みんなで笑顔になろう Kaji × Kaji ハッピーシェア!
家事ギャップは日南市の夫婦の間にも存在するのか?
宮崎県日南市協力企画 Kaji×Kaji ハッピーシェア! in 日南市

Vol.2家事ギャップは日南市の夫婦の間にも存在するのか?

女性の社会進出や少子化対策といった様々な問題を解決するために動き出した宮崎県日南市の夫婦円満都市推進プロジェクト。

オレ、KJは、日南市の﨑田市長からの依頼により家事のスペシャリストであるリビングケアマイスター杉本氏と日本ほめる達人協会の松本講師を連れ立ってLIONの調査で明らかになった夫婦円満の障壁、”家事ギャップ”の解消に挑戦することとなった。

日南市在住夫婦が油津Yottenに集結

家事ギャップ解消の実証実験のため一般公募で集まってくれた三組の夫婦を日南市の中心街の油津Yottenに迎えた。もちろん、実証実験という性質上、夫婦たちはこれからどんなことが行われるのか詳しくは知らない。そのせいか皆さん、緊張した面持ちである。

はじめて体験するイベントに緊張しているみなさま

まずは家事ギャップ解消に向けた実証実験の流れを説明しよう。

ステージ1

まずは全員に家事ギャップついて説明し、その解消を一緒に目指すことを伝える。

ステージ2

夫婦がそれぞれ抱えている問題を浮き彫りにするため、夫グループと妻グループで別れてそれぞれの本音、普段から感じているリアルな思いや実情を聞きだし、家事ギャップの有無と中身を把握する。

ステージ3

家事ギャップを埋めるため、夫たちには杉本マイスターからの食器洗いの具体的なレッスン。その間に妻たちには別室でほめる達人協会の松本講師からのレッスンを受けてもらう。ただし、妻がほめるためのレッスンをうけていることは夫に内緒にしておく。

ステージ4

それぞれのレッスンを受けた夫婦が一堂に会し、夫婦ごとに夫は食器洗いレッスン、妻はほめるレッスンで学んだことを実践的に披露し、成果を検証する。

ファイナルステージ

ステージ4での成果を踏まえ、夫婦円満宣誓書に二人で署名をおこない、夫婦円満認定証を発行する。

二日間でこれら5つのステージを経て、果たしてこの三組の夫婦は、みんな笑顔になり、夫婦円満への道を歩き出すことができるのだろうか?

今回参加する個性的な3組の夫婦

次に今回、協力してくれる三組の夫婦を紹介しよう。

一組目は川口夫妻

生まれも育ちも日南市という看護師、光さん(25)のハートを射止めたのは、同じく日南市が地元の竜平さん(26)。見るからに若い!昨年結婚したばかりの新婚で、アツアツにしか見えない二人の間にも家事ギャップも存在するのだろうか?

二組目は高橋夫妻

東京で出会い結婚して10年。夫の悟さん(41)の農業をやりたい、という思いを叶えるために、三佳子さん(35)とともに、縁もゆかりもない日南市に移住。
お子さんは元気な娘さんが二人。農業という仕事柄一緒にいる時間が長い高橋夫妻の家事ギャップとは?

三組目は田鹿夫妻

日南市マーケティング専門官の倫基さん(31)と知美さん(35)は結婚6年目。共通して元気、明るい、笑顔がまぶしい二人と8か月になるかわいい娘さんの三人で楽しそうに暮らしているようにしか見えないが…。実は、意外な家事ギャップがある!…のかもしれない。

ステージ1:家事ギャップとは何かを認識し、その解消を目指す

では、はじめて行こう。

三組の夫婦の前に突如として現れたのは、見ず知らずの怪しい男。…オレだ。皆、少しキョトンとしているように感じるが、気にせずに進めることにした。

家事ギャップならぬKJギャップを感じるKJ

KJ「今回、皆さんに協力していただくのは、夫婦円満都市推進プロジェクトである。」

やはり、まだキョトンとしている。ところが、続く杉本マイスターの「家事ギャップ」について説明が始まると皆の目の色が変わった。

さすがのプレゼンを披露する杉本マイスター

初めて聞く「家事ギャップ」という考え方。調査の結果から導き出されたその言葉はやはり、日南市の夫婦にも当てはまるようだ。

杉本「食事の後片付けを例にとると、夫は食器を洗うところまでで終わりだと思っているんですが、これは妻から見るとため息が出るような状況ですよね」

そのリアルすぎる具体例に、妻たちは頷き、夫たちは苦笑いを浮かべた。参加者たちがグイグイ引き込まれていく。さすがは、杉本マイスターだ。

夫婦円満を実現するために、家事ギャップを解消する重要性が伝わったところで、夫婦それぞれにアンケートに答えてもらった。ステージ2では、夫グループと妻グループに別れ、それらの回答をもとに座談会を行い、普段はパートナーに直接言えない心の声を引き出すためである。

