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家事ギャップ解消は夫婦円満への道筋だった!?
宮崎県日南市協力企画 Kaji×Kaji ハッピーシェア! in 日南市

Vol.4家事ギャップ解消は夫婦円満への道筋だった!?

女性の社会進出や少子化対策といった様々な課題を解決するために動き出した宮崎県日南市の夫婦円満都市推進プロジェクト。

オレ、KJは、日南市の﨑田市長からの依頼により家事のスペシャリストであるリビングケアマイスター杉本氏と日本ほめる達人協会の松本講師を連れ立ってLIONの調査で明らかになった夫婦円満の障壁、”家事ギャップ”の解消に挑戦することとなった。

プロジェクトの効果を確かめるために集まってくれた三組の夫婦には、家事ギャップ解消に向け、それぞれに必要だと思われるトレーニングを行った。夫たちには“食後の後片付けトレーニング”。妻たちには“ほめるトレーニング”。果たして成果はでるのか?

ステージ4:家事ギャップは解消できたのか?いよいよ成果発表!

ところ変わって、美しい日南の海を臨むリゾート「日南海岸 南郷プリンスホテル」。

再びエプロンを纏う夫たち、ホテルのラウンジにあるシンクはいわば夫婦の舞台。

夫たちには杉本マイスターに教えられた「食後の後片付けを妻に披露してほしい」とだけ伝えてある。妻たちがほめる達人のトレーニングを受けたことは知らない。

一方オレ、KJはというと、少し離れた場所で杉本マイスターと日本ほめる達人協会の松本講師とともにその様子をモニタリングし、それぞれの夫婦がしっかりと成果を出せるかチェックするという、テレビ番組のようなシステムにちょっとテンションが上がる。

ここまで来たら余計な説明はいらないだろう。さっそく、始めようじゃないか。

初めに腕前を披露することになったのは、新婚1年の川口夫妻。のんびり屋でマイペースな夫の竜平さんに対して「遅い」と不満を漏らしていた妻の光さん。果たして、二人の課題だった「スピード感」のギャップは埋めることができるのだろうか?

キッチンに並んだ、初々しさが残る二人。竜平さん、キョロキョロ周りを見渡して道具を確認してから食器洗いスタート。

まずは、汚れを拭き取って…、教えてもらった手順を思い出しながら、黙々と作業を続けていく中、妻の顔を見る余裕はほとんどない。一方、妻の光さんは洗いあがったお皿を手に取って確認したり、夫の手元をのぞき込んだり、杉本マイスターよりも厳しい目でチェックしていく。

ただ、おそらくこれまでと違うのは、一つ一つチェックした後に必ず一言、竜平さんにに声をかけている。

「ちゃんと洗えてるね」
「すごい、出来てる」

ほめ達3Sの一つ「すごい」を使って、事実をほめる。まさにトレーニングの賜物である。これには松本講師もモニター前で思わずニヤリ。

声をかけられると表情が緩み始め、竜平さんにも少しずつ余裕が生まれてきたようだ。身長差がある二人。光さんは食器や手元だけでなく、時折、竜平さんの顔を下からのぞき込み、はにかむ竜平さん。思わず“家でやれ”と言いたくなるほど、ラブラブぶりが伝わってくる。

我が子を見守るようにモニターを見る杉本マイスターも、時折、「あーそうじゃなくて!」と言いながらも終始にこやか。なんだか、現場全体がひたむきに頑張る竜平さんを応援するような雰囲気の中、食器洗い終了。

普段より格段に手際が上がっている竜平さんを光さんも絶賛。もともと、ちゃんとした食器洗いのやり方を知りたいと話していた、マイペースながらも前向きでモチベーションが高い竜平さんだからこそ、呑み込みも早く、短時間で明らかなスキルアップができたのではないだろうか?今後も繰り返しやっていけばスピードは格段に上がるだろう。これで気が強くチャキチャキした光さんとの家事ギャップは改善されると確信したのだった。

続いては東京から縁もゆかりもない日南に移住してきた結婚10年目の高橋さん夫妻。純粋で真面目な二人はそれぞれ我が道を行く「こだわり」を持っている故の家事ギャップが生じていた。キッチンの前に並ぶと、新婚の川口夫妻と変わらぬ緊張ぶり。

一方、モニター前では妻の三佳子さんが講義の時に流した涙のことが頭によぎり、少し緊張が高まる松本講師。対照的に、飲食業の経験から確かな食器洗いのスキルを確認している杉本マイスターは余裕を持ってモニターを見つめている。

