開発STORY

 STORY 01 トップ NANOX 次世代の液体洗剤で、市場を変える。

Chapter03負けるわけにはいかない想いが”ナノ洗浄”を見出した

粘り強い追求で解明された、ニオイ汚れのメカニズム

洗剤マーケットで液体洗剤が急拡大しているのを受け、ライオンでは超コンパクト液体洗剤の研究開発を強化すべく、2008年の夏に研究開発部門を横断しての「タスクフォースプロジェクト」を発足。その中で、性能革新チームのリーダーを務めることになったのが、かつてMEEの研究開発に携わっていた岡本だった。

「洗浄メカニズムを解析したいという思いは、私たちにも当然のごとくありました。とはいえ、ニオイの原因物質はごく微量であるため、解析に挑むのは時間的なリスクが大きく、相当な覚悟が必要でした。けれど、それをやってのけたのが普段基礎研究を行っている研究室の新入社員たちでした。」

若手にも早い段階から成功体験を積ませたい。そのためにはどんどんチャレンジさせていく。そうした風土が当たり前にあるなか、新入社員ならではの斬新なアプローチと、研究所に脈々と受け継がれている粘り強さを発揮し、MEEの洗浄メカニズムを見事に解析したのだという。

繊維のすき間は、わずかに10~20ミクロン。そこに入り込んだニオイ汚れを、MEEが細かいナノレベルまで分解し、繊維のすき間から溶かし出す。

「ニオイ汚れを落とすメカニズムは、ナノレベルで起こっている」。そう聞いたときに松井は、これこそが探し求めていたキーワードだと直感した。

「ナノという言葉には、科学的で先進性なイメージがありますし、小さい単位なのでコンパクトタイプともリンクします。新しさと、ニオイ汚れまで落とす洗浄力の高さ。その両方を“ナノ洗浄”というキーワードで訴求すれば、差異を明確に打ち出せると思いました」

ネーミングにも試行錯誤を繰り返したが、可能性を感じさせる「X」を組み合わせて、「NANOX(トップNANOX)」に決定。次世代の洗剤として進化し続けてほしいという、開発に携わった者たち全員の思いも込めたと松井は話す。

次世代の洗剤として誕生したトップNANOXには、類似の前例がない。そのため、コンセプトを絞り込む際はもちろん、容器形状を決めるにあたっても、雲をつかむようなチャレンジが続いたという。

「当初、これまでの液体洗剤と同じような形状のものも考えましたが、それではインパクトがないばかりか、お試しサイズのように見えてしまいました。次世代の洗剤ならではの新しさを訴求するには、やはり驚きが必要だと思い、思い切った独自性のある容器を目指しました」

洗剤が多種多様にある中で、生活者は「自分にあったもの」を選ぶようになっていた。洗剤を選び使い続ける動機を考えれば、「家に置いたところを想像したときに、魅力的に感じるかどうか」がポイントになると思った松井が選んだのは、液体洗剤マーケットでは前例のない、インテリア性の高いキューブ型だった。

「勇気をともなうチャレンジでしたが、生活者調査での『かわいい!』というお客様の声が、私を後押ししてくれたのです」

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