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宮崎県日南市はなぜ夫婦円満都市推進プロジェクトで盛り上がるのか?
宮崎県日南市協力企画 Kaji×Kaji ハッピーシェア! in 日南市

Vol.7宮崎県日南市はなぜ夫婦円満都市推進プロジェクトで盛り上がるのか?

脈々と受け継がれた協力の姿勢 日南市の歴史に夫婦円満の秘密が!

家事と音楽、そして夫婦円満をこよなく愛する男、KJだ。
2016年8月宮崎県日南市とLIONが共同で発表した「夫婦円満都市推進プロジェクト」。
LIONの調査から浮き彫りになった夫婦円満を阻む「家事ギャップ」を解消し、夫婦円満を目指すためのプログラムを届けてきた我々に、また声がかかった。

会場は日南市の油津にあるショッピングセンター「SAPIA」
その1階にある特設会場に、様々な夫婦を迎えた。

今回もライオンのリビングケアマイスター杉本美穂氏による「食事の後片付け講座」。
そして一般社団法人日本ほめる達人協会の松本講師による「ほめ方講座」が行われ、参加した夫婦たちは、それぞれの思いを胸に「夫婦円満宣誓書」にサインをしていた。

セミナーを行うたびにこれほど多くの夫婦が足を運んでくれるなんて本当にありがたい話である。夫婦円満に積極的な人が多い日南市は、なんて、素敵な街だろう。訪れるたびにそんなことを感じさせてくれるわけだが、実は、この街にそういう人たちがたくさんいるのには理由があった。

宮崎県の中でも南側に位置する日南市。
時をさかのぼると、明治維新で廃藩置県が行われるまでここには飫肥藩という藩があった。その中心となったのが、現在も観光地となっている飫肥城。

戦国時代から数々の戦乱を経て、この地を治めた伊東家が城主となり温暖湿潤な気候を利用した林業、そして、海に面していることから漁業によって栄えてきたと記録されている。
林業においては、その当時から質が良く評判の高かった「飫肥杉」が今でも日南市の名産となっている。

そんな飫肥藩。
決して大きくないにも関わらず幕末までおよそ280年にわたって保たれてきた背景として、様々な要因があると言われている。その一つが語り継がれてきた「山尽き候ても、才覚尽きず」という言葉。
つまりは、人材育成に対して積極的に進めてきたということである。

例えば、江戸時代。
飫肥藩にはおよそ2200人もの家臣がいたという記録がある。大きな藩ならまだしも、飫肥藩の規模から考えると通常の倍以上の数。しかもただ家臣が多いだけでなく「人は宝である」という考えのもと、それぞれに任務や役割を与えて、やるべきことに尽くしてもらうという目的を持っていたため、お隣の薩摩藩の脅威に打ち勝つだけの団結力が飫肥藩にはあったと言われる。
さらに、その人々のために、振徳堂という学問のための施設を持ち、そこで実際に役立つ教育を積極的に施してきたそうだ。

ただ人をたくさん集めるだけでなく、ちゃんと教育して、さらに役割を与える。まさに一丸となって向上していくスタイルをすでにもっていた。
実際、この振徳堂からは、のちに明治政府で外務大臣となり日露戦争後のポーツマス条約調印にかかわった小村寿太郎が出ていることから、そのレベルの高さがうかがい知れる。

さらに、この小村寿太郎が下級藩士の家から、要職にまで登りつめていることも注目すべき点だ。
飫肥藩は、さきほどの家臣が多かったというだけでなく、有事には、身分や役職などを問わず、みんなが力を合わせて、城を守ったと言い伝えられているという。身分制度が厳しかった時代だけに、これは非常に珍しいこと。
言ってみれば、当時の既成概念を覆して、本当に大切なものを守るという目的のために一致団結をしたのである。

我々が進めてきた「夫婦円満都市推進プロジェクト」は、夫に家事のやり方を伝え、妻にほめ方を伝えることが軸になっている。高度成長期の日本で築かれてきた「夫は仕事、妻は家庭」という既成概念では考えにくかったものかもしれない。
しかし、共働きの時代を迎えて、働き方、生き方について柔軟な対応を求められる今本当に大切なものを守るためには、既成概念にとらわれていてはうまくいかないとも言えるかもしれない。

ならば新しい考え方を学んで挑戦してみよう!
それはまるで、当時、飫肥藩のもとに集まった人々に通ずるものがあるのではないか?
我々のセミナーにたくさんの夫婦が来てくれるのは、その精神が受け継がれているからなのかもしれない。

昨年8月から、日南市に何度も訪れ、その前向きに進んでいこうという姿勢を肌で感じてきたKJとしては、今回も集まってくれて真剣にセミナーに聞き入る夫婦をみていると、歴史に裏打ちされた日南市の人々のすごさを感じざるを得ない。

ここから日本が変わり、いつかはすべての夫婦が円満になることを目指して我々もこのプロジェクトをさらに進めていかなければ!と、誓うのであった。

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。