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子どもの「生きる力」は体験から育つ。
キッザニア×ライオンの20年

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職業・社会体験施設と日用品メーカー。一見すると異なる役割を担う両者ですが、その根底にあるのは、「体験」を通じて、自ら行動する力を育むことでした。

子どもが「やってみたい」と思う瞬間は、どこから生まれるのでしょうか。
誰かに言われたからではなく、自分で気づき、自分から動く。そのきっかけをつくることを、キッザニアは20年間、体験を通じて追い続けてきました。

2026年10月に開業20周年を迎える「キッザニア東京」。ライオンは開業当初からオフィシャルスポンサーとして「歯科医院」パビリオンを開設。歯科医師や歯科衛生士の仕事体験を通じて、子どもたちが「歯と口の健康を守ること」を自分ごととして受け止めるきっかけをつくってきました。

今回は、キッザニアでライオンとの協業を担当してきたKCJ GROUP 株式会社・小林愛奈さん、クリニカブランドマネージャーのライオン・鈴木ゆかりさんに話を聞きながら、体験が習慣を育み、「自分で守る力」へとつながっていくプロセスを探ります。
※本記事内の写真は、2026年6月4日実施の特別イベントにて撮影したものです。(ライオン社員を除く)

本物だから夢中になれる。「やってみたい」を引き出す体験

キッザニアが子どもたちに届けようとしているのは、「生きる力」を育む体験です。その思想を表すキーワードが「エデュテインメント」——エデュケーション(学び)とエンターテインメント(楽しさ)を掛け合わせた言葉で、楽しみながら自分で考え、自分から動く力を育てることをキッザニアは体現してきました。パートナー企業との協業を担当する小林さんは、その思想についてこう語ります。

小林:キッザニアのコンセプトを一言で表すと、「エデュテインメント」という言葉になります。子どもたちが「自分でやってみたい」、「自分でできた」、「面白い、もっと知りたい」などのさまざまな気づきを、体験のなかで自然に得られる場をつくることを大切にしています。そうした場の中で育まれる「生きる力」を、主体性・責任感・自己効力感などの10個の構成要素に分けて「キッザニア10Values(テンバリューズ)」と呼んでいます。

キッザニアは楽しみながら社会の仕組みを学ぶことができる「こどもが主役の街」。病院や警察署、消防署、銀行など、さまざまなパビリオンが集まる街の一角に、ライオンが出展する「歯科医院」があります。パートナー企業との協業を担当するキッザニアの小林さんは、「歯科医院」がある理由についてこう話します。

小林:キッザニアは、子どもたちが社会の仕組みや仕事を体験できる街。そのなかで歯科医院は、一生のうちに誰もがお世話になる場所ですし、歯科医師や歯科衛生士は、人々の健康を支える、なくてはならない仕事です。だからこそ、街のなかに自然に存在して然るべき施設だと思っています。

KCJ GROUP 株式会社 パートナーアライアンス部 広域グループ グループリーダー 小林愛奈さん

「歯科医院」パビリオンでは、子どもたちが歯科医師や歯科衛生士になりきり、患者さんの歯と向き合います。その体験を支えているのが、本物さながらの設備や道具、そしてキッザニアスタッフの(子どもへの)関わり方だと小林さんは続けます。

小林:「体験に没入できるかどうか」が、子どもたちの楽しい気持ちに直結します。本物そっくりの環境だからこそ、自分が本当に歯科医師・歯科衛生士になったような気持ちになれるんです。すると、患者さんの役に立てたことがうれしかったり、「もっとやってみたい」と思えたりする。そんな気持ちが、次の行動につながっていくのだと思います。

そうしたリアリティを生み出すために、特にこだわったのが設備や道具です。子どもたちが使いやすいように安全面を配慮したうえで、実際に歯科医院で使っている本物の器具を導入。スタッフであるスーパーバイザーの立ち振る舞いも含めて、リアリティのある体験を届けるよう工夫しています。

実際に歯科医院パビリオンのスーパーバイザーとして、子どもたちと接してきた経験もある小林さん。体験のなかで見せてくれた子どもたちの素直な反応が、いまも印象に残っていると言います。

