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メールマガジン「ライオン製品&生活情報《音メール》」第24号

2009年11月発行

今回の音メールは、新型のSPコード読み取り装置「スピーチオプラス」の情報についてお届けします。

◆目次

  1. はじめに
  2. 2次元シンボル「SPコード」とは
  3. 新型読み取り装置「スピーチオプラス」の外観
  4. 付属ソフト「スピーチオプラス・リーダー」
  5. 新世代コード「ボイスアイ」
  6. SPコード作成ソフト
  7. 終わりに

(目次終り)

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ライオンでは、読者の皆様の個人情報を取り扱うにあたり、個人の尊厳と情報の有用性を尊重し、法と社会秩序を遵守した上で、社内の諸規程に則った適切な管理を行ない、個人情報の保護に努めて参ります。

「ライオン製品情報(点字版、SPコード付き大活字版)」、「製品&生活情報音メール」、その他の視覚障がい者向け活動でご提出いただいた個人情報は、資料の発送、アンケート等の情報収集、個人を識別できない状態での統計的な資料のために利用させていただきます。万一、それ以外の目的で利用する場合や、利用目的そのものを変更する場合は、必ず事前に読者の皆様にお知らせいたします。また、利用目的に照らして不要となった個人情報については、すみやかに且つ適正に削除・廃棄いたします。

尚、当社の個人情報保護方針及び、個人情報の取り扱いにつきまして、詳しくは下記の当社ホームページをご一読いただければ幸いです。

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●はじめに

ライオンでは、1991年より視覚障がいを持つ方を対象に、点字版と大きな活字の大活字版の2種類の「ライオン製品情報」を年2回18年間にわたり発行して参りました。

2005年からは、「SPコード」と呼ばれる2次元コードを導入し、専用の読み取り装置を使えば、同じ内容を音声で聞くことができる『ライオン製品情報 SPコード付 大活字版』を発行し、現在も希望者に継続してご提供しています。

SPコードを認識するには専用の読み取り装置が必要になりますが、その読み取り装置である「スピーチオ」が装いも新たに大幅にリニューアルされ、「スピーチオプラス」として今秋新発売されることになりました。販売価格も従来製品の半分ほどになり、以前よりもかなり購入しやすい価格設定となっています。

このたび、廣済堂スピーチオ販売(株)様のご好意により、発売されたばかりの「スピーチオプラス」の実機に触れる機会をいただきましたので、今回の「音メール」では、改良された「スピーチオプラス」の特徴や使用感などについて、詳しくレポートさせていただきたいと思います。 尚、SPコードおよびスピーチオは㈱廣済堂の登録商標です(スピーチオプラスは商標申請中)。

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●2次元シンボル「SPコード」とは

まず、SPコードとはどういったものなのかについて、すでにご存知の方も多いかとは思いますが、万一ご存知ではない方のために、ここで簡単におさらいしておくことにしましょう。

「SPコード」は、バーコードのように情報を記録することのできるコード記号です。バーコードが縦の一方向に情報を記録するのに対し、「SPコード」は縦と横の二方向に情報を記録することができます。そのため、情報密度が高く、縦横18ミリの切手大の大きさの中に、日本語で約800文字のテキストデータを格納することができます。一見「800文字」といわれると少ないような感じがしますが、40マス20行のA4用紙のテキスト情報がまるまる1ページ分、切手大のわずかなスペースに収まってしまうことを考えると、SPコードのすごい特長がわかっていただけるかと思います。

この「SPコード」を専用の読み取り装置(スピーチオなど)に通すことで、『ライオン製品情報 SPコード付 大活字版』のような冊子では、本文と同じ内容を音声で聞くことができるわけです。余談ですが、インターネットや携帯電話などで利用されている似たようなコードに、「QRコード」というものがありますが、規格が異なるため、両者の間に互換性はありません。

一方、スピーチオとは、高齢者や視覚障がい者に向けて開発された「SPコード」専用の読み取り装置になります。紙に印刷された「SPコード」を内蔵されたカメラで読み取ることで、記録された情報を内蔵の合成音声で聞くことができます。これにより、視覚障がい者と晴眼者が同じ紙から同じ情報を得るというユニバーサルデザインを実現しました。さらにスピーチオおよび新製品のスピーチオプラスは「視覚障がい者用活字文書読上げ装置」として、重度障害者(児)の日常生活用具の指定品目にもなっており、提供される情報の種類も行政のお知らせや各種パンフレットなど、着実に増えてきています。

