DATE | 2022.10.21
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アルコール消毒で手荒れする原因と対策方法は?

帰宅後の”手洗い”までの行動

昨今の感染症対策の一環として、外出先でアルコール消毒などの手指消毒を求められることが多くなりました。
それに伴い、手荒れに悩んでいる方々が増えてきたようです。
そこで、ここでは手荒れの症状や原因、また適切な消毒方法・手荒れの予防方法について解説します。

INDEX

手荒れの症状

手荒れとは、乾燥やアレルギーなどが原因で手指の皮膚のバリア機能が低下してしまい、皮膚内部の水分がどんどん蒸散し乾燥が悪化したり炎症を起こしたりすることです。
一般的な手荒れの症状には以下のようなものがあり、多くの場合で亀裂や赤み・かゆみなどの症状を伴います。

  • ひび:肌が乾燥し、皮膚に亀裂が入った状態
  • 手湿疹:赤みやかゆみ、小さなブツブツなどを伴う状態
  • 汗疱・異汗性湿疹:いわゆる水ぶくれが出る状態
  • 掌蹠膿疱症:膿がたまったブツブツが手のひらに発症する状態
  • など

手荒れ

アルコール消毒による手荒れの原因/メカニズム

皮膚は、脂肪層を多く含む皮下組織、真皮と表皮からなっています。
最も外側の層はレンガのように積み重なった角質層で、その表面を皮脂膜がコーティングしています。また、皮膚表面には、常在細菌が生息しています。
この角質層が体内から水分や油分が蒸発するのを防いでいます。
これが皮膚の“バリア機能”です。

皮膚の構造とバリア機能
皮膚の構造とバリア機能

ところが、アルコールには強い脱脂作用(油脂を除去する力)があり、アルコール消毒により皮脂膜のコーティングまで除去されてしまいます。そして、アルコールが揮発する際に手の水分を奪ってしまいます。
皮脂膜は時間が経てば元に戻りますが、頻繁に手洗いやアルコール消毒を行うと、再生までの時間が取れず、手が無防備になっていきます。
こうして手の皮膚のバリア機能が低下し、乾燥状態になってしまうのが“手荒れ”の原因の1つなのです。

実は子どもも手荒れになりやすい

手荒れは大人だけでなく、子供にも発症する症状です。
子供の肌は大人の肌と比べ、角質が薄く皮脂の分泌も少なくなります。そのため、保水力は弱く乾燥もしやすくなり、皮膚のバリア機能が働きにくいのです。

子どもの写真

適切な消毒/手荒れの予防方法

衛生行動として手指の消毒は非常に重要です。
手荒れの心配もありますが、基本的には食事前や外出から帰宅時の手洗いや手指の消毒は推奨されています。
ただし、手洗いや手指アルコール消毒をする際は、バリア機能が低下した皮膚を守るため、保湿をすることが大切です。
そのためには、手洗いや消毒をするたびに保湿用のハンドクリームなどを使うことを習慣づけると良いでしょう。外出先でも手洗いや消毒をする機会が多い今は、ハンドクリームを常時携帯し、忘れずに手荒れ対策を行うことが重要です。

イラスト

また、ライオンが行った調査によると、「帰宅後に手を洗っている」という人の多くが、手洗いをするまでのわずかな時間にリビングやキッチンなど様々な場所に立ち寄り、いろいろなものに触っていることがわかりました。
実際、AIを用いたシミュレーションを行ったところ、外から持ち込んだウイルスが玄関周りやキッチンなど広範囲に付着していることが確認されています。
一方で、帰宅後すぐに手指の消毒を行い、そのまま洗面所に直行して手洗いをすれば、家庭内のウイルス付着量は約1割に抑えられることもわかりました。手荒れ予防はしっかりしつつ、帰宅後すぐにアルコール消毒と手洗いをすることが大切です。

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