アンケートの筆が止まらない妻たち

ステージ2:夫婦間にある家事ギャップをあぶり出す

妻たちへ杉本マイスターから夫の家事についてヒアリングが始まった。

「以前は結構やってくれたのに、子どもができてからまったくやらなくなってしまった」

「良かれと思ってやってくれているので、不満はあまり言わないようにしている」

「完璧を求めていたけど、もう今は妥協だらけ…」

杉本マイスターのファシリテーションのもと、互いの告白に共感しあう妻たち。特に盛り上がったのが、田鹿家の妻、知美さんが持参した自宅での倫基さんの食器洗いを写した動画だった。

ツッコミどころ満載の動画にどよめく

「これ、撮影しているからわざとじゃないの?」

「いやいや、本当にいつも通りですって!」

「水、出しっぱなし(笑)」

想像を絶するダイナミックな食器洗いぶりに妻たちはどよめき、杉本マイスターも調査の結果からわかってはいたが、改めて食事の後片付けという家事スキルにギャップが大きいという事実が浮き彫りになった瞬間であった。

さて、一方でオレ、KJは夫グループに思いを聞いた。

「言われて最もショックだったのは『そんなんでよく仕事できてるね。』ですね」

「やりたい気持ちはあるんですけど、正直、面倒でもあるんですよね」

「仕事もあるからたまにしかできない、たまにだから、トラブルになってしまう」

夫たちもまた、心の中に秘めた思いがあるようだ。

様々な思いがこみ上げる夫たち

話を聞いていくと、家事自体、やる気がないわけではないし、全く手を出さないというわけでもないようだ。それぞれに好きな家事があって、その家事については、それなりに思い入れもある。ただ、好きな家事に「食事の後片付け」を挙げた夫は一人もいなかった。

「やり切った!と思ったら『もう終わり?』って言われてへこみました」

「やっているのに『遅い!』って言われちゃって。でも自分はゆっくりやりたいんですよね」

「良かれと思ってやったのに『え?ここまで?』って言われたときは正直、腹が立ちました」

「食事の後片付け」に関しては、やはりトラブルになっているようだ。やっているつもりの夫に妻が浴びせる容赦のない言葉、怖いくらいに調査通りの話が出てきたことには驚いた。

明らかになった各家庭の家事ギャップ

およそ1時間にわたる座談会を経て、夫婦それぞれの言い分が出揃った。各家庭の家事ギャップを見てみよう。

新婚1年の川口夫妻

「やったらほめてくれるけど、やらないことを怒られる」という夫の竜平さんに対し、妻の光さんは「とりかかるのが遅い。やるのも遅い」と感じている。

二人の間にある家事ギャップは「スピード感」。穏やかでのんびり屋の夫と、比較的、気が強いタイプでチャキチャキと動く妻というそもそも性格の違いからのギャップだが、まだ若く、吸収力も高いからこそ、今回よりよい関係を築くヒントを見つけていってほしい。

二人三脚で農業を営む高橋夫妻

「もうちょっとやってくれるといいんだけど、なんでここまでなのかな」という中途半端さに疑問を持つ妻の三佳子さん。しかし夫の悟さんは「自分は途中まででもやれば、後が楽になるんじゃないかと思って。」と語るように、実はそこに考えがある。

そんな二人の間にある家事ギャップは「こだわり」。二人にはそれぞれ考えと自分のやり方があって、そこにギャップがある。とはいえ、結婚10年、子どもを二人育てながら、新たな土地で農業をするために二人三脚で歩み寄ってきた二人。今回の取り組みがそのギャップを埋める手助けになればと思う。

ともに明るく太陽のような田鹿夫妻

妻たちの前で披露された動画にあったように、スポンジにつける洗剤もたっぷり、水も豪快に流しながら楽しそうに食器を洗う夫の倫基さんと、やんちゃな我が子をたしなめるように見つめつつ「やり直したい」という思いに駆られるという妻の知美さん。

その間にある家事ギャップは「精度」。同じような明るさを持つ二人で、ともにそれを魅力に感じていることは非常によく伝わってくる。だがしかし!一点だけ、知美さんには完璧主義な面があるため、このギャップが生まれてくるようだ。この一見小さくも見える違いは、夫婦にとっては根深い問題になりがちである。ただ、こう言うのも何だが、今回のプロジェクトにおいてはうってつけの夫婦。倫基さんの食器洗いの精度を上げることができれば…。家事ギャップ解消は近いのかもしれない。

ようやく、それぞれの夫婦の間に存在している家事ギャップがあぶり出された。

そしてここからはいよいよ、この家事ギャップを解消しなければならないのだ。

そんな中、ステージ1と2では参加者たちに身分を明かすことが出来ず、謎の存在として、成り行きを見守っていた、日本ほめる達人協会の松本講師が、参加者たちを見送りながら口を開いた。「明日が楽しみですね」

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。