では、次項からは、いよいよ新型「スピーチオプラス」の本体について見ていくことにしましょう。

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●新型読み取り装置「スピーチオプラス」の外観

それではさっそく、新しくなった「スピーチオプラス」について見ていきたいと思いますが、まずは外観から確認していくことにしましょう。尚、ここで紹介する内容は、あくまでレビュー用にお借りしたものであり、実際の製品とは一部異なる場合がございます。あらかじめご了承下さい。

パッケージを開くと、中には読み取り装置本体のほか、墨字のマニュアル類やソフトインストール用ディスク1枚、読み取り用のガイド板などが同梱されています。

従来のスピーチオは、卵型をしたソフトボール大の音声発生部と操作部の下に、スキャナーの台がついたどっしりと安定感のある、非常にインパクトのあるデザインでしたが、新しいスピーチオプラスの外形寸法は、幅50ミリ、奥行き51ミリ、高さ80ミリと非常にコンパクトで、片手に収まる大きさとなっています。形はガラスコップを伏せたようなつるっとしたプラスチック製で、重量は約105グラムとなっています。最初に読み取り装置本体を手にして、何よりも強く感じたのは、従来スピーチオよりも、かなりちいさく軽いということでした。

本体上段には丸いくぼみをしたキャプチャボタンがあり、そこを押すとカメラでの読み取りが行なわれます。側面にはパソコンと接続するためのUSBケーブル(バージョン2.0規格対応)がついています。ケーブルの長さは約1.5メートルで、先端をパソコンのUSBコネクタに差し込んで使います。ACアダプタなど電源部はなく、接続したパソコンからの電源供給(バスパワー方式)により動作します。

読み取りを行なう手順としては、付属のガイド板の上に印刷されたSPコードの用紙を置き、用紙とガイド板の右下の角を合わせます。その上にガラスコップを伏せたような格好の本体をのせて、本体の向きをUSBのケーブルが上になるように調整します。ちょうどコップの底の位置にあたる上の段にキャプチャボタンがあるので、それを押せば読み取りが瞬時に開始され、音声での読み上げが行なわれます。操作するためのボタン類は、このキャプチャボタンのみです。

何度か読み取りを行なっていくうち、すぐに気付くことができるのは、キャプチャ精度の大幅な向上です。従来スピーチオでは、きちんと位置を合わせないと読み取りがうまくできなかったのが、新型スピーチオプラスでは、この辺だろうという位置でキャプチャを行なえば、きちんと読み取りを行なってくれます。これは大変な改良点です。40ページあまりある冊子をストレスを感じることもなく、一気に読むことができました。一応、キャプチャ時に紙の位置を固定するための「ガイド板」も付属してきますが、これほどの読み取り精度があれば、ガイドなど使わずともフレキシブルにキャプチャが行えると思います。

上記のように、新型スピーチオプラスは従来製品とは外観も中身もまったく異なる製品にうまれ変わりました。従来製品にあった単体での音声発声や読み上げの再生・停止・スキップといった操作ボタン類はすべて省略され、SPコード等を読み取るキャプチャボタンだけを搭載するという潔さです。読み取り精度の向上はもちろん、デザインのシンプルさと軽さも好印象で、これなら手軽に取り出して使える感じがします。代わりに、USBで接続したパソコンでさまざまなことが行えるように機能の強化が図られています。

尚、本体側面から伸びるUSBケーブルが意外と太くしっかりしているため、読み取り位置を確定するのにカメラを動かす際、ケーブルが邪魔に感じることが何度かありました。この辺は、もう少し引き回しやすい細いケーブルを採用するか、ワイヤレス化を今後期待したいところです。  次項では、スピーチオプラスと連動して利用する付属のソフトについて見ていきたいと思います。

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●付属ソフト「スピーチオプラス・リーダー」

上でご紹介しましたように、スピーチオプラスの本体は、SPコード等を読み取る機能に特化しており、読み取ったデータはUSBケーブルで接続されたパソコンへと送られます。送られたデータはパソコンにインストールした付属ソフト「スピーチオプラス・リーダー」というソフトが受け取ります。

