社長インタビュー(アニュアルレポート2014)

証券コード:4912

株価
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代表取締役社長 濱 逸夫

1. 2014年12月期について、2013年に引き続き業績が好調な要因をお聞かせください。

国内では、消費税率引上げや夏場の天候不順、海外では一部の国での政情不安や経済の減速などに大きく影響を受け、当社を取り巻く事業環境は依然として厳しさが続きました。

このような中、一般用消費財事業の各分野において高付加価値製品の育成と浸透を図るとともにプロダクトミックスの改善に努めました。

産業用品事業では、業務用洗浄剤分野の伸張や、化学品事業では高付加価製品の売上が伸長したことにより利益性が改善しました。

海外事業においても、主力のタイで、期後半は順調な伸びを確保したことや、中国でのネットを通じた販売も順調に伸びたことにより、量的成長を継続させることができました。

グラフ:売上高推移(2010-2014)
グラフ:営業利益推移(2010-2014)
グラフ:純利益推移(2010-2014)
2. 2014年は中期経営計画「V-1計画」の最終年度でしたが、当初の目標と乖離が生じています。その要因と今後の方向性についてお聞かせください。また、経営ビジョン「Vision2020」は変更するのでしょうか?

「V-1計画」の期間においては、消費増税や為替変動などの影響がありましたが、おおむね良好な売上成長を達成しました。国内では、主力ブランドの重点育成や営業体制を強化するとともに、海外では、各国でのグローバルブランド展開を加速させて、積極的なマーケティング活動の成果をあげることができました。

一方、収益性の面では課題を残すこととなりました。特に、一般用消費財事業で「V-1計画」初年度に大きく減益となったことが、その後の利益計画に大きく影響しています。2013年以降は着実に改善し、過去最高益を更新することができたものの、当初の目標水準に対しては大きな乖離を生じさせる結果となりました。

しかしながら、計画的・効率的な競争費コントロールなど、利益マネジメントは大きく改善し、体質強化は確実に進んでおり、これを基盤として「V-2計画」の達成を目指します。

また、「Vision2020」で掲げた売上高5,000億円、営業利益500億円はあくまで量的なイメージですが、構造改革による収益力の向上により、経営ビジョンの実現に向けて戦略を推し進めていくという当初の考え方については継続します。

3. 本年よりスタートする「V-2計画」の概要と重点施策について教えてください。

当社は、経営ビジョン「Vision2020」の実現に向け、「V-2計画」を今年1月からスタートさせました。「V-2計画」では、「V-1計画」で整備した収益体制の基盤をベースに、4つの戦略と構造改革を加速させ、収益力の向上を実現していきます。また、「V-3計画」へのしっかりとした布石を打つ3ヵ年と考えています。

業績目標としては、売上高4,000億円、営業利益200億円、営業利益率5%といたしました。長らく課題であった5%の営業利益率を必ず実現するために、当社グループの収益構造をダイナミックに変革していきます。特に収益力の強化に向けては、原価、マーケティングコスト、SCMなどあらゆる見直しを行い、効率化と最適化を図る収益構造改革を推進します。また利益成長とともに経営効率の向上にも取り組み、ROE10%の達成を目指します。

具体的な施策ですが、1つ目の戦略である「国内事業の質的成長」については、国内では少子高齢化が進んでいる中、一般用消費財事業において高付加価値品や市場創造型商品の開発を進め、お客様の選択型消費を確実に取り込みます。また、オーラルケア、ファブリックケア、薬品分野など戦略分野へ経営資源を集中し、積極的なマーケティング、そして販売活動の効率化を進めます。生産供給面においては、生産固定費の効率化を図るとともに、物流管理体制の見直しを行い、SCM効率の最大化を進めます。

*お客様が自らその価値を選択した商品には出費を惜しまない消費行動

産業用品事業については、業務用洗浄剤事業で、従来の外食厨房向け物販に加え、衛生管理サービスを拡充することで病院や介護施設まで顧客の裾野を広げていきます。

化学品事業については、グループ内に分散していたケミカル事業を統合し、新会社を設立します。これにより、シーズの集約とマーケティング体制の整備を図り、海外も含めたお客様へのアプローチを強化します。

