02 ボディソープブランド「hadakara」

市場の概念を覆すプロジェクト。
「肌」への本気の挑戦。

ボディソープブランド「hadakara」

ビューティケア事業では、キレイキレイ、Banに続く新たな成長の柱となるブランドの立ち上げが急務となっていた。そこで、保湿成分が洗い流されない日本初のボディソープ「hadakara」プロジェクトが立ち上がる。全社の期待がかかる「hadakara」プロジェクト、そのメンバーの中で中心となった4名がプロジェクトにかける「想い」と「こだわり」を語る。

PROJECT MEMBER

西倉

ヘルス&ホームケア事業本部
ビューティケア事業部

企画立案から導入に至るまでリーダー役としてプロジェクトを推進。

2005年入社 経済学部卒

河崎

研究開発本部
ビューティケア研究所

製品のコンセプト設計から組成の開発・実験を担当。

2012年入社 基礎工学研究科 生物工学専攻 修士課程修了

勝賀瀬

研究開発本部
香料科学研究所

香料開発を担当。「保湿」のイメージにつながる香りを開発。

2008年入社 人間文化研究科 化学専攻 修士課程修了

水野

研究開発本部
先進解析科学研究所

保湿成分が洗い流されていないことを証明するための分析を担当。

2011年入社 都市環境科学研究科 分子応用化学域 修士課程修了

※所属部所はプロジェクト推進当時のものです。

会社の期待を背負う、
「失敗できないプロジェクト」が始動。

西倉このプロジェクトは2014年7月から本格的に始動しました。最初はボディソープの新ブランドを立ち上げるということだけ決まっていて、コンセプトもブランド名もない状態でした。ブランド立ち上げの話がでる前に、研究所の方で新しい機能を付与できる可能性のある「吸着制御技術」を先に開発していたと思うのですが、研究を始めたのはいつ頃でしたか。

河崎2013年頃から研究は行なっていました。基礎研究を行うチームで、吸着制御技術を活用すると、肌の仕上がり感が従来品とは全く異なり、保湿効果も向上するということが分かってきていました。そこから私は「保湿効果の高い吸着制御技術」を製品化していく担当になったわけです。ボディソープ市場では強い競合ブランドがあり、新ブランドを立ち上げるということは、会社としても大きな挑戦だったと思います。絶対失敗できないというプレッシャーがありました。

勝賀瀬私は技術が満載のボディソープを香りで台無しにしてはいけないというプレッシャーが大きかったです。(笑)

河崎組成と香りは反応し合いますもんね。組成を壊さないようにしながら、香りも妥協しないというのはとても難しかったと思います。

勝賀瀬そうですね。香料は、完成したものに「良い香り」を混ぜるだけと思われがちですが、すべての素材と反応してしまうので、乗り越えるハードルはとても高かったです。特に今回は、今まで持っていない知見も必要だったので、ゼロからの出発でした。

西倉乗り越えるハードルが高かったといえば、「保湿成分が流されないことの証明」をお願いしていた水野さんにも大変苦労を掛けました。(笑)

水野似た構造の成分を測ったことがあったので、その測定方法を応用すればいけるだろうと最初は思っていたのですが、なかなかそう簡単にはいきませんでした。洗浄後の皮膚に残った保湿成分の測定方法を開発するのに1年はかかりました。

西倉どの部所も新しいチャレンジとなる製品開発でした。活発に議論し合える「士気の高いチーム」になれたことが、困難も多かった今回のプロジェクトを成功に導いた要因だと思います。

河崎企画を立ち上げる段階から、私たち研究職もプロジェクトに参加していましたね。早い段階から多くの部所を巻き込んで推進していったというやり方は、社内でも新しい事例だったように思います。

日本人の肌を本気で考えたら、
全く新しい「概念」が生まれた。

水野「保湿成分が洗い流されない」ということを証明するために私は奔走したわけですが、このコンセプトが生み出されるまでにも苦労があったんですよね。

西倉飽和している市場に新ブランドを確立するには、お客様の本音に刺さる「一点突破」のコンセプトを考える必要がありました。そこで「身体を洗えれば、ボディソープは何でもいいや」という認識のところに「ボディソープで本当に保湿までできる!」という新しい概念を打ち立てることに決めました。

