製品紹介
手に殺菌成分がとどまる、「殺菌ベール処方」 きちんと殺菌し、バイ菌から家族の手肌を守る『キレイキレイ薬用泡ハンドソープ』
殺菌成分が手にとどまる「殺菌ベール処方」でウイルスや細菌を除去※2することに加えて、付着した菌の増殖を防ぐ従来の「抗菌ポンプヘッド」に「抗菌ボトル」※3を新たに採用した薬用泡ハンドソープ。
※2 エンベロープ型ウイルスにてテスト。全てのウイルス・細菌に効果があるわけではありません
※3 全ての菌に有効ではありません。清潔に保ってください
医薬部外品
販売名:キレイキレイ薬用泡ハンドソープN
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殺菌効果と楽しいを両立するハンドソープ
キレイキレイの歴史は1997年にさかのぼる。この前の年に、多数の学校や幼稚園で、病原性大腸菌O-157の集団感染による食中毒が発生し、大きな社会問題となっていた。さらなる感染拡大を防ぎ、子どもたちを守るためには、手洗いの習慣づけがひとつの有効な手段だと考えられていた。このような状況の中、ライオンは手洗いを「バイ菌が怖い」からではなく、「家族みんなで楽しく手洗いできる」という前向きな理由で習慣化させたいと考え、病原体から守るための殺菌効果があり、楽しく手洗いできるハンドソープの提供を目指した。特に子どもが進んで手洗いしたくなり、その行動が家族にまで浸透するようなハンドソープであることにこだわり、手洗い時に親子で一緒に「キレイキレイしようね!」と言いやすいよう、製品名は『キレイキレイ』と名付けた。
1997年に最初の「キレイキレイ薬用ハンドソープ」を発売して以来、内容液や容器の改良を続けてきた。当初の製品は液体タイプであったが、2004年には、小さい子どもでも使いやすいよう、ポンプを押すと泡で出てくる泡タイプのハンドソープを開発した。さらに、使用時に必ず手が触れるポンプヘッド部分を清潔に保ちたいというニーズに応え、2016年に菌やウイルスの増殖を防ぐ「抗菌※4ポンプヘッド」を開発した。
※4 全ての菌に有効ではありません
生活者の不安に寄り添い、新たな機能を開発
2023年、感染症法上の位置づけが見直され※5、個人に感染症への対策が委ねられるようになった。そのような状況の中、約9割の人が位置づけ変更後も衛生行動を続けたいと考えており※6、約8割の人がウイルスや細菌を自宅に持ち込んでしまわないか不安に感じていること※7がわかった。
※5 厚生労働省,「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る新型インフルエンザ等感染症から5類感染症への移行について(令和5年5月8日)」
※6 2022年12月当社調べ
※7 2023年2月当社調べ
このような生活者の不安に応えるべく、堀越研究員らは泡ハンドソープの改良を検討した。
「泡ハンドソープの改良に向けて、どうしたら生活者の不安な想いに寄り添うことが出来るのか、関わるメンバーで議論を繰り返しました。その中で出てきたアイデアが、手洗い後も手に殺菌成分をとどめることで、家庭内で手についた菌を増やさないようにするハンドソープでした」
キレイキレイは、洗浄の主成分として植物性の脂肪酸塩を使用している。脂肪酸塩は、炭素が鎖状に連なった疎水性の部分と、カルボキシル基からなる親水性の部分を有しており、炭素鎖と肌との疎水性相互作用によって、手の皮膚に密に吸着する特長がある。そこで、従来よりも長い炭素鎖を持ち、疎水的な性質が高い脂肪酸塩を配合することで、皮膚との疎水性相互作用が高まり、皮膚により吸着させることができるのではないかと、堀越研究員らは考えた。同時に、長い炭素鎖の脂肪酸塩が殺菌成分を多く取り込むことで、手洗い後も殺菌成分を手にとどまらせることができるのではないかと仮説を立て、検証を開始した。
ハンドソープには、多くの成分が配合されており、安定性、使用感、性能まで複雑なバランスで成り立っている。そのため、少し成分を変えるだけで、すすぎ性やポンプから出てくる泡の量、手洗い時の泡の質感など、ハンドソープ自体の性能が大きく変わってしまうことが多い。効果のある脂肪酸塩を探索するだけでなく、その脂肪酸塩を配合した条件で、狙った機能を発揮する組成を見つけるため、何度も組成検討を繰り返し、最終的には、思い描いていたハンドソープを形にすることができた。
「これまでのキレイキレイの開発から、脂肪酸塩に着目することで、殺菌成分を手にとどめることができるという考えはありましたが、実際に試してみないと目的とする機能が発揮されるのか、正直わかりませんでした。ようやく狙った機能を発揮し、従来の機能も兼ね備えた組成に辿り着いたときは、本当に嬉しかったです。また、どのように表現すれば生活者に“殺菌成分を手にとどめる”ことを伝えることができるのか、何度も議論を重ねました。いくつかの案を生活者に評価してもらったところ、『殺菌ベール』という表現が、“手が菌から守られている感じが想起される”とのコメントをいただいたことから、最終的に『殺菌ベール処方』という言葉でお伝えすることになりました。
