トップメッセージ

証券コード:4912

株価
Yahoo!ファイナンス

代表取締役社長 濱 逸夫

1. V-2計画初年度の2015年12月期は好調な業績ですが、手ごたえはいかがでしたか?

当期は、中国の景気減速、欧州の不安定な状況、米国の利上げ観測などの短期的な不安要素もありましたが、市場が国内外とも堅調に推移しました。最終的に、決算期内に業績の上方修正を2回行うなど、収益性の向上を最優先課題として掲げたV-2計画の初年度として十分な業績を収めることができました。

好調な業績を牽引した要因としては、国内市場における高付加価値商品の売上の増加や海外市場におけるパーソナルケア分野の構成比率の増加により、収益性を高める事業ミックスが進んだことが挙げられます。当期は国内では質的成長を高めるため、販売促進費を効率化する一方、国内外とも広告宣伝費を増強する等、ブランド力向上のためのマーケティング投資も行っています。外部的な要因でもありますが、原材料価格が想定以上に低下したことも収益性向上に貢献しました。

また、構造改革・営業改革の進展を通じ、環境要因に左右されない収益力を高めるための体質化も進んできています。私は年間20カ所にわたる部門を訪問し戦略の浸透を図っていますが、現場の社員の意識も高くなってきていると感じています。

グラフ:売上高推移(2011-2015)
グラフ:営業利益推移(2011-2015)
グラフ:純利益推移(2011-2015)
2. 4つの基本戦略について、初年度の具体的な成果と課題をお聞かせください。

国内事業では、一般用消費財事業において、単価上昇の傾向を背景に、オーラルケアや薬品(OTC)、台所用洗剤などの分野で、高付加価値品が好調に推移しています。特にオーラルケアではハミガキやハブラシにおいて、高価格帯商品の売上が伸張し、市場成長を上回る売上成長を確保しました。また、薬品分野を中心に、インバウンド需要を取り込むことにも成功しています。高付加価値商品の成長により事業構成が変化し、収益性が高まっています。通販事業においても当期6月末より「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」の機能性表示を開始しました。エビデンスを基に訴求ポイントを分かりやすく表現できるようになり、7月以降は対前年で2桁成長しています。今後も、特に主力市場における更なるシェア拡大を課題と捉え、事業を遂行していきます。

化学品事業と業務用洗浄剤から構成される産業用品事業では、化学品事業において当期、グループ会社3社を再編し、新会社を立ち上げました。これにより、一体運営による機能強化と効率化を進めています。また、分野を「自動車」「電気電子」「公共インフラ」「生活産業」に絞ると同時に、海外も含めた重点顧客への営業体制やマーケティング体制を強化しています。業務用洗浄剤については、これまでの物販中心に加え、衛生管理におけるビジネスを新たな成長領域と位置づけて参入したほか、先発性・差別性の高い製品を投入することで事業領域の拡大を図っています。産業用品事業では特に化学品事業の構造改革に伴い、事業の早期安定と更なる成長を課題と捉え、基盤づくりを加速していきます。

海外事業では、ライオンにとっての主要国であるタイ、韓国、中国でGDPを上回る成長を果たすことができました。当社が展開するアジア地区においては、中間所得者層の増加や高齢化の進展を背景に、ヘルスケアマーケットが拡大しています。そのような中、着実に高付加価値品やパーソナルケアのニーズを捉えることができました。タイにおけるオーラルケアの成長、韓国におけるビューティケアの成長、そして中国におけるeコマース売上の拡大など、主要国においての個別施策も奏功し、収益性の改善に寄与しています。また、営業力の強化を目的とした新会社の設立(台湾)、持分法適用関連会社の連結子会社化(マレーシア)など構造改革にも積極的に取り組みました。今後は、利益ある成長を実現する過程において、市場ポジションの向上や更なるプレゼンスの拡大を課題と捉え、取り組んでいきます。

3. 「V-2計画」2年目の2016年12月期の見通しと、取り組まれる重点施策についてお聞かせください。

次期は売上高3,900億円(前期比+113億円)、営業利益180億円(営業利益率4.6%)という過去最高の目標を掲げています。ただし、最終目標としては捉えておらず、2017年度の中計目標、更にその先の高い目標へ向けて布石を打つ1年として認識しています。

次期、ひいては2017年度以降の目標の達成に向けて、国内では、オーラルケアと衣料用洗剤という主力市場・主戦場となる分野へフォーカスし、シェア拡大のみならず市場拡大にも注力いたします。また、通販事業についても新たにウェルネス・ダイレクト事業本部を発足し、機能性表示食品や新商品の拡大にも注力し、更なる成長を目指していきます。

海外事業では、北東アジアにおいて積極的なマーケティング投資を図り、ブランドの強化を行います。特に成長著しい中国においてはeコマースの更なる拡大も進めていきます。また、東南アジアについては、子供向け商品の「KODOMO」ブランドの水平展開など、パーソナルケアの市場プレゼンスを拡大するとともに、当期末発足したAEC(アセアン経済共同体)を好機と捉え、周辺国への輸出を拡大していきます。

4. 重点施策を進めるに当たってのリスクは何でしょうか?

当社は原材料を海外から調達しているほか、海外事業も重視しているため、海外の経済動向がリスク要因として挙げられます。特に中国経済の関連市場への影響、米国の金利引き上げに伴う影響、主要国での通貨安や景気動向等マクロ経済においてもいまだ不透明感が強く、当社事業に影響を及ぼす可能性があります。

これら外的要因は存在するものの、当社は、利益水準の向上や体質の強化を進めており、個々の外部環境の変化に左右されない収益構造の実現を目指していきます。

5. 株主還元についてのお考えと取り組みについてお聞かせください。

配当については、永続的・安定的に継続するという基本方針は今後も変わりません。その上で、内部留保の必要性や収益向上の進捗状況なども勘案しつつ、株主還元の充実を図っていきます。次期は1円増配の年間11円の配当を予定しています。

2016年3月

代表取締役社長
濱 逸夫