水野今まで「ボディソープで保湿できる」という概念自体がなかったから、「日本初」というコピーを使用することにこだわったということですね。

西倉そうです。いわば従来の「優しく洗うボディソープ」へのアンチテーゼです。「hadakara」という名前には、“肌から”美しくしていきたいという意味と、「肌」と「洗う」を”ゼロ“から本気で考えた、という意味を込めています。

河崎「hadakara」が市場に出てから、「保湿成分が肌に残る」や「世界初」といったボディソープが市場に出てくるようになりましたね。

勝賀瀬確かに「hadakara」を皮切りに新しいブランドが急に出てきましたね。穏やかだったボディソープ市場が「大荒れ」になったという印象です。新しい概念といえば、「透明なボディソープ」というのも新しいですよね。香料開発においては、香りを付与したときに透明ではなくなることもあり、透明な外観を維持するために成分を厳選しました。正直「本当に透明じゃないといけないの?」とも思いました。でもそこは西倉さんが譲らなかったですね。

河崎そうです。私自身も「なぜ透明じゃないといけないのか」が完全に納得していたわけではなかったのですが、実際に透明なボディソープを使用したお客様の生の声を聞くと、ボディソープが透明であることが「新鮮さ」や「機能感」につながるということが分かりました。

西倉そこからはすごい勢いで開発が進んでいきましたね。私も主観的な意見だけでは、みんなが納得して進められないと思ったので、できるだけ定量的なデータやお客様の声をもとに意見するよう意識していました。意図的に社長や他部所の部長に試作品を配って、アドバイスをもらったりもしました。

勝賀瀬社内の声も参考にさせて頂いたのですが、自分自身が消費者としての目線を忘れないことも大事だと感じ、5歳になる娘の意見も参考にしました。

文系と理系。ゆずれない
「プライド」が良い製品を作る。

河崎今後も市場や生活者は変わっていくので、それに合わせた製品開発が必要です。水野さんは先進解析科学研究所から現在はビューティケア研究所に異動になって、まさにhadakaraの製品開発をしているところだと思いますが、異動してみていかがですか。

水野「ものづくり」はすごく大変だなと日々感じています。先進解析科学研究所では頼まれた仕事をやるという受け身の部分もありましたが、積極的に技術に関して提案するようになりました。大学で学んでいた専門分野とは違いますが、日々勉強しながらキャッチアップしています。

勝賀瀬社内では部所異動も多いですし、同じ部所内にも様々な専門分野の人がいるので、幅広い視点を持ちやすいですね。私も以前ファブリックケア研究所で「組成開発」をしていましたので、組成開発と香料開発の連携を図ることを意識しながら取り組んでいます。一方で「お客様にとってどんな価値があるか」を考える点はどの部所にいても共通しています。

西倉文系も理系もそれぞれのプライドをもって取り組んでいます。私はマーケティングのプロとして、理系は研究のプロとして、それぞれの専門分野からの見解を伝えるので、その分ぶつかり合うこともありましたね。

水野私の場合は「文系がそんなに言うなら絶対にデータで示してやろう」と火がつきました。(笑)

河崎西倉さんはすごく研究所に足を運んでくださったので、直接意見交換しながら進められました。企画、開発研究所、香料科学研究所、先進解析科学研究所など、たくさんの部所が一体となってプロジェクトを推進できたことが良かったと思います。

勝賀瀬事業部と研究所の場所が近いからできるということもあるかもしれません。試作品が出来上がるとその日のうちに社内便で送って「今日使って感想聞かせてください」ということもありました。開発研究所と香料科学研究所は同じ敷地内ですので日々意見交換しながら作り上げることができます。

河崎そういえば、女子会で温泉旅行に行って、お風呂で試作品を使ったりしましたね。プライドを持っているからこそのぶつかり合いもありましたが、そうやって真剣に取り組んでいるから良い製品が出来上がるのだと思います。

西倉なつかしいですね。納得していない部分は、完璧にお互いが納得するまで突き詰めましたね。私は今、ファブリックケア事業部に異動になりましたが、「hadakara」を通して学んだことが今のチームにも活きていると思います。「hadakara」をきっかけに、その後の新ブランド立ち上げの活性化につながっていることからも、このプロジェクトの「成功」を感じています。

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