2015年の活動ハイライト

2015年ハイライト01
ライオングループの国内外での口腔保健啓発活動
〜生涯にわたる健康な歯と口を目指して〜

健康寿命とは

世界の平均寿命は、医療技術の進歩、食生活や栄養状態の改善、衛生習慣の普及などにより大幅に延伸しています[表1]。
しかし、実際の寿命と、健康に生きていける寿命は多くの人の場合異なります。ただ長生きするのではなく、生涯にわたり心身ともに健康で生きていくこと、すなわち「健康寿命」に着目することが大切です。
世界の平均寿命と健康寿命には8年もの差があります[表2]。
長寿の国といわれる日本においても、同様に差が開いており、健康寿命の延伸は世界的な課題となっています。

[表1]世界の平均寿命

[表2]世界の健康寿命(2015年データ)

口腔保健と健康寿命

近年では、口腔保健と健康寿命には密接な関わりがあることが明らかになってきています。
健康に生きていくためには、毎日美味しく食事をとることが不可欠です。そのためには生涯20本の歯を残すことが必要といわれています。毎日の正しい口腔ケアを行わないと、歯周病やムシ歯により歯を失うリスクが高まります。
また、口腔疾患は歯と口にとどまらず、全身の健康に影響を与えることがわかってきています。残存歯数が少ないと、美味しく食事をとることが困難になるだけではなく、骨密度の減少や認知症の発症リスクを高めるといわれています。さらに、歯周病は、糖尿病や肺炎などの全身疾患との関連性が高いことがさまざまな研究で指摘されています。
つまり、健康寿命を延伸するためには、健康な歯と口を保つことがとても重要なのです。

ライオンの取り組み

ライオングループでは、生活者が生涯にわたり健康で快適に暮らすことを目指し、口腔保健啓発活動を日本だけではなく、海外事業所各地でも推進しています。当社の海外事業所所在国・地域で実践した口腔保健啓発活動の一部を紹介します。
今後もライオングループは、健康寿命の延伸に、商品の提供とともに口腔保健啓発活動を通じて貢献します。

アジア各国で開催している学童歯みがき大会

生涯にわたって健康な歯と口を保つには、子どもの頃から正しいオーラルケア習慣を身につけることが大切です。当社は、小学生から歯と口の健康意識を育むことに重点を置き、公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(LDH)と共同し、1932年より「学童歯みがき大会」を開催しています。この大会は、「歯と口の健康週間(6月4日〜10日)」に開催し、インターネットを通じて1時間の授業で楽しく口腔保健の大切さを伝えています。
今では毎年約7万名もの小学生が参加する全国規模の大会へと進化し、日本にとどまらず、アジア各国・地域で開催しています。

* 2016年より「全国小学生歯みがき大会」へ名称変更。

シンガポールでの口腔保健啓発活動

児童への口腔保健啓発

シンガポールライオンでは、Singapore Health Promotion Boardと共同で、口腔保健教育を推進しています。その活動の一環として、「Health on Wheels(移動バス教室)」キャンペーンに取り組んでいます。
このキャンペーンでは、移動バスで幼稚園・小学校に出向き、5歳から8歳の子どもたちにバスの中で口腔保健授業を行っています。授業では、歯みがきに関するアドバイスやコツを教え、参加した子どもたちに「Kodomo オーラルケアパック(シンガポールライオンが販売している商品)」を配付しています。これまでに15,000名の子どもたちに対して口腔保健教育を行いました。

「Health on Wheels」キャンペーンの移動バス

ファシリテーターによる口腔保健指導

* シンガポール国民に向けた健康啓発活動や病気の予防プログラムを推進しているシンガポール政府の組織。

貧困地域への口腔保健啓発

歯と口の健康の大切さを伝えるために、そしてシンガポールの恵まれない地域では正しい口腔ケアが行き届いていないことを国民に知ってもらうために、シンガポールライオンはSingapore Dental Health Foundationと共同して全国規模の口腔保健キャンペーン(Systema Ting Ting-a-Smile Campaign) を実施しています。
このキャンペーンの一つとして、シンガポール全土で放映されているバラエティ番組「The Joy Truck TV」を通じて口腔保健啓発を行っています。番組では介護従事者向けに、高齢者の正しい口腔ケアについて指導しています。
また、シンガポールライオンでは貧困地域の方々へオーラルケア商品の寄付を行っており、これまでに5,000セット寄付しました。

番組での歯間清掃指導

番組での歯みがき指導

* シンガポール国民の口腔保健意識向上に向けて口腔保健啓発活動に取り組んでいるボランティア組織。

シンガポールライオン担当者の声

Senior Product Manager, Serene Koh

子どもたちや介護従事者の皆様が、積極的に正しい口腔ケア習慣について学んでいただいているのを見ると、その活動をお手伝いしている側としてとても嬉しく思います。これからも継続的にシンガポールの皆様に口腔保健の大切さを啓発し、人々のQOL(Quality of Life=生活の質)の向上に貢献したいと思います。

