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AIエージェントでオペレーショナル・エクセレンスを加速
~社内生成AI「LION AI Chat」がエージェント機能を実装、
ビジネス部門から100名の開発者を年内に育成~

2025年06月24日 経営・財務関連

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ライオン株式会社(代表取締役兼社長執行役員:竹森 征之)は、社内生成AIサービス「LION AI Chat」を大幅にアップデートし、従業員が日常的に行うメール作成、会議議事録の自動要約、コード作成サポートなどに加え、調査を支援する共通業務AIエージェントを新たに実装しました。
さらに、各部門固有の課題に最適化したAIエージェントをビジネス部門が主導で開発するため、ノーコード/ローコードツールであるDify※1を活用し、2025年末までに非エンジニアを含む100名の“AIエージェント開発者”を育成する集中教育プログラムを開始しました。
※1 ノーコード/ローコードで社内データを取り込み、Q&Aボットやワークフロー自動化エージェントを作成、公開できるクラウド型AI開発環境。

■背景
生成AIの飛躍的進化により、AIは文章生成にとどまらず、タスク計画・外部システム連携・自己改善ループを備えた「自律型エージェント」へ進化しています。これにより、業務を自動化し、人はより創造的な業務に集中できる環境が現実になりつつあります。 一方でAI導入・活用の最大の課題は「実装・活用を担う人材をいかに早期に育成するか」であり、この課題の解決が企業競争力を左右する要因となっています。当社はこれらの状況を踏まえ、2023年5月より多くの企業に先駆けて「LION AI Chat」を内製開発し導入しましたが、従業員がより生成AIを活用しやすい環境を構築すべく、この「LION AI Chat」の大幅なアップデートを1年半ぶりに実施し、即効性の高い共通業務に対応するAIエージェントを実装しました。またビジネス部門の非エンジニアが自部門の業務に特化したエージェントを開発できる体制及び教育プログラムを開始し、開発スピードの向上と業務効率化/新規価値創出の両立を進めています。

■「LION AI Chat」に実装した各部門の共通業務AIエージェント

エージェント名 内容
アップデート項目 要約 ・任意のテキストやPDF・Wordなどのファイルを読み込み、文章を要約
・文量や語調、対象読者などを指定することができる
文書生成 テーマ・利用シーン・文量・必須キーワードなどを入力すると適切な文書案を生成
メール作成 ・宛先・用件などを入力すると、件名/本文/署名を含む完成メールを作成
・敬語レベルやフォーマットも指定できる
メール返信 これまでのメールスレッドを解析し、ユーザーの語調や社内表現を再現して返信文を提案
添削 テキスト貼付またはファイル添付で文章を受け取り、誤字脱字・文法・トーンをチェックし添削、修正前後の比較や改善理由のコメントも提示可能
議事録作成 会議メモあるいは自動文字起こしのファイルを取り込み、議題ごとに構造化して議事録を生成
コード作成補助:
コード生成
言語・フレームワーク・要件を指定すると、設計方針と共に実行可能なコードスニペットを生成
コード作成補助:
エラー対処
修正したいコードやエラー文を投入すると、原因を解析して説明し、再現防止の回避策や修正コードを提示
コード作成補助:
リファクタリング
既存コードを読み込み、冗長ロジック・重複・命名揺れを自動検出したうえで適切な設計へとコードを再構成
追加項目 ワンショット
リサーチ
WEB検索を用いて情報を収集し、要点や引用URLを1分以内にコンパクトにまとめる
マルチステップ
リサーチ
WEB検索を用いてAIが自律的に思考・検索をくりかえし、5~10分で引用URL とともに洞察や結論をまとめた詳細レポートを作成

■AIエージェント開発者育成プログラム概要

項目 内容
プログラム名 AIエージェント開発者育成プログラム
目的 AIエージェントを業務に実装できる総合スキル(課題発見・業務設計・エージェント開発・効果測定)の習得
使用ツール/技術 Dify(ノーコード/ローコード生成AIプラットフォーム)
主な学習ステップ 1. 業務棚卸し ― 生成AIに適するタスクを選定
2. 業務フロー再設計 ― 任せられる工程の明確化
3. 効果試算 ― ビフォー/アフターでROIを見積もり
4. Dify開発 ― ノーコードでエージェント実装
5. 検証・改善 ― 実業務でテストしチューニング
成果物 ・部門/個人業務に特化したAIエージェント1体
例:アンケートのFA(フリーアンサー)解析、申請書類の事前添削など
・効果測定レポート(工数削減・品質向上など)
最終評価 成果発表会でデモ実演+ROI報告を実施し、講師・参加者を相互でフィードバック
期待効果 ・参加者全員が業務課題をAIで解決する実践力を獲得
・部門ごとの業務効率化事例を社内に横展開

■生成AIアプリ開発プラットフォーム「Dify」を提供する株式会社LangGenius CEO Marudan Kiji氏からのコメント

私たちはLLM(AI)の力を最大限に引き出し、社内業務をよりスムーズで価値のあるものにすることを目指しています。これからも機能改善やアップデートを重ね、質の高いAIソリューションを提供し、オペレーショナル・エクセレンスの実現に協力致します。

■育成プログラム参加者のコメント

    • 自分ではハードルの高かったRAG※2の検証や新しいツールの使用に気軽に取り組むことができ、世界が広がりました。今後も生成AIを業務に導入していきたいと思います。
    • RAG※2の仕組みを実践する中で、ナレッジを「使える形」に整備することの重要性を改めて認識しました。 特に、質問の構造化やプロンプト設計といった基盤の整備が、生成精度や活用効果に大きな影響を与えることを実感しました。
    • 自分専用にカスタマイズされたアプリを作成して、業務がかなりやりやすくなりました。ほかに作りたいアプリのイメージもあるので引き続きスキルアップを継続していきます。

※2 Retrieval-Augmented Generation(検索拡張生成)の略称。外部データを検索して生成を補助するAI技術のこと。

■今後の予定
当社は2025年度内に100名の開発者を輩出し、各部門固有の30体以上のAIエージェントを本格運用することを目指します。2026年度以降は、そこで得た開発ノウハウを各部門やライオングループ各社へ共有し、生産性向上・品質改善・働き方改革をさらに推進します。ライオン株式会社は、従業員一人ひとりがAIと共創し価値を生み出す「生成AIの民主化」を実現し、継続的な業務革新と企業成長を目指してまいります。

お問い合わせ窓口

報道関係の方 コーポレートコミュニケーションセンター TEL: 03-6739-3443

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