開発STORY

 STORY 03 ルック おふろの防カビくん煙剤 カビとの不毛の戦いに、終止符を。

Chapter02除菌成分をいかに天井まで届けるか
ようやく突き止めた銀粒子の大きさ

研究所の山岸が新しいアプローチでカビ対策に取り組み始めたのは2007年。塩素系のカビ取り剤や浴室の黒カビに対する消費者の不満を解消したいという思いからだ。 「お風呂のカビ汚れについて調査を重ねていくと、『天井』を掃除している人が少ないことがわかりました。確かに、天井に黒カビは見えませんし、天井に向けてカビ取り剤を放つことはできません。だとすれば、天井はカビの無法地帯になっているのではないか?そんな疑問から、あらためて浴室全体のカビについて調査をしてみると、天井にも壁や床と同じくらいのカビが潜んでいることがわかりました。さらに調べてみると、このカビは目に見えないカビ原因菌で、浴室全体にカビ胞子をばらまき、黒カビを発生させる厄介な存在だということが判明したのです」。

浴室のカビ汚染の原因を突き止めた山岸は、すぐさま商品開発に取り掛かる。除菌成分を天井まで飛ばすのは、2004年に中外製薬から取得した『バルサン』のくん煙技術が使えそうだと見ていた。くん煙とは、石灰と水が化学反応する際に発生する熱を利用して有効成分を気化させ空間を充満させることで、除菌成分を浴室の隅々まで行き渡らせるのにぴったりの技術だ。しかし、「ここからが苦難の連続でした」と山岸は振り返る。
「“除菌成分に何を用いるか”が、まったく決まらなかったのです。塩素系薬剤やアルコール、天然成分などを検討したものの、環境・安全性評価センターに持ち込んでは却下されるの繰り返しで、挫折の連続でした」。

画像:山岸弘

製品はお客さまの健康が保たれてこそ成り立つものであり、環境や安全性の評価を無視することはできない。環境・安全性評価センターが「安全性に問題ないことを確認」しなければ、商品としてお客さまの手元に届くことはない。
「何度も検討を重ねる中で、唯一、効果と安全性を両立できそうだったのが『ルックきれいのミスト』に使われている銀イオンでした。銀を煙で飛ばすという発想はそれまでの常識では考えられないことで、銀の粒子をナノレベルまで小さくすると吸い込んだ時に危険性がありますし、粒子を大きくすると隅々まで飛んでいきません。数えきれないほどの実験を重ね、ようやく最適な粒子の大きさを突き止めました」。

「絶対に生活者の役に立つ」という山岸の強い信念が、ついに実を結んだ。

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