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社長からのメッセージ(アニュアルレポート2006)

攻めの改革で戦略的成長へ

中期経営計画「VIPII09計画」の2年目にあたる2006年度は、新規分野への参入やインフラの整備など、計画達成に向けた基盤づくりを推進しました。今後も、確固たる基盤を有する日用品・薬品事業の融合により生まれた当社ならではの製品を提供する事で、お客様の快適な生活と健康をこれまで以上にサポートしてまいります。同時に、地球環境への配慮などの社会的責任も果たしていくことで、さらなる企業価値向上を目指します。

Sadayoshi Fujishige

代表取締役社長
藤重 貞慶

Q.
2006年は、ライオンが主に事業展開する日用消費財分野は原油価格の高止まりによる原材料費高騰や市場競争の激化により厳しい事業環境にあったと伺っています。その中で最近、ライオンの強みを生かした新しい取り組みを始められたそうですね。
A.

少子高齢化が本格的に進む中で、自分の健康は自分で守るというセルフメディケーションの考えが生まれるなど、日本の消費者意識には変化がみられます。日用品と一般用医薬品分野を主な事業領域として技術・マーケティングなどの確固とした基盤を築いてきたライオンにとって、この消費者意識の変化は、大きなビジネスチャンスの到来といえます。

そこでライオンは、日用品の約1兆5,000億円市場、一般用医薬品の約8,000億円市場、機能性食品の約7,000億円市場の3つから構成される3兆円のマーケットを「新・快適生活産業」と位置づけました。そして、ライオンは2005年から2009年までの中期経営計画「VIPII09計画」を推進する一方で、この「新・快適生活産業」でのNo.1企業を目指すことをビジョンのひとつとして掲げました。

新・快適生活産業

このビジョンの実現に向けて、当期は薬品とオーラルケア、ビューティケアを融合させたメディカルヘルスケア製品の展開と機能性食品分野への新規参入を果たし、「新・快適生活産業」No.1となるための基盤作りを行いました。

また、「環境対応先進企業を目指す」を第2のビジョンとするライオンにとって、環境保全への取り組みは最優先課題です。ライオンは、早い時期から特に水環境問題に取り組み、環境に配慮した製品組成の開発などにより業界の水質汚濁防止活動をリードしてきました。当期の大きな成果に、当社独自開発の洗浄成分「MES(Methyl Ester Sulfonate)」の配合比率を増やし、洗浄成分中の植物原料比率を約3/4に高めた衣料用洗剤『トップ』のリニューアル発売があります。MESは再生可能なパーム・ヤシ油を原料としており、洗浄力も高く、生分解性も良い事から、環境にやさしい界面活性剤です。さらに、製品開発のみならず、当社が関わるすべての事業活動における環境保全活動を「ECO LION」活動として積極的に展開しています。

Q.
2005年度から新たにスタートした「VIPII09計画」の2年目が終了いたしました。現時点での具体的成果をお聞かせください。
A.

2006年度は、20年来研究を重ねてきた「トマト酢」を配合した快適生活サポート飲料『グッスミン』、コラーゲンとフラバンジェノールを配合した美容サポート飲料『キュプルン』を新ブランド『健美創研』から発売するなど、機能性食品分野に新規参入しました。市場の反応は大変良く『グッスミン』は既に発売7ケ月で売上400万本を越えるヒット製品となりました。また、日用品、一般用医薬品分野のシナジー効果により、セルフメディケーションをサポートするメディカルヘルスケア製品の発売も開始しました。現在、機能性食品・メディカルヘルスケア分野の製品が、われわれが提唱する「新・快適産業No.1を目指す」原動力として成長することを期待し、力を入れています。

また、「ECO LION」活動では、「温暖化ガス排出量削減」「資源の循環的・有効活用」「商品を通じた環境配慮」「化学物質の安全管理」「社内の環境意識醸成」の5つを活動の柱とし、全社的な環境保全活動に取り組んでいます。そうした中で、2006年12月に「ライオン エコ基準」を策定しました。「ライオン エコ基準」は、製品の原材料調達から製造、物流、使用後の廃棄に至るまでの、製品のライフサイクル全体を対象とした環境負荷を評価する「ライフサイクルアセスメント(LCA)」の視点に基づいています。製品における環境配慮のポイントを具体的かつ定量的に評価して製品開発の指標とし、基準をクリアしたものを「エコ商品」とし、今後もその拡大に努めます。

