さわってわかる 歯みがきの本 歯周病編 もくじ P1 使う触図 P2 1.歯周病とは P3 2.歯周病と全身の病気との関係 P4 3.歯肉炎の症状 P5 4.歯周炎の症状 P6 5.歯肉炎を治そう P7 6.歯周炎を治そう P8 7.歯周病セルフケア ※ この本の右下には音声コード(Uni-Voice)を記載しています。 携帯電話等に専用アプリ(無料)をダウンロードすることで、音声で内容を聞けます。 P1 使う触図 歯ブラシ 歯間ブラシ 歯と歯グキ 凡例 歯 歯グキ 歯を支える骨 P2 1.歯周病とは 歯周病とは、歯グキや歯を支えている骨に起こる病気の 総称です。 歯周病には、歯グキに炎症が起きた状態の歯肉炎と、歯を 支える骨まで炎症が及んだ状態の歯周炎があります。 歯周病の直接の原因は、歯垢(プラーク)です。 歯垢は細菌の塊であり、歯垢は、歯と歯グキの境目の 溝(歯周ポケット)にたまります。 歯垢の中の歯周病菌が作り出す毒素により、歯グキや 歯を支える骨まで破壊される病気です。 P3 2.歯周病と全身の病気との関係 歯周病は、進行し重度になると、歯周病菌が作り出す 毒素、炎症によって作られる物質などが血液に流れこみ、 糖尿病、心臓病、女性の場合は早産や低体重児出産等に 影響すると言われています。 特に糖尿病については、歯周病が悪化の原因となります。 歯周病の改善により、糖尿病の状態がよくなるという こともわかってきています。 心臓 (血管系疾患) すい臓 (糖尿病) 子宮 (低体重児・早産) P4 3.歯肉炎の症状 (1)歯グキが赤くなる (2)歯グキがはれてふくらむ (3)歯グキから血が出る 歯肉炎の炎症が広がると「歯周炎」になります。 ※下の図の右側半分が歯肉炎の状態の歯グキ P5 4.歯周炎の症状 (1)炎症が奥まで進み、歯周ポケットが深くなる (2)歯と歯の間に食べ物がつまりやすい (3)歯グキから血や膿がでる (4)口臭が強くなる    (5)歯がグラグラする 歯周炎を「歯槽膿漏」ともいいます。 ※下の図の右側半分が歯周炎の状態の歯グキ P6 5.歯肉炎を治そう 歯肉炎は、歯垢の中の歯周病菌が作る毒素により、歯グキ に炎症が起きた状態です。 炎症が起きた歯グキは血管が充血するため赤くなったり、 腫れたり、出血しやすくなります。 歯肉炎は、歯周ポケットの歯垢を取り除くことで改善 されます。 歯肉炎は、毎日のセルフケアで改善され、改善までの 期間は、歯肉炎の状態によって異なります。 歯科医院で、定期的に歯グキをチェックし、歯垢や歯石を 取ってもらいましょう。 P7 6.歯周炎を治そう 歯周ポケットにたまった歯垢の中の歯周病菌が増殖し 炎症が広がると、歯を支えている骨が徐々に溶け出します。 この状態が、歯周炎です。 歯周炎は、早い段階で歯科医院で治療を受けてください。 歯科医院では、検査結果をもとに治療計画が立てられます。 まずは、歯周ポケットにたまった歯垢や歯石を取り除き、 症状によっては、歯グキの治療やグラグラした歯を固定 します。 毎日のセルフケアをしっかり行うことが、症状の改善に つながります。 P8 7.歯周病セルフケア 歯肉炎や歯周炎などの歯周病の原因は、歯垢です。 歯周病のセルフケアは、歯や歯周ポケットにたまっている 歯垢を歯ブラシ、ハミガキ剤や歯間清掃用具等で、 取り除きます。仕上げには、デンタルリンスを使用すると、 さらに効果的です。 歯周病の予防や改善の効果を高めるには、自分の歯や 歯グキの状態に合わせた用具を選ぶことが大切です。 