学習指導テキストのご紹介

雨水の有効利用を「総合的な学習の時間」等の
授業に活用していただけるようテキストを作成しました。
児童・生徒のみなさまへご指導される際に、ぜひご活用ください。

モデル授業のご紹介

雨水活用の大切さを子供の頃から身につけてもらうために、
雨水活用のフロンティアシティである墨田区でモデル授業を行いました。
雨水活用の大切さを”たのしく”教えるヒントとしてご覧ください。

墨田区立二葉小学校で行われた雨活授業

雨活授業 概要

  • ◆日時:2011年4月14日(木)
  • ◆場所:墨田区立二葉小学校(永田学校長)
  • ◆講師:寺木秀一氏(東洋大学文学部教育学科教授)
  • ◆時間:1コマ(45分)
  • ◆内容:体験型学習(雨水活用の講義とその実践)
  • ◆児童:5年生3クラス合同、102人

授業のポイント

  • ・理科または環境学習の視点から、地球上の水の中で生活に利用できる淡水はごくわずかなことを知る。
  • ・私たちがふだん何気なく使っている水道水のもとは雨水であることを知る。
  • ・雨水の有効利用について考えを深める

テーマ1:導入〜地球上の水生活に使える水って、実は限られている。

「人間が生きていく上で、最も大切なものは何でしょう」。はじめにこう質問すると子供たちから色々な答えが返ってきました。「電気、ガス、空気…」。そして子供たちは「水」がなくては人間は生きていけないという事実に気づきました。ここで、代表児童6人を呼びよせた寺木先生。児童たちに地球儀でキャッチボールをするよう伝えます。自分たちが何のためにキャッチボールしているのか想像がつかない児童たち。突然、寺木先生が児童たちに聞きました。「ボールをキャッチした時、何本の指が地球の陸地にありますか?何本の指が海にありますか?」。結果はほぼ、海と陸の比率が7:3。ここで初めて、子供たちは海の面積が陸の面積より多いことを知りました。

次に寺木先生が用意したのは1,000mlの水を入れたビーカー。先生は児童たちにこの水が地球全体にある水であることを説明し、「地球全体で使える水がどのくらいあるでしょう」と尋ねました。黙ってしまう子供たち。答えは「塩水」の量が975ml、「淡水」が25ml。淡水のうち南極・北極などの「凍っている水」が約17.5ml、地下水などの「使えない水」が約7.5ml。では、人間が使える飲料水は?

そこで寺木先生が一滴の水をスポイドで落としました。その量、わずか0.04ml。その量の少なさに驚く子供たち。ふだん何気なく飲んでいる水がいかに貴重なものかを実感したようです。

え!人間が使える水って、こんなに少ないの?

テーマ2:生活に使える水水道水は、もともと「雨水」。

ここで寺木先生がふたたび子供たちに質問しました。「私たちの生活に使える水はどこにあると思いますか?」。子供たちからは「水道にある」「井戸にある」「コンビニにある」とさまざまな答えが返ってきました。「実は、生活に使える水って、もともとは雨水なんですよ」。先生の質問は続きます。
では、貴重な雨水を日本人は有効に使えているでしょうか」。

答えはNO。日本の年間平均降水量は約1,700mm。ところが、都市部では、雨水のほとんどが下水に流されているのが現実です。たとえば東京。年間平均降水量約1,400mmのうち、生活に利用されている雨水はたった0.23mm。世界中には約11億人が安全な飲み水のない生活を送っていること、アフリカ南部のボツワナでは、年間平均降水量約250mmの雨水を貯めて貴重な資源としていることを教えると、子供たちの顔には授業の始めと比べ明らかに違う表情が表れてきました。下水に流してしまう前に雨水をもっと有効に活用する方法はないのでしょうか。

雨水って、貴重な資源なんだね。

テーマ3:雨水活用こんなのもある、雨水活用のメリット。

ここまでの授業では、省資源の観点から雨水活用の大切さを教えてきました。でも、それ以外にも雨水活用のメリットはたくさんあると寺木先生は言います。

たとえば、治水学的なメリット。地域ごとに雨水を貯めることでダムに頼ることなく、都市洪水を低減させることができます。暮らしやすい町づくりにも有効。火事や渇水時に貯めておいた水を使うことで災害に強い町を、雨水を地下で循環させることで、緑豊かな街をつくることができます。

また、雨をテーマにした名画や名曲が数多くあることからも分かるように、雨と日本文化は古来から深く結びついています。雨の有効活用を教えることは、子供たちの豊かな感性を磨き、雨を大切にする文化の継承にもつながります。
必要とされる水質に応じて水の使い方を考えることも大切だと言います。授業で見てきたように飲料水は貴重なもの。車を洗ったり、トイレに使う水には雨水で十分かもしれません。授業では墨田区にある雨水タンク「天水尊」など児童たちに身近な実例を挙げながら、雨水には不純物が少ないこと、地下水を汲み上げたり水道水を作る際に必要な電力消費量が低減できることにも触れられました。

雨水って、いろんなことに使えるんだね。

まとめ新しい雨水活用のアイデアを考えよう。

授業の前までは、ついつい「やっかいなもの」として捉えられがちだった雨水。でも、視点を変えて「資源」と捉えると、人間にとってありがたい存在であることが児童たちもよく分かってきました。
雨水を上手に使えば、人間のくらしは楽しく豊かになる。寺木先生は雨水の眠っている可能性をもっと深く考える第一歩として、ライオンが主催する「雨活アイデアコンテスト」を紹介。最後に「グループでもよし、個人でもよし。作文や自由研究、ポスターなどにまとめましょう。新しい雨水の有効活用アイデアを、今度はみなさんが生み出してください」と話して、45分の授業を終えました。

新しい雨水活用のアイデアをつくろう!