韓国での口腔保健啓発活動

保健所「歯みがき相談室」

韓国ではCJライオンが地域住民の口腔保健意識の向上を目指し、保健所と共同して「歯みがき相談室」を2012年より開催しています。参加者に自分の口腔状態についてセルフチェックをして頂いた後、個別検査を行い、それぞれの歯と口の状態に合わせたセルフケア方法を指導しています。
2015年は約2,080名が参加し、累計で約6,800名の方が歯みがき相談室に参加しています。

家族での参加も多数

歯とお口の状態に合わせたオーラルケア方法の個別指導

小中学校での口腔ケア指導

CJライオンは、西大門区保健所とヨンセ大学歯科学部予防歯科の協力のもと、ソウル市内の西大門区管内の小学校や中学校を対象に歯みがき施設(歯科健診や口腔ケア指導を行う施設)を設置し、歯みがき教育を2014年より実施しています。歯みがき施設では、歯科医師・歯科衛生士による継続的なモニタリング教育として、歯科健診を3年間継続的に行い経過観察しています(年2回、対象は小学4〜6年生、中学1〜3年生)。また、正しい口腔ケア習慣を身につけてもらうよう、毎月1回歯科衛生士が学校を訪問し、昼食後の歯みがき習慣や正しい予防歯科習慣を子どもたちに伝えています。
歯みがき施設を設置している学校は2014年の2校から2016年の6校へと拡大され、累計で約4,000名の子どもたちに歯みがき教育を行っています。

みがき残しがないように、チェック!

クラスごとに歯みがき教育を実施

CJライオン担当者の声

Risk Management & CSR Team CSR Specialist
課長 文 智鈴(ムン・チヨン)

こんにちは!CSR社会貢献を担当しているムン・チヨンです。企業がよい製品を通じて生活者の快適な生活をサポートするように、私は、「健康・快適生活支援」の社会貢献事業を通してサポートしています。活動を通じて毎日たくさんの笑顔に出会い、逆に元気をいただいています。歯みがき相談室では、恥ずかしそうにのど飴を分けてくださるおばあさんの穏やかな笑顔に出会います。学校では“先生、大好き”と言ってくれる元気いっぱいの子どもたちの笑顔が見られます。みんなの笑顔を元気のもとに、地域社会における私たちCJライオンの役割を真剣に考え、今後も従業員全員が一緒にできるさまざまな社会貢献事業を企画し、進めていきます!

タイでの口腔保健啓発活動

学術面での口腔保健啓発

タイライオンでは、ライオン・オーラル・ヘルスアウォードを毎年実施しています。このアウォードは、タイの予防歯科に役立つ研究や活動をしている人の助成を目的に、タイの有力歯科医師の協力のもと、優秀な予防歯科に関する研究や活動に対して表彰および賞金を贈呈しています。2009年から実施しており、2015年までに26団体に授与しました。授賞式当日はタイ公衆歯科衛生協会の学会も開催され、予防歯科に関する講演が実施されました。

2015年12月に行われたライオン・オーラル・ヘルスアウォード

政府と連携した口腔保健啓発

タイ政府は、国民の健康意識を高めるために2012年より「ヘルスフェア」を実施しています。このフェアでは、ボランティアの医師や看護師により、参加者への健康診断や薬を処方しています。
タイライオンは、正しい口腔ケアを啓発するために、このフェアでブースを出展し、歯みがき指導を実施しています。2015年は、ナコンラチャシーマ県のスラナリ病院で実施されたヘルスフェアにて、2,000名に歯みがき指導を実施するとともに、参加者にハブラシやハミガキを配付しました。

スラナリ病院で参加者に歯みがき指導を実施

タイライオン担当者の声

私たちは「ヘルスフェア」で歯みがき指導ブースの担当をしているオーラルヘルスチームです。
ブースに立ち寄っていただく様々な世代のお客様のお悩みを聞き、適切な歯みがきの方法やアドバイスを伝えています。直接お客様とお話できる貴重な場なので、これからも政府と連携し、お客様の要望を聞きながら、このようなイベントをさらによくしていきます。

(左から)Pornnapa Wimonrat, Ananya Muangkaew,Wanna Thamromdee, Karnjana Anurakkamolkul,Saovanee Ninlux, Ayumi Sakashita,Phakpoom Suvarnaketaka

日本での口腔保健啓発活動

ライオンは1913年から、生活者の大切な歯と口の健康を目指し、口腔保健啓発活動を行っています。ムシ歯などになってから治療するのではなく、なる前の「予防」を大切にする「予防歯科」を浸透させる啓発活動を推進しています。従業員一人ひとりが予防歯科の重要性を認識し、行政・学校・病院・歯科医院などの社外団体との連携を通じて、生活者のライフステージに沿った啓発活動に全社で取り組んでいます。 また、ライオンは、公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(LDH)の活動を、全面的に支援しています。

