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R&D情報

研究活動・支援研究
生活を楽しく快適するための香り創り

 お客様に楽しく快適な生活を過ごしていただくために、市場で際立つ商品像の要素として重要である香りや味を、調香技術、評価技術、感性工学を駆使して創造し、心地良く使用していただける製品を開発する。また、精密な分析技術を悪臭分析などに応用し、部屋干し臭や体臭,口臭など、お客様が生活の中で気になるニオイのケアに積極的に取り組んでいる。

・保有技術[1]−調香研究−
 商品のコンセプトや香りイメージに基づき、多くの香料成分の中から適した成分をブレンドし、製品の容器口、使用中の香り、使用後の香りの残りを想像しながら、製品ひとつひとつに特有な香りを創作していく過程。それを行う専門家を調香師という。香料成分は当社歯磨に使用している天然精油類をはじめとして数百以上もあり、調香技術は、それらの香りの記憶や新しい香り創作のための長い訓練の経験をもとに、それらを組み合わせていくという高い専門性が求められる技術である。また使用している香料成分は世界中の香料会社や天然精油会社から安定品質及び安定供給の観点から選定した成分である。

・保有技術[2]−評価研究−
 商品開発マーケッターの要請に基づき、開発製品の分野に加えて、食品トレンドや香水、ファッショントレンドを参考とし、その製品のコンセプトと機能を最大に引き出す香りの方向性(香りコンセプト)を定め、調香研究−評価と繰り返しながら香料の完成度を上げていく過程。得られた香料を実際の開発中の製品に配合した場合の香りの発現を実験室で評価したり、消費者の一部の方に使って頂き、消費者全体での評価の予測を統計的に行い、原料成分との化学的、物理的な作用や製品出荷、流通、消費者にお届けするまでの安定な品質確保も考慮しながら、最終的に一つの香りをつくりあげる。香料開発は創作的であるとともに、科学的な周辺技術を要求する分野である。

・保有技術[3]−感性工学−
 香(味)の生理・心理作用研究として、「脳波アルファ波の周期リズム測定」などにより、種々の製品の香りが使用者に与える「気分」の評価を実施している。「リラックスする香り」「楽しくなる香り」などの解析評価を通して、客観的にも「ひとに心地良い香り」を開発している。また「評価構造解析」という、消費者が商品を選択する際、香りや味をどのようにとらえてその商品の評価に組み立てているかなどの感性工学的なアプローチにて最適な香り・味を開発している。

・保有技術[4]−分析技術−
 香料・香り(悪臭を含む)はガスクロマトグラフィー質量分析法により分析する。ガスクロマトグラフィー質量分析は、高感度、精密に定性、定量が可能であり、混在している物質を別々に分けるガスクロマトグラフィーと、さらに分離されたそれぞれの物質を、ある条件で処理して分子量などから、もとの分子を推定する質量分析器を組み合わせた分析機器である。ただし、この分析機器では物質の分離同定はできるが、どんな香りの混合物であるかはわからないため、香り嗅ぎガスクロマトグラフィーという分析機器で香りの構成を確認する。この機器は分離した物質を1つずつひとの鼻で嗅ぐことができるため、構成の中で重要な香りを特定できる。商品開発の研究所とともに、これら分析技術を駆使し、ニーズが高まっている口臭、身体周りの臭い、住まいのいろいろな臭いを分析するとともに、気体の混合装置などを用いて臭いの低減、すなわちデオドラント研究を進めている。

−洗濯物の部屋干し臭の解明と部屋干しトップの開発−

 家庭から数多くの衣料を集め、部屋干しして臭気確認を繰り返したところ、各衣料に共通した「独特の酸っぱい汗っぽい臭気」が認められた。この部屋干し衣料から発生する臭気は、中鎖アルデヒド・中鎖アルコール・ケトン・短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・窒素化合物・硫黄化合物から構成される複合臭であり、中でもC7〜C10の中鎖脂肪酸がキー臭気成分であることがわかった。部屋干し臭は、汚れと菌及び水分の存在と適度な温度により発生することがわかり、汚れと菌に効果がある酵素で部屋干し臭を抑え、洗濯後の爽やかな香りを実感できる洗剤開発に繋げた。

−体臭発生のメカニズムと制汗剤バンの開発−

 体臭の研究を進め、世界で初めて腋臭のキー臭気成分であるビニルケトン類(強いカビ様の金属臭)を発見した。ビニルケトン類は、汗と一緒に代謝される皮脂と、同時に代謝される汗の中の鉄分が空気に触れた瞬間に反応して生成される酸化臭であることをつきとめ、酸化臭も防ぐ制汗剤の開発に至った。また、香りの流行やお客様のニーズに合わせ、好みで選べる7つの香りのバリエーションを開発した。


−新たな高残香技術による『香りつづくトップ』の開発−

 残香性の高い新たな香料技術の開発に取り組み、洗剤を使う時や洗濯物を干す時だけではなく、着用時まで香りが長続きする香料の開発に成功した。最近の香りのトレンドであるフルーツ系香料素材の中から特に残香性に優れる「ラズベリーケトン」に着目し、香りのリフトアップ(増強)効果があるハーブタイプの「サリシレート」と組み合わせることで嗜好性の高いフルーティな残香が長続きする新たな知見を見出した。ファブリックケア研究所が開発した当社独自の「香りつづくメカニズム」との組み合わせにより、香りが着る時まで長続きする衣料用液体洗剤『香りつづくトップ』を開発した。

最近の学会発表・文献投稿

・香料 誌No.229「生活の中のニオイ」 (2006年)
・日本油化学会「洗濯過程における衣類への香料の吸着挙動について」(2008年)
・日本味と匂学会「短期および長期による市販シャンプー香の再認知性試験 」(2008年)
・日本化粧品技術者会「男性の印象形成に与える香りの作用研究」(2008年)
・日本化学会「若年男性における体臭発生機構と体臭抑制」(2008年)

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