特集:グローカライゼーションによる海外事業の成長加速

証券コード:4912

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量的成長とともに、
質的成長へのシフトを加速させる

執行役員
国際事業本部長
鈴木 均

基本戦略と推進体制

中期経営計画における基本戦略は、「グローカライゼーションによる海外事業の成長加速」と掲げています。生活者ニーズの多様化や競合の攻勢に対応するためには、当社と現地パートナーの双方リソースを活用し、「ライオングループ」として新たな協業体制を構築していくことが必要となります。これまでの国別戦略からエリア別戦略に転換し、ヘルスケア企業へのシフトを加速し、効率化と拡大による利益ある成長、量的成長と質的成長を実現してまいります。アジアを事業軸とする会社として、グローバルに統一する部分と、エリア・国の様々な人種、経済、所得、生活環境、競争環境を背景としたエリアグルーピングによる事業展開との融合で優位性を出します。

海外事業の構造図
海外事業本部の組織イメージ図

成長戦略

1. オーラルケアNo.1企業の地位獲得に向けた取り組み

アジア地域の65歳以上の人口比率予測

出典:UN,World Population Prospects: The 2015 Revision
ただし日本は、2015 年までは総務省「国勢調査」2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29 年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による。

シンガポールでのオーラルケア啓発活動

成長戦略の前提となるアジア地域の市場予測をみると、日本、北東アジア、東南アジアを含めたアジア圏の総人口は今後も増加すると予測されています。また、日本の後を追うように2015年以降、韓国、シンガポール、中国、タイなどで高齢化が急速に進行しています。このような市場変化の中で、アジア地域においても、人々の健康への関心はより一層高まり、ヘルスケアニーズが拡大すると考えています。

ライオンは日本において、比較的低年齢から発生するう蝕や、口臭、さらには歯周疾患など、乳幼児から老年期に至るまで、世代別のオーラルケアのリスク要因に対応した商品を幅広く展開してきました。また、お客様に対する深い理解と蓄積された情報を強みとして、あらゆる世代の「歯と口の健康」について情報を発信してきました。

ライオンは、人口増加、高齢化の進行をアジア事業拡大のチャンスと捉え、日本で経験し、培ってきた機能の高い製品を単に提供するだけではなく、情報、サービスの提供を同時に行い、虫歯、歯周病のない社会に向けてアジア地域においても水平展開し、アジアにおけるオーラルケアNo.1企業の地位獲得を目指します。ライフステージ別商品の品揃えを行うとともに、アジアの地域ごとの特性や人々のニーズをより深く理解し、地域に密着した活動を通じて新たなヘルスケア価値を提供し実施してまいります。また、商品の機能に加えてブランド、企業への信頼感を構築することも重要なポイントと考えています。インバウンドを起点として新たなブランド育成のスタイルにも取り組みます。

2. 心と身体のヘルスケアを目指して

当社の提供するヘルスケアは全身健康につながるオーラルケアだけにとどまりません。目指すのは「心と身体のヘルスケア」です。当社OTC製品の持つ独自コンセプトや技術のハウスホールド分野、メディカルスキンケア分野への応用にとどまらず、当社はアジアで乳幼児向けブランド「KODOMO」を展開して、オーラルケアをはじめ、様々な商品分野を品揃えして大変好評を得ています。それぞれのライフステージにおけるヘルスケアをより効果的に正しく確認できるような新たな価値提供を通じて、アジアの人々のマインドシェアを高め、必要とされる企業となることで利益ある成長を実現します。

収益力改善

パーソナルケア、ヘルスケア(薬品、機能性食品)への事業ポートフォリオシフト

当社海外事業は、現在、衣料用洗剤を主力として事業展開を行っており、収益性の向上を図るためには現在の事業ポートフォリオを見直す必要があると考えています。アジア地域では、少子高齢化の進行する国がある一方で、新興国では新たな需要が増加しており、パーソナルケアやヘルスケアへの関心が期待されます。このような事業環境の中、健康維持に寄与するオーラルケア、ビューティケアのパーソナルケア製品および薬品や機能性食品等のヘルスケア製品の売上構成比率を高め、中間所得層を取り込むことで高付加価値化、高単価化を実現し、収益力の改善を図ります。

アジア地域の所得層別推移

(*中国、香港、台湾、韓国、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、フィリピンの11カ国)

流通改革

Eコマースによる競争優位性創出

2017年2月、中国・青島ライオンでは、Eコマースプラットホーム大手の天猫T-mall(アリババグループ)からオーラル部門のT-mall Beauty Awardを受賞し、天猫T-mallと大口顧客契約を締結しました。中期経営計画においては、Eコマースチャネルと戦略的提携を進め、保有するビッグデータを活用することで、顧客との接点の増加、ロイヤルユーザーへの誘導、購入者を起点としたファミリーへの拡散等、ターゲット層に対し有効なプロモーションを実施します。

Eコマースは、生活者にとってはインスタントに自分に合ったほしい情報を手に入れ、それをもとに自分のヘルスケアにふさわしいものを選択できるチャネルです。アジアでは中国を中心に急速に発展してきました。これまでのオフラインでの製品展開や生活者への価値提供ではできなかった、より多様化する生活者へのアプローチが可能となってきました。まさに当社が目指すグローカライゼーションを実現するためには最適なチャネルです。様々に異なる生活者に、様々に異なる必要な情報ソリューションを提供し、各々に最適なヘルスケアを実現する仕組み「One to oneマーケティング」を構築し、オーラルケアを通じた全身健康の実現や様々な年齢における最適なスキンケア、ヘアケアを実現して、心と身体のヘルスケアを実現してまいります。