データサイエンスで研究の習慣を変える
デジタルトランスフォーメーション(DX)
最近ではライフスタイルの多様化に伴って、人々の価値観やニーズも幅広くなっています。私たちはその声に応えるために、研究開発の現場で、「より良いものを、より早く生み出す力」を高めていく必要があります。これまでライオンでは、研究データや研究員の知見をもとに実験を繰り返し、成分の種類や配合量の最適な組み合わせを絞り込んでいたため、製品開発の過程で一定の検討期間が必要でした。私たちは開発期間の短縮という課題に真正面から向き合い、研究の進め方そのものを変えるデジタルトランスフォーメーション(DX)に挑んでいます。
ライオンでは、マテリアルズインフォマティクス(MI)※1などのデータサイエンスを用いた実験手法を独自に開発し、成分の配合割合の設計や、品質の予測に活用しています。例えば、通常のハミガキ成分の配合量を決定するまでには、100回以上の試作が必要になることもあります。この探索において、ベイズ最適化※2と研究員の知見を組み合わせることで、わずか16回の試作で最適な配合にたどり着ける実験計画手法を確立しました。このような取り組みによって、研究開発のスピードはこれまでよりぐっと上がりました。研究開発の効率化によって生まれた時間は、生活者の声をより深く知ることや、新たな技術や製品開発に充てられるようになり、新しい価値創出につながっています。
さらに私たちは、研究開発のDXを進める中で、データサイエンスの活用領域も広げています。その一例が、菌の可視化技術です。自然光のもとで撮影した顔の画像に、画像認識AIを新たに活用することで、ニキビの原因菌であるアクネ菌の可視化を実現しました。将来的には、この技術をスマートフォンのカメラに対応させ、肌の状態を簡便にチェックできる状態を目指しています。そこに睡眠や食事などの生活習慣データを関連づけることで、一人一人に合った生活習慣を提案し、より効果的なニキビケアを実現したいと考えています。
私たちは、研究員が今までは当たり前のように取り組んできた「たくさん実験し、データを分析し、成分の配合量を決定する」という「従来の研究の習慣」を進化させていきます。データを科学の言語として使いこなし、人と技術が共に成長していく。それが、ライオンが描く未来の研究の姿。
2030年に向けて、研究員の知見とデータサイエンスの融合により、さらに健やかで前向きな暮らしを支える技術を生み出していきます。
ライオンでは、マテリアルズインフォマティクス(MI)※1などのデータサイエンスを用いた実験手法を独自に開発し、成分の配合割合の設計や、品質の予測に活用しています。例えば、通常のハミガキ成分の配合量を決定するまでには、100回以上の試作が必要になることもあります。この探索において、ベイズ最適化※2と研究員の知見を組み合わせることで、わずか16回の試作で最適な配合にたどり着ける実験計画手法を確立しました。このような取り組みによって、研究開発のスピードはこれまでよりぐっと上がりました。研究開発の効率化によって生まれた時間は、生活者の声をより深く知ることや、新たな技術や製品開発に充てられるようになり、新しい価値創出につながっています。
さらに私たちは、研究開発のDXを進める中で、データサイエンスの活用領域も広げています。その一例が、菌の可視化技術です。自然光のもとで撮影した顔の画像に、画像認識AIを新たに活用することで、ニキビの原因菌であるアクネ菌の可視化を実現しました。将来的には、この技術をスマートフォンのカメラに対応させ、肌の状態を簡便にチェックできる状態を目指しています。そこに睡眠や食事などの生活習慣データを関連づけることで、一人一人に合った生活習慣を提案し、より効果的なニキビケアを実現したいと考えています。
私たちは、研究員が今までは当たり前のように取り組んできた「たくさん実験し、データを分析し、成分の配合量を決定する」という「従来の研究の習慣」を進化させていきます。データを科学の言語として使いこなし、人と技術が共に成長していく。それが、ライオンが描く未来の研究の姿。
2030年に向けて、研究員の知見とデータサイエンスの融合により、さらに健やかで前向きな暮らしを支える技術を生み出していきます。
- ※1 これまでに集めてきた製品開発の実験データを人工知能技術や統計学の力で解析し、「成分を組み合わせたときの製品の性質」や「理想の性質を持った成分の組み合わせ」を予測して、より早く効率的に製品開発するための技術分野