この「スピーチオプラス・リーダー」とは、カメラから読み取ったSPコードやボイスアイ(後述)のデータを合成音声で読み上げたり、画面に拡大表示するためのソフトとなっています。このソフトのインストールにおける、推奨システム環境は次の通りです。

<推奨システム>

OS Windows 2000/XP/Vista

CPU ペンティアムⅣ 1GHz以上

メモリー 256MB以上

ハードディスク 1G以上

ソフトのインストールはとても簡単で、ディスクをトレイにセットすると自動プログラムが起動し、セットアップが開始されます。ディスクの中には合成音声のエンジンも含まれるため、コピーにはやや時間がかかりますが、セットアッププログラムの指示にしたがって操作を進めれば、インストールは終了です。USBコネクタにスピーチオプラスの本体を差し込み、新しいハードウエアとして認識されれば、読み取りが行える状態になります。尚、インストールの際は管理者特権のあるユーザーであらかじめログオンしておく必要があります。

ソフトを起動するには、「スタート」→「すべてのプログラム」→「SpeechioPlus」→「SpeechioPlus Reader」→「SpeechioPlus Reader」の順で選択します。もしくは、デスクトップにある「SpeechioPlus Reader」から実行することもできます。あとは本体のキャプチャボタンを押すだけで、パソコンのスピーカーから自動的に読み上げが行なわれます。ちなみに、読み上げの音声には、従来スピーチオと同じく、東芝製の音声エンジンが採用されていました。

「スピーチオプラス・リーダー」の基本的な操作ですが、音声を一時停止したいときはスペースキーを1回押し、再度スペースキーを押せば再開されます。Homeキーを押すと、読み上げ中の行先頭に戻り、Endキーを押すと行末へ読み上げがジャンプします。PageUpキーを押すと、以前の行先端に戻り、PageDownキーを押すと、次の行の先頭へ移動します。読み上げを中断して、カメラのキャプチャモードに戻るときはEscapeキーを押します。

パソコンでのキー操作もわかりやすく、戸惑うことなく、使うことができました。読み上げ途中でのキー操作も音切れはよく、行頭移動や段落移動もスムーズです。気になったのは、他にスクリーンリーダーを立ち上げておくと、キャプチャした直後に、スピーチオプラスリーダーの読み上げとスクリーンリーダーの読み上げが重なってしまい、聞き取りにくい場面がある点です。この辺は各スクリーンリーダーメーカーとのさらなる連携が必要かもしれません。一方、読み上げたテキスト内容は通常のカーソル移動で1文字ずつ確認することができるようになったため、ホームページのアドレスやメールアドレスなど、聞き返したいときに、より手軽に内容の確認が行えて、とても便利です。また、通常のWindowsのキー操作を使って、範囲選択やコピーを行えば、別の場所へその内容を貼り付けることも可能になっています。

便利な新機能としては、特定の単語や文字を登録した内容で読み上げてくれる「ユーザー辞書登録」が可能になりました。また、スピーチオプラスの新たな機能として、拡大読書器のように利用することも可能になっています。本体のカメラを拡大したいテキストの上に置くと、画面に拡大された文字が表示されます。文字は20倍まで拡大することができます。左側のコンテンツバーと上端のメニューバーを非表示にすることで、拡大読書器として、より画面を広く活用することもできます。さらに、画面に表示される基本的なフォント、サイズ、文字の色、背景の色を変更することも可能です。これまでのスピーチオでは音声のみのフィードバックでしたが、パソコンと接続されることによって、弱視の方へと利用の裾野を広げることに成功しています。

次項では、新たな追加機能である、新世代コードの対応について見ていくことにしましょう。

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●新世代コード「ボイスアイ」

2003年に国内で初めて発売されたSPコードとその読み取り装置は大変画期的なUDツールでした。行政の広報誌をはじめ、ファーストフード店のメニュー、「ねんきん定期便」のお知らせなど、さまざまな紙の冊子に採用され、現在も各方面での普及が期待されています。一方で、再生紙や新聞用紙が使えない、インクジェットでの印刷ができないといった制限もあり、また読み取りがうまく行えないという指摘も一部に聞かれました。

そんな中、韓国では2008年から多くの公的文書や新聞などが「ボイスアイ」という新世代コードを採用し、活字情報のUD化が急速に進んでいます。その背景として、情報の差別禁止法という罰則付きの法律が後押ししているといいます。