小林:「まさか自分でむし歯を削れると思ってなかった」という声はよく聞きました。なかには「楽しかったからまた来た」「もっと上手にやりたい」「前に来たときは小さかったから、今度はちゃんと覚えて帰りたい」というリピーターのお子さんもいて……。子どもは大人が思っている以上に、楽しいと思ったことを何度もやりたがるのだと驚きましたね。

本物の道具を使い、なりきる。そんなリアリティを伴う楽しい体験こそが、子どもたちの自主性を引き出すのだと小林さんは語ります。

小林:学校の勉強や保護者の方の声かけは、もちろんすべて子どものためを思ってのことだと思います。でも、当の子どもたちは、言われたことをなかなか行動には移しづらいことがあります。頭では大事だとわかっていることも、「楽しい」と思えるかどうかは、自発的な行動や習慣化に密接につながると考えます。

だから、体験を通じて「働くのって楽しいな」「歯を守るって大切なんだな」と自分で気づき、学ぶことが大事なんですよね。楽しいからこそ、保護者の方が言わなくても、先生が言わなくても、自分で進んで行動できる。キッザニアでは、「歯科医院」パビリオンなど、さまざまな仕事体験を通して子どもが楽しみながら学ぶことができます。そのプロセスが「自分で気づき、自分で行動する」という主体性や責任感を育むきっかけになればと願っています。

日本上陸から20年を迎えるキッザニア。その歴史のなかで、この場所は単なる職業体験の枠を超えた存在になりつつあると小林さんは言います。

小林:じつは、「キッザニアがきっかけで、当時体験した職業に就きました」という報告をいただくことがあるんです。日常の習慣の変化は日々起きていると思いますが、なかには子どもの人生そのものを動かすような、大きな影響を与えていることもある。自分たちが取り組んできたのは、それほどまでに力のある活動なのだとあらためて実感します。20年という節目を迎え、その責任の重さに気が引き締まる思いですね。

「教える」のではなく、「自分で気づく」。体験のなかで生まれた「楽しかった」「もっとやってみたい」という気持ちは、やがて「自分でやってみよう」という行動につながっていく。「歯科医院」パビリオンで子どもたちが持ち帰るのは、歯科医師・歯科衛生士になりきった思い出だけではなく、歯と口の健康を自分自身のこととして考えるきっかけ、そしてその先の人生を支える「生きる力」の芽なのかもしれません。

【イベントレポート】2026年6月4日は「歯と口の健康週間」。ライオンと日本歯科医師会による特別イベントが開催

通常は子どもが主役のキッザニア。しかしこの日は、保護者も一緒に参加できる特別プログラムが用意されました。保護者と子どもが揃って行う歯科健診体験、歯科医院で使われる器具に触れながら「予防歯科」を学ぶレクチャーイベントなど、親子だからこそ体験できるプログラムです。

歯科健診プログラムでは、保護者と子どもが互いに歯科医師役と患者役を担当。歯科医師・歯科衛生士のサポートを受けながら、鏡やライトを使って口の中を観察したり、噛む力をチェックしたりと、本物さながらの歯科健診を行いました。

見て、触れて、学ぶ。特別な一日を、毎日の習慣のきっかけに

小学3年生のお姉さんと1年生の弟の姉弟:
もともと歯科医院が身近な存在と話してくれました。「歯医者さんが好きで、通っているところの歯科衛生士さんとも仲良し」と話すお母さんの隣で、お姉さんは「ママや歯医者さんに言われているとおり、前歯の裏をこれからもしっかりみがこうと思いました」と、体験を通じて学んだことをまっすぐに受け止めていました。

スペシャルイベントの模様は、後日LION公式noteでお伝えいたします。

プログラムに参加した子どもたちの言葉に共通していたのは、「やらなきゃ」という義務感ではなく、「やってみよう」という前向きな気持ち。

自分で見て、触れて、体験する。そこで得た実感は、「もっと知りたい」「家でもやってみたい」という意欲や意識の変化を生み、毎日の行動を少しずつ変えていきます。歯みがきは、多くの人にとって毎日「なんとなく」繰り返してきた習慣。でも特別な一日の体験は、その無意識の行動に「気づき」をもたらします。親子で歯と口の健康について話したり、毎日歯みがきをあらためて見直したりと──「当たり前」だと思っていた習慣が、「自分で守る」という意識へと変わるきっかけになっているようでした。