- ※2 実験から得られたデータをもとに、「次はどの条件を試すと最も良い結果に近づけるか」を確率的に効率よく探索する人工知能技術の一つ
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地球のために、未来のために
プラスチックを無駄にしない習慣づくり
暮らしの中には、たくさんのプラスチック製品があります。軽くて丈夫で、日用品を安心して使えるようにしてくれる素材。でも、使い終わったものがそのまま「ゴミ」になってしまうと、環境に負担をかけてしまいます。そこで私たちは、2022年に「ライオングループ プラスチック環境宣言」を定め、プラスチックを使う企業の責任として、資源循環に向けた取り組みを進めています。
その取り組みの1つが、つめかえパックをリサイクルしやすい素材にするための「剥離リサイクル技術」です。つめかえパックは性質の異なるいくつかの素材を貼り合わせて作られるため、分別や再生の工程で素材を分けることが難しく、これまではリサイクルしにくい存在でした。そこで私たちは、素材ごとに分かれやすくなるように工夫した新しい仕組みを確立。使い終わったつめかえパックから再生しやすい純度の高い素材を取り出せるようになりました。2024年には、この技術を使った『ルックプラス バスタブクレンジング』のつめかえ用パックを数量限定で発売しました。小さな取り組みかもしれませんが、確かに次の循環につながる一歩です。
リサイクルしやすい容器をつくる研究と、日々の暮らしの中の一つ一つの選択。その積み重ねが、資源循環を生み出す力となります。毎日の暮らしの中で、無理なくサステナブルな選択ができるように。地球にやさしい習慣が自然に続いていくように。これからも未来につながる研究を進めていきます。
その取り組みの1つが、つめかえパックをリサイクルしやすい素材にするための「剥離リサイクル技術」です。つめかえパックは性質の異なるいくつかの素材を貼り合わせて作られるため、分別や再生の工程で素材を分けることが難しく、これまではリサイクルしにくい存在でした。そこで私たちは、素材ごとに分かれやすくなるように工夫した新しい仕組みを確立。使い終わったつめかえパックから再生しやすい純度の高い素材を取り出せるようになりました。2024年には、この技術を使った『ルックプラス バスタブクレンジング』のつめかえ用パックを数量限定で発売しました。小さな取り組みかもしれませんが、確かに次の循環につながる一歩です。
リサイクルしやすい容器をつくる研究と、日々の暮らしの中の一つ一つの選択。その積み重ねが、資源循環を生み出す力となります。毎日の暮らしの中で、無理なくサステナブルな選択ができるように。地球にやさしい習慣が自然に続いていくように。これからも未来につながる研究を進めていきます。
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世界の習慣に向き合う研究から生まれた
確かなトーンアップ実感
インドネシアで育つフェイスケアブランド「POISE」
インドネシアで生まれたフェイスケアブランド「POISE」も、現地の研究員とともに生活者の声に耳を傾け、「肌をいたわる日常の習慣」を見つめ直すことから始まりました。
そこから見えてきたのは、日本とは異なる「環境」と「スキンケア習慣」でした。インドネシアでは、屋外は高温多湿で紫外線が強く、一方で屋内は冷房で乾燥しやすいという気候の中、多くの人がスキンケアから日焼け止め、肌の見た目を整えるベースメイク効果までが1つで叶う、多機能なデイクリームを使用しています。その日常に寄り添うために、長年培ってきた乳化や粉体コントロールの技術を活かし、さらっとしてベタつかない軽やかな使用感と、塗った瞬間に肌が明るく見えるトーンアップ効果、さらに強い紫外線を防御するサンスクリーン機能を追求しました。
さらに、使い続けることによってトーンアップ実感を得られる処方を設計。現地女性の協力のもと検証を重ね、「1週間の継続使用で肌が明るくなったことを実感できる」という有効性を実証しました。
肌への心地よい使用感と確かな効果実感の両立が、POISEを毎日使い続けたくなる動機につながっています。
POISEの開発は、日本から製品を届けるだけでなく、その土地の文化や暮らしに学び、共に「心地よさ」を育てていく研究のかたち。ライオンはこれからも、世界の暮らしに寄り添いながら、習慣づくりの科学を進化させていきます。