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-発表資料−
2002年5月21日
−なぜ部屋に干した洗濯物は臭い?−
部屋に干した洗濯物のイヤなニオイの原因を解明
〜「部屋干し臭」のキー成分は
独特の酸っぱくて汗っぽいニオイの「中鎖脂肪酸」〜
ライオン株式会社(社長、高橋 達直)は、部屋に干した洗濯物のイヤなニオイを解析し、その原因物質を特定しました。5月22日から東京都で開催される繊維学会で発表の予定です。
当社ハウスホールド研究所は、部屋に干した洗濯物のイヤなニオイ(「部屋干し臭」)の原因を解明するため、着用と洗濯を繰り返した衣類を用い、部屋干しで発生するニオイについて分析しました。
その結果、「部屋干し臭」は種々のニオイ成分が混ざった複合臭であり、それを特徴付ける「キー成分」は、独特の酸っぱくて汗っぽいニオイを発する「中鎖脂肪酸」であることを解明しました。「中鎖脂肪酸」は、汗や山羊乳チーズのニオイにも含まれる成分として知られる物質です。「部屋干し臭」は、洗濯で完全に落としきれない汚れが原因となり、汚れ自身の化学的な分解、菌による作用、部屋干し時の高湿度条件などで生成すると推察されます。
1.研究の背景
洗濯物を部屋に干すという行動は、雨の日や風が強い日、梅雨や花粉の時期などの他、集合住宅で干し場がない場合、夜に洗濯をする場合など、多くの人が年間を通して行っています。当社の調査では、部屋の中に洗濯物を干す人は84%にも及びます(2001年調べ)。洗濯物を部屋の中に干すことで生じる不満は、「日光の下で干した時に比べ衣類が乾きにくい」、「衣類からイヤなニオイがする」などが挙げられます。この「イヤなニオイ」は、「雑巾のようなニオイ」、「カビのニオイ」あるいは「生臭いニオイ」などと表現されるものの、これまでその原因物質は特定されていませんでした。
2.「部屋干し臭」の解析
「部屋干し臭」のイヤなニオイの原因を解明するため、約5年間着用と洗濯を繰り返した「ジーンズ」を、部屋の中に干した時と同じような「衣類が乾きにくい条件」(温度25℃、湿度90%RH)で3日間置いた衣類をサンプルとして用い、発生するニオイを分析しました。
分析は、通常行う空気中のニオイ成分に加え、高速溶媒抽出機により抽出・濃縮を行った微量成分についても行い、詳細に解析しました。また、「ニオイ嗅ぎガスクロマトグラフィ」を用い、専門の研究員(4名)が約60分間、低沸点のものから順にニオイを嗅ぎ、臭気の評価を行いました。
分析の結果は以下の通りです。
| (1) |
部屋に干した条件では、100種類以上の物質が存在すること、屋外に干した時と比べてその種類・量に大きな差があることを確認しました。 |
| (2) |
機器分析により、生成する主なニオイ成分は「中鎖アルデヒド」「中鎖アルコール」「ケトン」などで、これらの構造を同定しました。加えて「窒素化合物」「硫黄化合物」また「脂肪酸」の存在を確認しました。これらのことから、「部屋干し臭」は、種々のニオイ成分が混ざった複合臭であることが明らかになりました。なお、これらはいずれも、体から分泌される「皮脂」や「蛋白質」が分解して生成するものと考えられます。 |
| (3) |
研究員による臭気評価から、「部屋干し臭」は、アルデヒド・アルコール・ケトンなどの「カビ臭いニオイ」の他、窒素化合物を含む「生臭いニオイ」、酢酸や「足のニオイ」の原因であるイソ吉草酸などの短鎖脂肪酸、「独特の酸っぱくて汗っぽいニオイ」を持つ中鎖脂肪酸のニオイに大きく分類されました。 |
| (4) |
「部屋干し臭」を特徴付ける「キー成分」は、独特の酸っぱくて汗っぽいニオイを発する「中鎖脂肪酸」であることを突き止めました。「中鎖脂肪酸」は、炭素鎖長が7〜9の脂肪酸で、汗や山羊乳チーズのニオイにも含まれる成分として知られる物質です。 |
なお、今回行った実験のサンプルとして、「ジーンズ」の他、使用・洗濯を繰り返した「肌着シャツ」や「タオル」などについても同様に分析を行い、同様の結果を得ました。また、おろし立ての衣類では、これらの生成物は検出されないことを確認しております。
3.「部屋干し臭」の発生メカニズム
「部屋干し臭」を解析する過程で、以下のことを確認しました。
| (1) |
着用・洗濯を繰り返した衣類で発生し、おろし立ての衣料では発生しない |
| (2) |
洗濯物を部屋に干した場合に発生し、屋外に干した場合には発生しない |
| (3) |
主なニオイ成分は、「皮脂汚れ」や「蛋白質汚れ」の分解物と推察される |
以上の結果から、「部屋干し臭」は、体から分泌されて衣類に付着し、洗濯で完全に落としきれない「皮脂汚れ」や「蛋白質汚れ」などの汚れが原因となり、汚れ自身の化学的な分解、菌による作用、部屋干し時の高湿度条件などで生成すると推察されます。
4.酵素配合洗剤の「部屋干し臭」抑制効果
当社は、「部屋干し臭」発生の原因となる汚れと菌の両方に働く酵素を活用し、「部屋干し臭」の除臭・抑制効果に優れる衣料用洗剤『部屋干しトップ』を2001年10月に発売しました。お客様からは、効果に対する高い評価をいただき、現在、大変ご好評をいただいております。
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以上の内容は、5月22日、2002年繊維学会年次大会で当社ハウスホールド事業本部ハウスホールド第一研究所の埴原 鉱行研究員が発表いたします。 |
<2002年繊維学会年次大会>
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| 日 時 : |
2002年5月22日〜24日 |
| 場 所 : |
大田区産業プラザ |
| 発表者: |
ライオン株式会社 ハウスホールド事業本部 ハウスホールド第一研究所
埴原 鉱行、永合 由美子、高岡 弘光、向山 恒治 |
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お問い合わせ窓口
ライオン(株) 広報部 03−3621−6661 |
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