また、組織面では、第3のビジョンである「企業文化の活性化を推進する」ために、2006年4月に家庭品事業部門をオーラルケア事業部・ビューティケア事業部からなるヘルスケア事業本部、ファブリックケア事業部・リビングケア事業部からなるハウスホールド事業本部および特販事業本部の3事業本部体制としました。また、これまで各事業本部内にあった家庭品の開発研究所を研究開発本部としてまとめることで、各研究所間のシナジーの創出および先発・市場創造型製品開発力の強化を推進しています。生産面では、東京工場を閉鎖し子会社等へ生産業務の移管をするなどの生産拠点の再編による効率化を図りました。事業面では「収益構造の改革」の一環として子会社のライオンマーコミック(株)の事業譲渡やライオンビルメンテナンス(株)の株式売却を行いました。また、経営面においては、敵対的買収への防衛策としての「信託型ライツプラン」の導入や、社外取締役2名の選任により経営の透明性・客観性を高めたことなどによりコーポレートガバナンスの強化を図りました

Q.
以上の取り組みを踏まえて、2006年12月期の業績の総括をお聞かせください。
A.

2006年12月期の当社の連結売上高は、3,303億円で、前期比0.4%の減収となりました。海外の家庭品事業が順調に推移するとともに、コア事業である国内の家庭品・薬品事業では、機能性食品や1,000万本を超えるヒットとなった『ルックきれいのミスト』などの新製品や『トップ』をはじめとしたリニューアル製品の売上は順調に推移いたしました。しかし、競争激化による既存品の売上減少、一般用医薬品市場の縮小、さらに売上の平準化およびコストの効率化を目指して、懸案となっていた流通在庫を月商の1〜1.2ヵ月分から0.5〜0.6ヵ月分へと出荷抑制により大幅削減したことが影響し、連結売上高は減収となりました。

利益面に関しては、経常利益は24億円で、前期より60億円減益となりました。製造原価低減を始めとするトータルコストダウン施策を推進したものの、売上構成の変化や原油価格の高止まりによる原材料価格高騰の影響による粗利益減少、積極的な販売促進活動を展開した事による競争費の増加などにより、大幅減益となりました。

また、12月にヘンケル社との株式の相互保有を解消し、保有していたヘンケル社の投資有価証券売却益を計上したため、当期純利益は55億円と、前期並となりました。

2006年度の業績はこのように厳しいものでしたが、新たな事業への取り組みを開始し、インフラの整備も整ったことから、2007年度のV字回復へ向けた基盤を固めることができました。

また一方で、年間配当を10円に増配するとともに、売却前にヘンケル社が保有していた株式数に相当する自己株式1,440万株を消却し、株主の利益増大に努めました。

Q.
2007年度は業績のV字回復を達成すべき重要な年になると思います。そこで具体的な取り組みをお聞かせください。
A.
第1の取り組みは「主力項目のシェア向上」です。2007年度は、ハミガキ、衣料用洗剤、台所用洗剤といった主力項目での高機能・高付加価値大型新製品の導入や大型リニューアルを行います。具体的には台所用洗剤のシェア向上のために、3月に『CHARMY泡のチカラ』を発売し、台所用洗剤の単品シェアNo.1に育成します。また、『トップ風合い感』で衣料用洗剤プレミアム市場のNo.1を狙い、それにより『トップ』ブランド全体のシェアアップを図ります。汎用ハミガキブランド『デンター』はシェア回復を狙って『デンタークリアMAX』の新発売を行い、ハミガキの汎用価格ゾーンでのNo.1を目指します。
2007年の大型新製品

第2の取り組みは「新規分野の開拓」です。2006年に新規参入した機能性食品に関しては、特定保健用食品を含めた製品の本格的展開と強化、メディカルヘルスケア製品に関しては、ラインアップの拡充に注力します。海外に関しては、アセアン地域でマーケティングの更なる強化と生産能力の拡充により、引き続き売上前年比2ケタ成長を目指します。さらに、北東アジアを中心に一般用医薬品の展開による事業拡大も検討しています。化学品事業では低収益製品の見直しを行うとともに新規分野の開拓・拡大を継続して推進しています。ここ数年検討を行ってきたライオン独自の植物原料由来のMESの外販事業化に関しては、製造技術の検討は終了しており、1〜2年後には事業を開始できる見込みです。

第3は「組織の総合力強化」への取り組みです。昨年実施した家庭品事業部門の組織変更をさらに推進します。2007年3月末より薬品事業本部をヘルスケア事業本部に統合し、新ヘルスケア事業本部を設立。オーラルケア、ビューティケア、薬品を同一事業本部内の組織とすることで、技術・ブランド・流通におけるシナジー効果を発揮して、一層高まっていくセルフメディケーションの需要に対応できる体制を整えます。これにより日用品の事業分野はヘルスケア・ハウスホールドの2事業本部を中心に、各事業本部内での製品企画から店頭での販売促進戦略までの一貫性を確保することで、ブランド力の一層の強化を進めます。

2007年度は、今お話したような施策の推進により、業績のV字回復を達成するのみならず、今後の企業価値向上へ向けた、転換の時期にあたる重要な年になります。今後ともライオンは株主を始めとするステークホルダーの皆様に説明責任を果たし、さらなる企業価値の向上へ向け、出来る限りの努力をしていくつもりですので、ご支援をお願いいたします。

2007年3月29日

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