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研究活動・支援研究
多面的な課題を解決する容器開発

 包装・容器は、お客様に魅力を伝える「商品の顔」、生活の1シーンの中で便利に使える「道具」、そしてお客様が利用後にリサイクルされる「資源」、と様々な面を有している。そこで、包装容器開発者にはデザイナー・研究者・エンジニア・生活者といった多面的な役割が求められてきている。
 生活者に優しく使い易いユニバーサルデザイン、省資源・リサイクル性を高める環境配慮設計、そして生活者がワクワクする気持ちになるエモーショナルデザインを、適性価格でお客様に提供することが私たちのゴールである。私たちはこのゴールを目指して、生活者調査、包装材料の科学的研究、容器形状の3DCAD設計、コンピュータシミュレーション(CAE)による設計評価、モックアップや実物を用いた包装材料評価と官能評価などを主なフィールドとして研究活動を行っている。

3DCAD

FEM

モックアップ

評価

製品

新規シミュレーション技術開発:輸送シミュレーション

新しい容器開発では、複数案のデザインを絞り込むために、多種多様な評価が必要であり、CAE(工学シミュレーション)技術を活用してボトル単体の機能・性能を予測する方法を開発してきた。現在、これらの技術を発展させ外装段ボール箱内でのバラケ現象を対象とした、新たなCAE解析シミュレーションの技術開発に着手した。

・バラケ現象とは

図−1

 大規模小売店舗では、外装箱をトレー状にカットし、そのまま段積みを行って陳列販売するケースが増加している(図-1)。そのため店頭での見栄えやディスプレイ効果の観点から開梱後の商品の整列性を考慮した輸送包装が必要である。しかし、ボトルの形状や外装箱仕様によっては図-2に示すバラケ現象が発生し、商品の整列性に問題が生じる。
こうした状態をデザイン選定時に予測出来れば、対応するためのコストを踏まえた上でのデザイン選定が可能となり、後工程でのトラブルを削減することにも繋がる。

・MBD(マルチボディダイナミクス) 技術の活用

図−2

 我々は、本課題を解決するためのシミュレーション技法として、MBD(Multi Body Dynamics )法を選定した。MBD分野は現在非常に注目を集めているシミュレーション分野である。特に、3DCAD から形状情報・リンク情報・荷重情報などが自動で渡せるようになり、操作法の簡便化が進展している。これを用いると単に部品単位での挙動解析ではなく、系全体の解析が精度良く実行できるからである。
MBDによるシミュレーションは3要素から構成されており、本検討での要件は各々表1のとおりである。

要素 解説 本検討での定義パラメータ
ボディ 物体 ボトル・段ボール・仕切り
入力 方向・強さ 振幅・振動数・振動波形
接触 ボディ同士を接触させる為の要件 反発係数・動摩擦係数・静摩擦係数

表1 MBDの構成要件

 この内、バラケ現象を発生させる主要素となる入力に関して、加振条件を明らかにするため検討を行った。振幅・振動数・波形を表2に示す5条件で解析したところ、バラケ易い加振方向はケースや配列の対角方向であること分かった。本技術に初期段階において輸送包装試験相当のシミュレーションが可能となり、デザイン選定段階から精度の高い容器設計が可能となった。

表−2

図−3

最近の学会発表・文献投稿

・日本包装技術協会 第51回包装情報研究会 ライオンの環境対応容器への取組み
・日本包装技術協会 第46回全日本包装技術研究大会 「香りとデオドラントのソフラン」のフルシュリンクボトルの開発
・日本包装技術協会 第46回全日本包装技術研究大会  リードヘルシークッキングペーパー用ホルダーの開発
・ダッソーシステムズ社 2008JCF/KOREA PLM Conference ライオンの容器開発におけるPLM活用事例

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