マタニティ

ライオンが運営する歯科医療情報サイト「オーラルコム」では、トラブルの多い妊娠期のプレママと赤ちゃんのお口の悩みにこたえています。

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乳幼児

ライオンは市町村が実施する1歳6ヵ月児健診において、予防歯科の大切さを伝えるリーフレットや子ども向けフッ素配合ハミガキを配付しています。これまでに約20万名の乳幼児に配付しました。

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小学生

1932年から、毎年6月の「歯と口の健康週間」に合わせて「学童歯みがき大会」*をライオンとLDHが共同で開催しています。
* 2016年より「全国小学生歯みがき大会」へ名称変更。

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中・高生

ライオンがスポンサー企業として応援しているTV番組「全国高等学校クイズ選手権」の参加者を対象にLDHと共同して歯間清掃用具使用の啓発を行っています。

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成人

就業者を対象に、歯周病の予防と歯と口の健康の保持・増進に重点を置いた歯科健診をLDHで実施しています。

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シニア

LDHでは生涯にわたって歯と口の健康を保つための「健口美」体操を企画制作し、啓発用パンフレット、動画などを通じてこの体操の普及に努めています。


2015年ハイライト02
ハブラシリサイクルプログラムの推進

当社は2015年5月より、テラサイクルジャパン合同会社(以下、テラサイクル社)と提携し、使用済みハブラシを回収してリサイクルするプログラム「ハブラシブリゲード」をアジアではじめて開始しました。

* ブリゲードとは連隊、旅団サイズの軍隊を指し、ひとつの目的を共有し、団結して事を成すという意味。

プログラムの狙い

ハブラシは、子どもから大人まで、すべての生活者にとっての生活必需品であり、年間で約4.5億本が消費されています。しかし、今までは使用済みのハブラシは、埋め立て地に送られたり、焼却されたりしており、資源として活用する場がありませんでした。
当社は、オーラルケアのリーディングカンパニーとして長きにわたり、生活者の歯と口の健康増進を応援してきました。同時に、「環境対応先進企業の実現」を経営目標のひとつに掲げ、ものづくりの場や事業活動において環境負荷低減に取り組んでいます。これらの考えのもと、下記の狙いを定め、テラサイクル社と共同で、日本国内でプログラムを推進しています。

* 国内生産本数、全日本ブラシ工業協同組合 調べ

狙い1 身近なリサイクル活動の場としての貢献

大人から子どもまで生活者が自ら取り組めるリサイクル活動の場を提供し、地域・社会の環境負荷低減活動の活性化に貢献する。

狙い2 お口の健康管理への貢献

ハブラシの適切な交換サイクル(1ヵ月に1回)での交換を推奨し、生活者の歯と口の健康保持・増進をはかる。

プログラムの内容

プログラム参加希望者は、個人・学校・団体などの単位で事前に参加登録し、使用済みのハブラシを集めます。学校や施設であれば、回収ボックスなどを設置し、多くの方からの収集が可能となります。集めた使用済みハブラシは指定運送業者が集荷し、参加者には集めた重量に応じてポイントが付与されます。そのポイント数に応じて、ハブラシをリサイクルして作られたプラスチック製品(植木鉢など)との交換や教育支援・地域支援などの寄付に換えることができます。

再生品の植木鉢

2015年の活動実績

2015年は、公民館、学校、児童館、販売店など合計115もの回収拠点が立ち上がりました。
人々のリサイクル意識および口腔保健意識の向上を目指し、今後もプログラムを推進します。

* 2015年12月15日時点

児童館での設置

フレンドリープラザ墨田児童会館

さくら橋コミュニティセンター

販売店での設置

ドラッグストア クリエイトエス・ディー藤沢柄沢店

ドラッグストア クリエイトエス・ディー新鴨志田店

プログラム担当者の声

事業開発部 横山 準

私は、このプログラムの活動内容を企画し、テラサイクル社のメンバーと協力して活動を推進しています。初年度である2015年は、この活動の認知拡大に向けて記者発表会や、ポスターコンクールなどのPRイベントを行いました。また、ライオンの本社所在地である東京都墨田区では、中学校や児童館などに直接出向き、回収活動への参画を呼びかけて、地域での活動促進にも取り組みました。
ハブラシは子どもから大人まで使う生活道具であることから、「身近で誰にでも取り組みやすい活動ですね」との声をいただくことができました。特に学校関係の皆様からは、「生徒自身が主体的に取り組むことができて、環境教育と健康教育につながっている」とおうかがいして、とてもうれしく思っています。また、「この活動をきっかけにハブラシの定期的な交換を意識するようになりました」との反響もいただいております。
これからも、ハブラシのリサイクルという新しい切り口で、生活者の皆様の環境意識向上と歯と口の健康づくりに貢献できるよう、取り組んでいきます。


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