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引き継がれる想いとメソッド ~家事ギャップ解消への想いを、ライオンからやまがたイグメン共和国へ~
共働き夫婦の家事シェアを救え! Kaji×Kaji ハッピーシェア! in 山形市

Vol.11引き継がれる想いとメソッド ~家事ギャップ解消への想いを、ライオンからやまがたイグメン共和国へ~

積極的な夫婦であふれる会場 山形で確実に広がる夫婦円満

ナビゲーターのKJ

“スタート”したモノには必ず“ゴール”がある。
しかし、“ゴール”は決して“終わり”ではない。

やあ、音楽と家事、そして夫婦円満をこよなく愛する男、
そして夫婦円満都市推進プロジェクトのナビゲーター、KJだ。

昨年11月、山形市でスタートした「夫婦円満都市推進プロジェクト」。
共働き夫婦の数が全国トップクラスという山形で、夫婦の間にある家事ギャップの解消を目指した「家事ギャップ解消セミナー」は1年の時を経て、4度目の開催を迎えた。

今回も19組の夫婦が参加。家事ギャップにまつわる説明から、一般社団法人日本ほめる達人協会の講師によるほめ方セミナー、皿洗いセンター試験にアクティブラーニングという、これまで我々が培ってきたセミナーのメソッドをフルコースで堪能していただいた。

家事ギャップ解消セミナーの様子

思えば、ここ山形では本当にたくさんの夫婦がセミナーに参加してきてくれた。会場は常にほぼ満席。北国の人は内にこもりがちというイメージとは裏腹に積極的な姿勢が感じられた。それはこの取り組みを現場で支えてきてくれた“やまがたイグメン共和国”のメンバーたちも感じていることだという。

変わりつつある山形、そして我が家も変わった ~やまがたイグメン共和国 副大統領 武田靖子さんインタビュー〜

副大統領として、このセミナー参加者の募集や取り組みに賛同してくれる参画企業への声かけを中心に担当していた武田さん。一昨年、山形で行われたNPO法人ファザーリング・ジャパンの全国フォーラムに登壇した宮崎県日南市の﨑田市長が語ったこの夫婦円満都市推進プロジェクトの話を聞いて、ぜひ山形でもやりたいと感じたそうだ。

やまがたイグメン共和国 副大統領 武田靖子さん

「山形は共働きが多くて、三世代同居も多い。すでに多くの女性が活躍しているのですが、キラキラした活躍かというと、まだまだだと感じていました。実際は、家に帰ると一人で家事や育児を抱えていて、同居しているからこその嫁としての立場もある状況。そういう葛藤を抱えていることは仕事にも家庭にも良くないと考えていた時、この“夫婦円満”というキーワードが働き方改革の本質なのかな、と感じて、ぜひこの取り組みをやりたい、山形に広めることで幸福度やイメージもアップさせたいと思ったのです」

そして、実際に取り組みをはじめてみて、多くの企業を紹介して回る中ではこんなことを感じたという。

「もしこれが1年前だったら状況は違ったと思います。ここ1年で、ファザーリング・ジャパンが進める育児や介護に理解のある上司を育てるイクボスの企業同盟に参画している企業は山形では100社くらい増えていて、実際に、働き方改革への取り組みも急激に進んできたところなんです。大変だったということはあまりなくて、企業のトップたちも思ったよりもすんなり理解してくれたので、非常にスムーズに参画企業としての取り組みが広がっていったと感じています。また、山形市の佐藤市長が理解してくれたことは大きかったです。もともと私の息子と佐藤市長のお子さんは幼稚園が一緒で、佐藤市長が子どもを送り迎えしている姿を見ていたので、きっとこの活動を理解してくれると思っていましたけれど、そこも大変スムーズでした。やはり、行政が「夫婦円満」という言葉を発信していることは強いメッセージになったと思います」

さらに、まさに今、共働きで子育てをしながら働いている武田さんの夫婦でも変化があったとか。

「夫はいつも忙しくて、たまに手伝ってはくれましたけど、皿洗いにいたっては、自分がもう一度洗わないといけないようなレベルでした。まさに家事ギャップがあったんです。でも、私がこういう取り組みに参加していることを受けて、自分でも学んでくれて、そのクオリティも格段に上がりました。今は本当に助かっています。加えて、家事に積極的に携わるようになったことがきっかけになったのか、息子との関係もグッと近くなりました」

これは本当にうれしい変化!きっと武田さんが実感しているからこそ、熱意を持って拡大してくれて、それが大きな効果を生んでいるのだろう。

大統領が見据える山形の未来 ~やまがたイグメン共和国 大統領 五十嵐健裕さんインタビュー~

1年にわたりプロジェクトが進み、今回は一つの区切りとなった。セミナーの最後に行われたのは、共にプロジェクトを推進してきたやまがたイグメン共和国にこれからも山形で取り組みを進めてもらうための引き継ぎ式。我らがリビングケアマイスター杉本から五十嵐大統領へ家事ギャップ解消セミナーのすべてが詰まったファイルが贈られた。そして、五十嵐大統領は、この1年をこう振り返った。

やまがたイグメン共和国 大統領 五十嵐健裕さん

「この活動を、テレビや新聞といったメディアがたくさん取材をしてくれたことがとてもありがたかったと思います。おかげで、実際に参加した人たちだけでなく、たくさんの人から“こういう取り組みをやっているんだね”など声をかけてもらうことが本当に増えていて、徐々にではありますが、山形で広まっているんだな、ということを実感しています」

そんな中で、大統領自身の変化。そして、参加してくれた人たちからはどんな声が届いているのか?

「この取り組みには、参加してくれた皆さんと同じように、実際に自分たち夫婦で参加するところからはじめました。それからは主催側として毎回参加してきたわけですが、回を重ねるごとにセミナーで教えていただく内容が身に染みついてきたと感じています。特に皿洗いの後にシンクの水気をしっかり拭き取ってドライにすること。これは必ず家でも実施していて、妻からもほめてもらえるようになりました(笑)。我が家にとっても本当にいいことだったと思いますし、そういう声もたくさん届いています。参加して良かったというメッセージが届くこともあったし、参加した夫婦に、その後、お子さんができたり。一番うれしかったのは、周りの人にもぜひ受講をすすめたいという声が聞こえてきたことですね。おかげで参加者を集めることには苦労しませんでした。きっと一度受けた人たちがどんどん周りにひろめてくれた結果だと思います」

そして、一段落を迎えたこのタイミングで、これから大統領が考えていることはどんなことなんだろうか?

「運営していく中では、夫婦で参加することが難しいという声も聞こえていました。もしもこれが夫婦どちらかだけでも参加OKであれば、きっと今の3倍も4倍も参加者が増えていたと思います。だからこそ、これからは、もっともっと多くの人に参加してもらえる可能性を増やすためにも、平日の夜など、仕事終わりの男性だけに向けたセミナーや、休日も仕事の方に向けたセミナー、そして妻だけに向けたセミナーなどを視野に入れて、広げていくことが出来ればと考えています」

まっすぐに目標を語る五十嵐大統領のキラキラした目には、きっと円満な夫婦であふれる山形の未来が見えているはずである。そして、その熱い思いで、実現させてくれると確信させてくれた。
これは一つの“ゴール”ではあるが“終わり”ではない。
山形がさらに夫婦円満都市になる日は必ず来ると信じ、我々は山形を後にしたのだった。

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。