しかしながら、食器洗いが始まると同時に、高橋さん夫妻は二人で微かに笑いはじめる。もはや、このシチュエーション自体がおかしくてしょうがない、といった様子だ。

「なんで、笑ってるの?」
「いや、なんか。なんでもないって」

川口夫妻とは違った意味で、仲の良さがうかがえる温かい空気感。事前の予想通り、夫の悟さんは、さきほど教えてもらった食器洗いの手順を呟きながらスムーズに食器洗いを進めていく。すると、妻の三佳子さんが口を開く。

「すごいね!」

言うと同時に、今まで以上に笑いが大きくなる妻の三佳子さん。その姿に対して悟さんは。

「ねえ、なんで笑ってるの?おかしい?」

言いたくなる気持ちもわかる。少し考えて三佳子さんが返す。

「すごい。すごいよね。…面白いこと言うよね」
「面白いこと言ってないけど」
「本当に人を笑わせるのが上手だよね」
「そうかなぁ」

一言「すごい」と口に出せば理由はついてくる。まさにトレーニングの内容通りの展開。松本講師も嬉しそう。もう照れ笑いが止まらない二人。すこぶる幸せそうである。

結婚10年目というのを忘れさせてくれるような初々しさ。話がかみ合っているかは微妙だが、内容よりも二人の笑顔がそれでいいのだと感じさせてくれた。もしかしたら10年間の道程を思い出しているのかもしれない。そして、なれない土地で農業をしながら、二人のお子さんを育てる慌ただしい毎日の中で、少し忘れかけていた互いへの思いを再確認している、そんな風にも見受けられた。二人はそれぞれが「こだわり」を持っているタイプ。そこに生じるギャップはあって当たり前のことであり、それをネガティブに捉えるのではなく、相手のことを尊重しあえば、同志のような関係にもなれるのだ。笑いながら肩を並べる二人の間には、もう家事ギャップは存在してない。高橋夫妻が醸し出す柔らかな空気に包まれ、食器洗いは終了した。

ラストは元気の塊、田鹿夫妻。傍から見ればいつも楽しそうな笑顔の二人はベストカップルにしか見えない。妻の知美さんにしてみれば、その明るさ、楽観的なところは好きなところである一方、夫の倫基さんの大ざっぱなところが時折、気になってしまう。そこから生じる精度がこの夫婦の家事ギャップである。シンクの前に立つ雰囲気はこれまでの二組とは明らかに異なり、今にも夫婦漫才が始まりそうな満面の笑みの二人だ。

「始めます!」。元気よく倫基さんが宣言すると、一度開いた口が止まらない。教わったことを一つ一つ解説しながらテキパキと食器洗いを進めていく。その姿はまるで料理番組。倫基さんは手順をアシスタントに説明するように話していく。そこへ絶妙なタイミングで相槌を打ちながら、時折、大きめのリアクションを返す知美さん。

「へー!すごいね!私、知らなかった!」
「だろ!」

テンポのいい夫婦漫才は続く。

「このスポンジね、放っておくとものすごい汚くなってしまうんだよ」
「よく知ってるね~」

倫基さん、終始ドヤ顔。さっき聞いたばかりの話を、もう自分のものにしてしまっている。しかもその一つ一つに最愛の知美さんが最高のリアクションをしてくれるとなれば、気持ちは上がりっぱなしである。知美さんの作戦とも知らずに。モニター側越しにも二人の放つ明るい光が眩しく感じる。

「めっちゃ気持ちよかったです!」

おおよそ食器洗いを終えた後の感想とは思えないが、妻にほめられながらの家事がこれほど楽しいとは!そんな嬉しい言葉が出てきた。一方で知美さんは。

「本当に私が知らないことをたくさん知っていて、単純にすごいなと思いました」

まさに、今回のトレーニングの効果が顕著に現れた二人。互いが気になっていた部分がほんの少し変わっただけで、持ち前の明るさ、元気さが全開になった様子。周りの人も釣られて自然と笑顔に変わっていくカリスマ性のようなものを感じる。まさに円満夫婦の鑑のような田鹿夫妻だった。

この記事を作成・監修した
マイスター

杉本 美穂

リビングケアマイスター

杉本 美穂

すぎもと みほ

家事関連の製品企画、マーケティングを約20年、生活者向け講習会などを約10年経験してきました。
毎日大変な料理や食事の後片付けなどを手早くラクにできるように、わかりやすくお伝えしていきます。