2つ目の「海外事業の量的成長」については、アジアでのプレゼンスをさらに高め、利益ある成長を目指します。

拡大する中間所得層の取り込みに向け、グローバルブランドの育成や付加価値の高いパーソナルケアブランドを強化します。また、北東アジアにおける生産拠点の域内相互供給により、生産供給体制の最適化を図ります。特に今年はアセアン経済共同体(AEC)が発足しますが、東南アジアでもモノの移動が活発になり、ビジネス拡大の環境が整ってきます。また、フィリピンでの事業やMES事業など、「V-1計画」期間中の先行投資事業についても、着実に収益性の改善を図っていきます。

3つ目の「新しいビジネス価値の開発」では、通信販売事業は、消費増税後の需要減少により、2014年度には売上成長が伸び悩みましたが、本年より始まる食品の機能性表示への対応や、生産体制の見直し、そして第2、第3の柱となる商品開発を強化し、成長事業の柱としていきます。

4つ目の「組織学習能力の向上」については、育児や介護といった社員それぞれのライフイベントに合わせたキャリアアップ施策や制度の充実により、自ら学習し変革する組織に向け活性化を図ります。

また、昨年開設した生活情報サイト「Lidea(リディア)」の活用により、お客様との双方向コミュニケーションを充実させるとともに、デジタルマーケティングプラットホームを活用した製品開発・マーケティングを実行していきます

また、投資については、構造改革やイノベーション強化の為の投資を最重点に行います。

4. 2015年度の新製品戦略についてお聞かせください。特に今後の高付加価値品の投入およびシェアNo.1ブランドの拡大の考え方についてお聞かせください。

国内では、少子化に伴い数量ベースでこれまでのような伸びは期待できないものの、高付加価値商品を選択するという消費行動も確実に存在しています。また、高齢化に伴い、セルフメディケーションの必要性もクローズアップされております。

2015年度も引き続き消費行動の変化を捉え、台所用洗剤では8年ぶりの大型新製品「CHARMY Magica」、制汗剤では「Ban ニオイブロックロールオン」、そしてオーラルケアでは「クリニカアドバンテージ デンタルジェル」や「システマアーチフィットハブラシ」といった高付加価値、市場創造型の商品を発売し、お客様のご好評を得ております。

シェアNo.1ブランドについても、「V-2計画」終了時点において、売上構成を現在の2倍以上とするべく、今後も、研究開発への投資を継続し、エビデンスが明確で使用実感のある製品づくりを追求していきます。

5. 2014年は海外の売上成長が著しかったのですが、今後の海外戦略についてお聞かせください。目標の2020年海外売上1500億円とするための施策として不可欠なものはどのような点とお考えでしょうか。

「V-2計画」達成のうえで、海外での成長は不可欠と考えています。年平均で10%程度の伸びが必要となりますが、「カテゴリーの拡大」、「エリアの拡大」、「チャネルの拡大」を進めていきます。

既存進出国ではカテゴリーの拡大を進めます。タイ、中国を重点にパーソナルケア商品の拡大や未参入分野への進出を行い、所得増が見込まれる中間所得層を取り込み、利益ある成長を実現していきます。特に中国では、高付加価値のオーラルケア製品(歯刷子・喫煙者向け歯磨)をメインに販売していますが、生産能力増強にあわせさまざまなオーラルケア製品の販売拡大を行うとともに、洗濯用洗剤など未参入分野の製品販売を考えています。

エリアの拡大については、東南アジアは今後とも人口・世帯数の増加や中間所得者層の拡大が見込まれるため、ASEANにおける未進出エリアへの参入を引き続き探索していきます。

また、チャネルの拡大については、特に中国で伸張著しいネットを通じた販売を強化いたします。

加えて、海外生産拠点を積極的に活用し、効率的な海外生産拠点の活用でコストダウンを図っていきます。

6. 株主還元についてお聞かせてください。

株主還元については、永続的かつ安定的な配当を継続することを基本と考えており、2014年度は年間10円の配当とさせていただきました。今後は業績や内部留保の必要性などを総合的に判断したうえで、配当や自己株式の取得など総株主還元の充実を目指していきます。

2015年4月

代表取締役社長
濱 逸夫