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前述の結果から、「脱毛部位」では、「BMP」と「ephrin」の遺伝子発現の低下が毛の成長を妨げていることが示唆されました。そこで、この現象を改善すれば毛周期が正常にまわり、毛の成長を促進することができると考えました。すなわち、脱毛状態を正常な状態に回復させるためには、1)毛乳頭細胞からの「発毛促進シグナル」増幅と、2)「脱毛シグナル」の遮断が重要であることから、この1)2)の作用を有する物質を探索した結果、植物成長促進物質(核酸系アミン化合物)で、育毛効果が認められている「6−ベンジルアミノプリン(サイトプリン)」に、この2つの作用があることを見出しました。
※「6−ベンジルアミノプリン」はヒトでの有効性が認められていますが、詳細なメカニズムは未だ解明されておりません。 |
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| (1) |
「6−ベンジルアミノプリン」の「発毛促進シグナル」の増幅効果を確認 |
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毛乳頭細胞を用いた系に「6−ベンジルアミノプリン」を添加し、遺伝子発現解析(DNAアレイ解析)を行なったところ、51種類の遺伝子に変化が認められました。このうち、発毛に関与する重要な因子「BMP」と「ephrin」の遺伝子発現が増加することが確認されました(図−3)。すなわち、「6−ベンジルアミノプリン」には成長期毛の成長を促進する作用があり、毛周期の「発毛促進シグナル」の増幅効果があることが確認されました。 |
| (2) |
「6−ベンジルアミノプリン」の「脱毛シグナル」抑制効果を確認 |
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脱毛時の現象を引き起こさせる状況で培養したヒトの毛包ケラチノサイトを用いた系に「6−ベンジルアミノプリン」を添加したところ、「6−ベンジルアミノプリン」に「脱毛シグナル」の抑制作用があることが確認されました(グラフ−2)。すなわち、「6−ベンジルアミノプリン」には抜け毛を抑制する作用があり、短縮された毛周期を正常な状態に回復させることが示唆されました。 |
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以上、新育毛剤の開発へのアプローチの一環として、「脱毛部位」と「非脱毛部位」の毛乳頭細胞の遺伝子発現解析を行ない、従来から知られている「脱毛シグナル」による毛周期の退行期促進に加え、毛周期が円滑に作用するための成長期への移行を促す「発毛促進シグナル」の低下も重要であることを発見いたしました。この新発毛メカニズムを解明したのは、当社が世界で初めてです。
さらに、この新発毛メカニズムに基づき、「6−ベンジルアミノプリン」を用いて、(1)毛周期の「発毛促進シグナル」の増幅と、(2)「脱毛シグナル」の抑制を検証し、「6−ベンジルアミノプリン」の作用メカニズムを解明したことで、新育毛剤開発へ新たなアプローチの可能性が示唆されました(図−4)。
今後も、これらの技術を応用した「革新的な育毛剤」の開発を目指し、鋭意研究を進めていく予定です。 |