ホーム > 会社案内 > R&D情報 > 研究活動・製品開発研究

R&D情報

研究活動・製品開発研究
口腔科学を中心に、幅広い技術を結集

 「食べる」、「話す」、「笑う」。 快適で豊かな生活を送るために、お口の役割は大変重要である。生活者のQOL向上を目指し、オーラルケア研究所では、界面化学、無機粉体化学、高分子化学の融合による、機能・使用感に優れたハミガキ、洗口剤、機能性食品等の『製剤開発』、人間工学に基づき設計した、人に優しく使いやすいハブラシ等の『用具開発』、さらに非破壊手法の最新ムシ歯診断、分子細胞学に基づく歯肉炎症制御、独自のバイオフィルムモデルを用いた細菌制御などの口腔科学分野『技術開発』を行っている。また、製品機能・品質を科学的、客観的に立証するため、歯科大学と共同で臨床試験等を実施している。近年、オーラルケアが全身健康に与える影響も解明されつつある。生活者一人ひとりの口内環境に応じた最適なソリューションを提供するために、基盤である口腔科学を中心に社内外の幅広い技術を融合し、薬品から食品まで含めた新しい価値のオーラルケア製品を創出していく。

初期ムシ歯の診断技術開発と製品開発への応用

 生活者に最もなじみが深い口腔疾患の一つがムシ歯である。私たちが経験するいわゆる「ムシ歯」は、歯に穴が開き痛みを感じるものであるが、最近の研究では歯に穴の開く前の、ごくごく初期の段階にムシ歯を発見し、ケアをすることで深刻なムシ歯にならなくてすむ、つまり歯を削って治療をしなくてすむという考え方が世界的に広がっている。  ライオンでは、この動向にいち早く着目し、1990年代から初期ムシ歯の診断技術の開発に取り組んできた。その一つがQLFTMシステム。初期ムシ歯は、外見上は健全な歯と見分けがつきにくく、ヒトの目では熟練した歯科医でないと発見できないことが多いため、客観性かつ定量性のある診断が必要とされる中で、QLFTMシステムはそれらを可能にした。青色の可視光を歯に照射すると、歯の内部から蛍光が発生する。しかし、結晶構造の粗い初期ムシ歯部分は、発生した蛍光が乱反射するため、健全な部分よりも相対的に蛍光が暗くなる。QLFTMシステムは、この現象を利用したもので、初期ムシ歯をビジュアル化し、また正確に定量できる。写真a-1)およびa-2)は、人工初期ムシ歯にフッ素を配合した歯磨剤を2週間処理した際の経時変化を示す。初期ムシ歯のビジュアル化により、その早期発見が可能となるだけでなく、再石灰化され健全な状態に近づいていく現象が簡便かつ定量的に立証できるようになった。
一方、歯の厳密な内部構造を知るには、通常は歯を薄切化しレントゲン写真を撮る必要があるが、ライオンでは非破壊手法であるマイクロフォーカスCT-スキャン(マイクロCT)技術を有している。臼歯は、最もムシ歯になりやすい部位であり、その予防技術の確立には、臼歯の解剖学的な構造を経時的にかつ詳細に解析する必要がある。写真b)はフッ素配合歯磨剤処理前、処理後の臼歯のマイクロCTによる立体画像である。本技術の活用により、臼歯の溝の奥の初期ムシ歯部分が、フッ素を配合した歯磨剤で処理することで再石灰化され改善していることが示された。
これら最先端のムシ歯診断技術を製品開発に応用し、より機能の高い、新しいムシ歯予防歯磨を開発導入している。

最近の学会発表・文献投稿

・American Journal of Dentistry誌 「The in vitro effect of a collagenolytic enzyme inhibitor on lesion development in root dentin」(2009年)
・第58回 日本口腔衛生学会「pHサイクリング法によるフッ化物配合歯磨剤の有効性評価」(2009年)
・第59回 日本口腔衛生学会「pHサイクリング法によるフッ化物配合歯磨剤の有効性評価−第2報−」(2010年)

ページの先頭へ