P9 歯ブラシ 歯グキや歯並びの状態で選びます。 歯周ポケットの歯垢を取り除くには、毛先が細いタイプ を選びます。歯グキが腫れて出血や痛みがある場合は、 やわらかめを選びます。1カ月に1本交換します。 細い毛先 ふつうの毛先 P10 ハミガキ剤 ハミガキ剤は、以下の有効成分配合のハミガキ剤を使うと、 歯周病の予防と改善に効果が期待できます。 有効成分 IPMP(イソプロピルメチルフェノール) : 歯垢の中まで浸透して殺菌する トラネキサム酸 : 歯グキの腫れや出血を防ぐ オウバクエキス : 歯グキを引き締め炎症を防ぐ 酢酸トコフェロール : 血行の促進、歯グキの活性化 P11 歯間ブラシ 歯と歯グキで囲まれた狭い隙間を清掃する専用ブラシです。 歯間の隙間に合わせてサイズを選びます。 ・ 前歯など歯間が狭いときは超極細のSSSサイズ ・ 奥歯などの歯間には極細のSSサイズ ・ やや歯グキの退縮した部位や歯並びの悪い部分には  細めのSサイズ ・ 歯グキが下がって隙間が広いときやブリッジを  している所にはMサイズ SSS SS S M P12 歯周ポケットケア 歯ブラシの毛先を歯と歯グキの境目に斜め(45度)に あてます。 軽い力で、5mmくらいの幅で、動かします。 1カ所につき20回以上みがきます。 歯ブラシは、毛先が細いタイプを使うと、歯周ポケットの 歯垢を取り除くことができます。 P13 歯グキに腫れ、出血、痛みがある場合のセルフケア 歯ブラシの毛のかたさは、やわらかめを選びます。 みがき方は、毛先を歯の面にあてます。 歯を1〜2本ずつ、軽い力でみがきます。 継続してみがいていれば、症状が改善します。 改善してきたら、歯ブラシの毛のかたさを、ふつうに 変えます。 P14 歯と歯の間の隙間のセルフケア 食べ物がつまる部位の隙間は、隙間専用の歯間ブラシを 使います。 使い方は、歯間ブラシを外側から歯と歯の間の隙間に 入れて、前後に2〜3回動かします。 内側からも同じように行います。 少なくとも、1日に1回、特に夜寝る前に行うと効果的です。 歯間ブラシには、隙間の状態にあわせたサイズがあります。 初めて使うときは、一番細いサイズから使い始めます。 11ページに歯間ブラシのサイズの紹介があります。 P15 デンタルリンス デンタルリンスは液体なので、口の隅々まで有効成分を 行き渡らせることができます。 歯みがきをした後の仕上げとして、歯みがきが出来ない ときなどに使います。 以下のような有効成分を配合した ものを選ぶと歯周病の予防に効果が期待できます。 有効成分 IPMP(イソプロピルメチルフェノール) :歯垢の中まで浸透して殺菌する ε-アミノカプロン酸 :炎症を引き起こす物質の生成と 増殖を抑え、歯グキの腫れ・出血を防ぐ さわってわかる 歯みがきの本 歯周病編 発行日 2016年1月 発 行 ライオン株式会社 〒130ー8644 東京都墨田区本所1ー3ー7 ホームページ http://www.lion.co.jp/ <お問い合わせ先> お客様センター 電話 フリーダイヤル 0120ー556ー913 監 修 公益財団法人 ライオン歯科衛生研究所 協 力 大日本印刷株式会社 印 刷 田中産業株式会社 製 本 NPO法人 ユニバーサルデザイン絵本センター 製本方法 特許出願番号 : 2002-132398 製本協力 NPO法人 浦和手をつなぐ親の会 第三作業所 表紙イラスト 森賀 真弓