定年を迎えてから、夫婦でウォーキングをするようになりました。最初は健康のためでしたが、気づけば毎日の楽しみになっています。早朝のひんやりした空気の中を歩いたり、夕方に沈む太陽を眺めたり。川沿いまで少し足をのばす日もあれば、近所を一周するだけの日もあります。
「昨日より桜が開いたね」「この雲、面白い形だね」そんな何気ない会話をしながら歩く時間が、なんだか心地いい。ときどき「今日はこっちの道を行ってみようか」と妻が言うことがあります。おかげでいつもとちょっと違った景色が見られる。そんな小さな発見と出会えるこの時間は自分だけのものじゃなく、2人にとって大事な時間なんだな、と少し嬉しくなります。
何かをプレゼントしたり、特別な日を祝ったりするのももちろん嬉しい。でも、こうして同じ道を並んで歩くこの何でもない時間の積み重ねこそが、少しずつ私たち夫婦のかたちをつくっているのかもしれません。