ハミガキやハブラシではなく歯科医院。その背景にある「予防歯科」

歯みがきは、歯と口の健康にとって大切だとわかっていても、それを毎日続けることは簡単ではありません。ライオン・クリニカブランドマネージャーの鈴木ゆかりさんは、習慣を続けることについてこう語ります。

鈴木:やはり、楽しくなければ続かないと思うんです。勉強して頭で理解することと、自分で体験から学ぶことは全然違う。特にお子さんの場合は、そこに「楽しかった」「褒められてうれしかった」みたいな感情はすごく影響するのではないでしょうか。

だからこそ、クリニカでは子どもたちが楽しみながら歯みがきを続けられるよう、さまざまな工夫を行っています。幼稚園や保育園に配布している子育て雑誌には、歯みがきをしたらシールを貼れるカレンダーを紹介するなど、楽しく取り組めるきっかけを提供しています。

クリニカブランドマネージャーの鈴木ゆかりさん

鈴木さんは、子どもだけに習慣を求めるのではなく、まずは保護者に歯と口の健康について理解してもらうことが大切だと続けます。

鈴木:保護者自身が取り組んでいないことを、子どもだけに習慣づけるのはハードルが高いですよね。だからこそ、まずは保護者のみなさんに「予防歯科」の考え方を理解していただくことが大切だと思います。

小さいうちは仕上げみがきもありますし、歯みがきは、ただ歯をきれいにする作業ではなく、スキンシップやコミュニケーションの時間でもあります。だから、歯みがきを通じて保護者と子どもの間にポジティブなやりとりが生まれてくれるとうれしいですね。歯みがきという習慣が、そんな日常の一場面になったらいいなと思っています。

ライオンがキッザニアに出展するパビリオンで子どもたちに提供しているのは、自社の歯ブラシ製造体験やハミガキの研究所ではなく、「歯科医院」というライオンの直接的な事業内容とは異なる場。ライオンでクリニカのブランドマネージャーを務める鈴木さんは、その背景にある「予防歯科」についてこう語ります。

鈴木:「予防歯科」とは、むし歯などになってから治療するのではなく、なる前から歯と口の健康を守ること。毎日の歯みがきなどのセルフケアと、歯科医院で定期的に受けるプロケアの両輪によって、健康を維持していくという考え方です。クリニカというブランドはこうした思想のもと生まれていて、子どもから大人まで、幅広い層の方々に商品をお届けしています。

ライオンが「歯科医院」の仕事体験を届けているのも、ハミガキやハブラシ自体ではなく、その先にある「歯と口の健康を守ること」を大切にしているから。誰もが一生のうちに関わる歯科医院は、「予防歯科」という習慣を支える大切な存在でもあります。

特別な場所での体験も、毎日を過ごす家庭のなかで続いていかなければ、習慣にはなりません。キッザニアで歯科医師や歯科衛生士になりきり、「もっと上手にやりたい」と思ったこと。イベントで歯科医師から教わり、「前歯の裏をもっとみがこう」と感じたこと。そんな非日常の体験は、「なんとなくみがいていた」歯みがきへの意識を変え、家に帰ってから親子で歯みがきをする時間のなかで、少しずつ日常へと変わっていきます。

子どもたちの「生きる力」を育むキッザニアと、歯と口の健康を守る習慣を広めるライオン。両者は「正解を教える」のではなく、「自分で気づき、自ら行動したくなるきっかけをつくる」という想いが共通しています。キッザニアとライオンが20年にわたってともにつくりあげてきたのは、特別な体験ではなく、子どもたちの「生きる力」として少しずつ日常のなかで育まれていく、小さなきっかけなのかもしれません。

ライオンちゃんと、日本歯科医師会PRキャラクターのよ坊さん

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