会「第37回通常総会」会場にて執り行われます。

■ 技術開発の背景

当社は経営ビジョン「Vision2020」で掲げている「環境対応先進企業」を目指すための全社方針として環境目標「Eco Vision 2020」を策定し、実現に向けた取り組みを進めています。当社の製品が「洗うこと」を通じて水と深く関わっていることから、特に水資源保護活動に力を入れており、節水に貢献する製品開発や水環境に配慮した生産活動を推進しています。
工場においては製造工程の設備洗浄や加熱・冷却設備などに多くの水を使用しています。そこで使用後の排水をリサイクルして使用できれば節水効果が大きく、またこの技術の確立は水環境課題の解決に貢献できると考えました。排水のリサイクルは国内の日用品工場では例が無く、この度、排水リサイクル技術の開発を行い、当社工場の中で水使用量が最も多い千葉工場において「製造工程排水リサイクルシステム」を導入いたしました(図1)。


図1:千葉工場の排水リサイクルシステム

■ 受賞した技術の内容

千葉工場では上下水道が整備されていないことから工業用水を利用目的に応じて処理を行い、製造工程の製品配合水および洗浄水、工場内の生活水として使用しています。従来は製造工程から排出された水は工場内の排水処理設備で汚れを取り除いた後に海に放流していました。本システムでは、排水を既存の排水処理設備で処理した後に新規に設置したリサイクル設備によって再度使用できるリサイクル用水としています。本システムの特徴はリサイクル用途に応じて設備洗浄用水とボイラー用水の2種類の設備に分け、それぞれで必要な水量や水質を設定できることです(図2)。
設備洗浄用水は水道水の水質基準に準拠する必要があり、ろ過・活性炭・次亜塩素酸処理を行うことで基準に適合したリサイクル用水を得ることができました。ボイラー用水では機器への不純物の付着を防止するため、設備洗浄用水より高い水質が要求されます。それにはさらにカチオン交換樹脂処理とRO膜(逆浸透膜)処理を加えることで水質基準を達成しました。RO膜を使用するとRO濃縮排水(取り除いた不純物が含まれる水)が発生しますが、リサイクル水を2種類に分けた本システムでは、高い水質が要求されるボイラー用水のみをRO膜処理を行うことで、RO濃縮排水を削減することができ、高いリサイクル率・節水効果と設備のコンパクト化を実現しました。さらに小スケールの実験装置にて条件検討を繰り返し行い、リサイクル水の水質・水量を確保できる最適なリサイクル水量の比率(設備洗浄水量とボイラー用水量の比率)を設定しました。
本システムは2016年1月の稼動開始から現在まで問題なく稼動しており、年間の節水量は約4万㎥という成果を得ることができました。


図2:排水リサイクルシステムの全体処理フロー

■ 今後の展開

排水リサイクルシステムの導入は国内の日用品工場では初めての取り組みであり、本システムにより大きな節水効果を得ることができました。今後は更なる節水量向上のための運転条件の改善やリサイクル対象水の拡大を進め、国内だけでなく海外を含めたライオングループ製造事業所への展開を検討していきます。
当社は今後も国内外の水環境の保護に向けた取り組みを推進してまいります。

<日本水環境学会 技術奨励賞>
水環境保全に関する国内最大の学会である公益社団法人日本水環境学会における表彰で、平成26年度より新設され、水環境に関する調査研究または水環境技術が独創的であり、将来を期待される個人または団体に贈呈される賞。

 

以上

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