ハンドソープ市場初となった抗菌ボトル
さらに、製品の改良を進めていく中で、「水回りに置かれるハンドソープの容器は不衛生に感じる」という生活者の声があることが明らかとなった。そこで、堀越研究員らは、手洗い時に触れることが多い容器(本体ボトル)に着目し、生活者が外から持ち込んだ菌が容器から家庭内で増えるのを防ぐことを目指した。これまでの泡ハンドソープは、ポンプヘッド部分のみが抗菌性※4(抗菌ポンプヘッド)であり、本体ボトルまで抗菌性ではなかった。そこで、容器・包装の開発を担当する部門などとも連携し、抗菌ポンプヘッドの知見を活かしながら、菌の増殖を防ぐ本体ボトル(抗菌ボトル)を開発することにした。ハンドソープ市場の中で抗菌性があるボトルを使用した製品は存在しなかったため、新たなチャレンジだった。
抗菌ボトルを開発するためには、本体ボトルの材料に抗菌剤を練り込み、本体ボトルを成形する必要がある。しかし、添加する抗菌剤の種類や成形条件によっては、ボトルの変色や抗菌性未達などが発生する。そこで、抗菌ボトルの抗菌効果については、抗菌製品技術協議会(SIAA)※8が定めるSIAAマーク取得基準を満たすこと※9を目標とした。また、抗菌剤を加えることで、本体ボトルの色に影響が及び、ボトルの清潔感イメージを崩す懸念があったため、従来の白色を維持することも目指した。堀越研究員らは検討を重ねることで、抗菌性、色ともに目標を満たす抗菌ボトルを実現し、ハンドソープ市場初※10となる抗菌ボトルを採用した泡ハンドソープを開発することができた。
※8 適正で安心できる抗菌・防カビ・抗ウイルス加工製品の普及のためにメーカーや試験機関が集まる団体
※9 抗菌加工がされていない部分と比較し、細菌の増殖割合が1/100以下であり、耐久性試験も抗菌効果が確認されること
※10 2023年2月現在、抗菌製品技術協議会に登録されている製品中
キレイキレイの開発を通じて、家族の幸せを支えていく
殺菌成分が手にとどまる殺菌ベール処方と付着した菌の増殖を防ぐ抗菌ボトルを新たに採用した『キレイキレイ薬用泡ハンドソープ』の改良新製品は、2023年8月に市場導入された。3種類の香りのラインナップに加え、本体ボトルのサイズも2展開にすることで、好みやライフスタイルに合わせてお客様が選びやすいよう工夫している。
「たくさんのお客様に使っていただいている製品の開発に携わっていることにやりがいと誇りを感じる」と堀越研究員は話す。
「家族や友人にどんな仕事をしているのかと聞かれたときに、キレイキレイを開発していると答えると、“ハンドソープで有名なキレイキレイね“と、すぐにわかってもらえます。使い心地などの感想を身近な人から直接もらうことは、大変嬉しいです。たくさんの人の生活につながる製品の開発に携わっていることに、大きな責任を感じていますし、自分の仕事は多くの家族の幸せな生活を支える仕事だと思うと、やりがいがありますね」
また、キレイキレイは、アジアの生活者の楽しい手洗いの習慣づくりにも貢献するため、アジアの多くの国でも展開されている※11。現地の生活者ニーズを取り入れながら、その地域に合った独自のハンドソープを開発し、清潔・衛生習慣を広めている。
※11 2024年2月現在 中国、韓国、台湾、香港、シンガポール、タイ、マレーシアで販売
「たとえば韓国の生活者は環境配慮への意識が高いため、より環境負荷の低い製品開発を意識し、パッケージなどでも環境配慮が伝わるよう工夫しています。その地域の特徴を考慮することで、若年層からファミリー層まで幅広く受け入れられ、韓国でもハンドソープのシェアNO.1※12を3年連続で獲得しています」
※12 2021年1月~2023年12月販売金額 Nielsen Korea Company Market Track Service (the Korean Hand Wash Category)
キレイキレイが誕生してから27年。世界中に「家族の衛生・清潔習慣を広げたい」という想いは着々と実現されつつある。
「新型コロナウイルス感染症の流行で、手を洗う行動は浸透しました。一方で、水だけで手洗いするのではなく、“ハンドソープを使って”手洗いをする大切さはまだまだ伝わっていないと感じています。ハンドソープでの手洗いをより前向きな習慣に変えていくことで、家族の幸せな毎日に貢献していきたいですね」
・製品、内容、所属は取材当時のものです(2024年2月取材)
- 開発担当 堀越研究員
- 入社以来、ビューティケア製品の開発を担当。