この「ボイスアイ」は、韓国のメーカーであるボイスアイ社が開発した独自の音声コードで、なんと情報量がSPコードの約2倍あるそうです。また、印刷の制限がなく、印刷対応にも非常にすぐれているといいます。さらに、近い将来製品化されるという「カラー音声コード」は、人の声や音楽なども蓄積可能な大容量の情報に対応するとのことです。

SPコードの場合、印字場所は原則ページ右下となっていますが、このボイスアイではページ右上に印字するようになっています。SPコードと同じく、マイクロソフトのWordのアドインとして組み込み、簡単にボイスアイコードをページ右上に自動生成することができる「ボイスアイ・メーカー」もリリースされています。

スピーチオプラスという新しい読み取り装置では、読み取りの精度を大幅に向上させており、画面への拡大表示も可能にしたことで、新たなユーザーの裾野を開拓しました。そんな中、今後、SPコードとともに、「ボイスアイ」が国内でどのように普及していくのかも大変注目されます。「カラー音声コード」が登場したあかつきには、ぜひスピーチオプラスでも積極的な対応を期待したいところです。

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●SPコード作成ソフト

現在、SPコードを簡単に作成できる、SPコード変換ツールが提供されています。それぞれのソフトの概要は次の通りです。

1.「SP Code Maker-One Click Edition」

マイクロソフト社のワープロソフト「Word」に文章を入力し、ボタンを押すだけでSPコードを簡単に作成できます。スクリーンリーダー・ユーザーでも使えます。音質は男性・女性の2種類から設定することができます。複数ページの文章も、1ページにつき1コードを一括で作成可能です。動作環境は、Microsoft Word97・98・2000・2002・2003・2007です。本ツールは、以下のSPコード公式ホームページより無償でダウンロードすることができます。

http://www.sp-code.com

2.「SP Code Maker Pro Ver1.1」

マイクロソフト社のワープロソフト「Word」にSPコード作成機能を追加するソフトです。有償ソフトで、次のような機能が追加されています。パソコン上での音声確認機能。Word上に作成したテキストをスピーチオプラスの音声で確認することができます。SPコード格納データの詳細設定や印刷用SPコードの作成も可能です。

シングルユーザ 7,560円(税込)

マルチユーザ 75,600円(税込)

3.活字文書読み上げ装置「スピーチオプラス」

49,800円(非課税)

1.「SP Code Maker-One Click Edition」

マイクロソフト社のワープロソフト「Word」に文章を入力し、ボタンを押すだけでSPコードを簡単に作成できます。スクリーンリーダー・ユーザーでも使えます。音質は男性・女性の2種類から設定することができます。複数ページの文章も、1ページにつき1コードを一括で作成可能です。動作環境は、Microsoft Word97・98・2000・2002・2003・2007です。本ツールは、以下のSPコード公式ホームページより無償でダウンロードすることができます。

http://www.sp-code.com

3.活字文書読み上げ装置「スピーチオプラス」

49,800円(非課税)

販売元

廣済堂スピーチオ販売株式会社

〒108-8378 東京都港区芝四の六の十二

電話03-5484-8827 FAX03-3451-5250

Email spcode@kosaido.co.jp

URL http://www.sp-code.com

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●終わりに

新型スピーチオプラスの特徴について、ほんの一部ですがご紹介して参りましたがいかがでしたでしょうか。個人的には、コンパクト化された本体はとても使いやすく、SPコードを読み取りたいときに、さっと手に取れるのは非常に魅力的に感じました。また、カメラの読み取り精度の向上も見逃せません。そして、従来製品に比べ、価格がだいぶ抑えられたことも歓迎すべき大きな特長ではないでしょうか。さらに、新世代音声コードの「ボイスアイ」の今後国内での普及も注目されます。一方、今後さらなる改良を期待したい点として、読み取り装置本体とパソコンとの間のワイヤレス化、QRコードの読み取り機能の追加、非接触式などの読み取りの簡便化などが挙げられますが、これを読んで、新型スピーチオプラスにご興味を持たれた方は、上記の廣済堂スピーチオ販売様までお問い合わせいただければと思います。

当社では、『ライオン製品情報 SPコード付 大活字版』などを発行することで、これからも「SPコード」の一層の普及に貢献していきたいと考えています。

「ライオン製品&生活情報「音メール」第24号終り。