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R&D情報

研究活動・製品開発研究
独自技術を活用した科学的なエビデンスのある機能性食品の開発

 近年、高齢化社会の到来、ストレスや生活習慣病の増加を背景として、セルフメディケーションへの関心が高まっている。それに伴い、科学的に効果の裏づけされた機能性食品に対するニーズが増大している。これらニーズに対応するため、当社は家庭品やOTC医薬品の開発で培った基盤技術を活用し、新規性の高機能機能性食品の開発を目指し、研究を推進している。

科学的検証に基づき、血圧が高めの方を対象とした当社初の特定保健用食品(トクホ)の開発

 高血圧は、わが国においても非常に有病率の高い疾患で、その発症率は加齢とともに上昇し、60歳以上では約半数が高血圧であることが厚生労働省の統計調査で分かっている。高血圧発症の原因や血圧コントロールへの影響は、遺伝的要因以外にも日常のストレスや食事などの生活環境が大きく影響することが知られており、これら生活環境の改善、とくに日常生活においては食生活を主とした生活習慣の改善が高血圧を予防する上で重要なファクターとなっている。  近年、食品由来の機能成分による高血圧のリスク低減効果が注目を集めており、当社ではオリジナルの機能性食品素材である「トマト酢」の研究を長年続ける中で、本素材に血圧低下作用を有することを明らかにした。
このトマト酢を含む飲料の血圧低下作用を実証するため、正常高値血圧(収縮期血圧130-139mmHg、または拡張期血圧85-89mmHg)及び軽症高血圧(収縮期血圧140-159mmHg、または拡張期血圧90-99mmHg)の一般成人男女90名を対象として、トマト酢を含む飲料飲用群とトマト酢を含まない飲料飲用群(プラセボ飲用群)の2群に分け、12週間、1日1本を摂取した際の血圧の変化を比較した。その結果、トマト酢を含む飲料飲用群では、高めの血圧が有意差をもって低下することを確認した(図1)。また、その降圧効果のメカニズムは、トマト酢の主成分である酢酸が体内でアセチルCoAに代謝され、その際に使われるATPが血管拡張作用を有するアデノシンに代謝、血管のアデノシン受容体をとおして血管を拡張させることにより血管抵抗性が緩和され血圧を下げると推測している。
本飲料(商品名:トマト酢生活 トマト酢飲料)について、有効性、安全性、及び品質について十分な検討を加えた上で、厚生労働省に対し特定保健用食品(トクホ)申請を行い、その有用性が認められ、当社として初めてとなるトクホ許可(血圧が高めの方の食品)を取得した。

乳由来タンパク質「ラクトフェリン」の新たな機能の創出

 厚生労働省の調べによると「メタボリック症候群(シンドローム)」該当者数は、40〜74歳(対象人口約5700万人)で約940万人、予備軍を合わせると、約1940万人に達しており、国民健康の増進にとって大きな課題となっている。当社では、これまで歯周病と全身健康との関係について幅広く研究を進めてきた。その中で、哺乳類の乳に多く含まれる多機能性タンパク質「ラクトフェリン」が、歯周病の予防・改善効果を有することに加え、脂質異常の改善に有効であることを明らかにした。そこで、ヒトの内臓脂肪に対する「ラクトフェリン」の低減効果を二重盲検群間比較法による臨床試験で評価した。
「ラクトフェリン」は胃の消化酵素で分解されやすいため、試験では腸に届いてから溶ける「腸溶加工」を施したラクトフェリンタブレット使用した。年齢30〜62歳、Body mass index (BMI):25kg/m2以上の成人男女26名を対象に、「ラクトフェリンタブレット」(1日あたりラクトフェリン300mg相当)摂取群とラクトフェリンの入っていないタブレット摂取群(プラセボ群)の2群に分け、2ヵ月間摂取させ、摂取前後でのCT撮影による腹部脂肪面積の及び、身長、体重、腹囲、臀部囲等の測定を実施した。その結果、「ラクトフェリンタブレット」の2ヵ月間の摂取で、プラセボ群と比較して、CT撮影による腹部内臓脂肪面積が平均値で12.8cm2(p<0.01)、腹囲3.4cm(p<0.05)、体重2.5kg(p<0.05)などの有意な減少が確認された(図2)。これらの結果より「ラクトフェリンタブレット」はヒトに対して脂質改善効果を示すことが明らかになった。
以上より、「ラクトフェリン」は、脂質異常、高血糖、高血圧などの共通原因である内臓脂肪の蓄積を効果的に抑え、メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防に対する有望な素材であることを見出し、さらにその作用メカニズム研究を積極的に進めている。

最近の学会発表・文献投稿

・薬理と治療(2006年)「トマト酢含有飲料の正常高値血圧者および軽症高血圧者に対する長期摂取時の有効性および安全性の検討
・薬理と治療(2007年)「トマト酢含有飲料の過剰摂取時の安全性の検討」
・第61回 日本栄養・食料学会大会(2007年) 「ラクトフェリンのマウス肝臓における脂質代謝改善効果」
・98th AOCS Annual Meeting & Expo (2007年) “Effects of Palm Fruit Carotene on UV-Induced Skin Lipid Peroxidation and Carcinogenesis
・第29回 日本肥満学会(2008年) 「ヒトに対するラクトフェリンの脂質代謝改善効果」
・第3回ラクトフェリンフォーラム(2008年) シンポジウム講演「腸溶ラクトフェリンの摂取が肥満男女の内臓脂肪及びメタボリックシンドロームに及ぼす影響について

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