製品紹介
ライオン台所用洗剤※2史上最強の洗浄力※3の 『CHARMY Magica 酵素+』
独自の酵素高濃度処方により、食べ物汚れに多く存在するでんぷん・タンパク質も分解し、手ごわいこびりつき汚れをラクに落とすことができる※4。また、独自のナノ洗浄メカニズムで、手ごわい油汚れをナノレベルまで分解、汚れをサラサラと落とすことができる製品。
※2 手洗い用
※3 カレーなどの複合汚れ(でんぷん・タンパク質・脂質からなる)に対して
※4 つけおきによる
INDEX
ゴシゴシこすらない食器洗いで家事をラクにする
『CHARMY Magica』が誕生する前、ライオンは、生活者への家事負担軽減に繋がる新たな習慣の提案に向けたアンケートを実施した。その結果、「食器洗い」は毎日行う家事の中で最も嫌いな家事のトップとして挙げられたが※5、食器の洗い上がりは「普段通りに洗っていれば、ほぼ100点」と約8割が回答し※6、仕上がりには満足していることがわかった。
仕上がりには満足しながらも食器洗いが嫌われる理由は何か。その答えは食器洗いのプロセス中にあると考え、さらに詳細な調査を行った。その結果、「食器洗い時の油汚れなどのベタつき」が、食器洗いを負担に感じる理由であることが明らかとなった※6。そこで、食器洗いの負担軽減に向けて「油汚れのベタつき」に着目した台所用洗剤の開発に着手した。
※5 2014年10月、当社調べ
※6 2014年10月、当社調べ
CHARMY Magicaシリーズの開発に長年携わっている五十嵐研究員は、『CHARMY Magica』が誕生した経緯を次のように説明する。
「『CHARMY Magica』が開発される前は、しつこい油汚れを浮き上がらせるために、スポンジでこする物理力や時間だけではなく、油汚れによるべたつきや洗剤でヌルついた食器を掴む力も必要になっていました。そんな食器洗い中の負担を軽減するため、当社が開発したのが「ナノ洗浄」の技術です。独自処方の界面活性剤が、素早く油汚れに吸着して包み込み、柔らかく浮き上がらせて、ナノレベルまで分解します。この技術を搭載した食器洗い用洗剤が『CHARMY Magica』です。ヌルつきを押さえ、ベタつく油汚れをサラサラと落とせるため、食器洗いを手早くすることができます」
製品名の「Magica」は、試作品を使用した生活者から「汚れ落ちがまるで魔法のよう(Magical)」という声が寄せられたことをきっかけに生まれた。魔法のような洗剤で食器洗いをもっとラクにしてほしい、という想いが込められている。
使用感にこだわり、食器洗いをとことんラクにする
当時の開発担当者たちは、最終的には汚れが落ちても、食器を洗っているときにヌルつき※7があると、食器がキレイになった感じがせず、食器洗いの負担に繋がるのではないかと考えた。そこで、大学と共同で、食器洗い時の「行動」や「生理・心理状態」を解析した※8。その結果、食器洗い中の「姿勢」や「心理状態」は食器と手指の間に生じる“ヌルつき”の程度に影響されることがわかった。特に、食器を洗っているときにヌルつく台所用洗剤(ヌルつく洗剤)は姿勢が前かがみになりやすく※9、食器洗いの疲労感が大きくなっていた。また、心理状態についても、ヌルつく洗剤を使った場合は、食器洗い後の「活気」の項目が低下すること※10を確認した。つまり、ヌルつかない台所用洗剤を使用することで、食器洗いに対して気持ちがマイナスに変化する程度が少ないことがわかった。
※7 食器を洗っているときに、油汚れと水と台所用洗剤が混ざったものにより生じる、食器と手指の間の滑りやすさのこと
※8 酒巻隼人、野澤昭雄、市川竜太郎、藤村昌平、内藤厚志:製品の特性が生理心理状態及び行動に及ぼす影響の評価, 第10回 日本感性工学会春季大会.
※9 頭や手など10か所を計測ポイントとして、それぞれの部位が3次元でどの位置にあるか、時間ごとに計測した結果(時系列関節座標)
※10 気分尺度(POMS:Profile Of Mood State)による評価結果。POMSは6因子の心理状態を同時に測定可能。低い数値は、活気が失われていることを示す
「従来の洗剤に主に配合されていたアニオン界面活性剤※11は、その性質上、洗浄力は高いのですが洗浄中のヌルつきの原因となります。そこで、Magicaではアニオン界面活性剤とその他の界面活性剤を適度なバランスで配合することで、“高い洗浄力”と“ヌルつかないこと”を両立する組成を実現しました。そのため、Magicaは従来よりも洗っているときのヌルつきがなく油汚れを落としやすい台所用洗剤になっています」(五十嵐研究員)
※11 水中で親水基部分がマイナスイオンに電離する界面活性剤
生活者のニーズに応えて進化する
発売以来、Magicaは生活者のニーズに応える形で次々に進化を遂げた。除菌に対する生活者ニーズを受け、除菌性能を従来品よりも高めることで、従来のスポンジだけではなく、まな板やふきんの除菌※12も可能にした『Magica除菌+』を開発した。
※12 すべての菌を除菌するわけではない
さらに、洗った食器が速く乾く※13『Magica速乾+』も発売した※14。これは、生活者が「食器を洗ってすすぐ」ところまでではなく、「食器を乾かして、しまう」までを食器洗いだと感じており、洗った食器を拭くことにストレスを感じているという生活者の声に応えた製品だ。植物繊維由来成分を独自配合することで、すすいだ後の食器の水がすばやく切れ、食器を手早く片づけられることを実現した。
※13 水切れの速さによるもの
※14 2021年に発売終了
「さらなる生活者の家事の負担軽減に向け、速乾と除菌の機能を併せ持つ『Magica 速乾+カラッと除菌』を新たに世に送り出すことができました。
まな板、スポンジ、ふきんの除菌※12ができるだけでなく、洗った食器が速く乾き※13、カラッと清潔に仕上がる台所用洗剤です」(五十嵐研究員)
Magicaの開発グループに加わって4年目の瀬尾研究員は、進化し続けるMagicaの開発について、次のように話す。
「台所用洗剤なので洗浄力の高さが求められるのは当然ですが、それだけでなく、その洗浄力をどう実感してもらうかを考えて開発をしています。たとえば、洗っている間にヌルつかないことや泡が長く続くこと、洗い流すときには泡がさっと落ちて水切れがよいことなどです。ひとつひとつは小さなことかもしれませんが、食器洗いは毎日行う家事ですから、積み重ねることで日々の家事が少しでもラクになることが大切だと考えています」
独自の技術で酵素を配合し、さらなる快適さを追究する
2019年、“ほったらかし洗い(つけおき)”という新たな習慣の提案により、食器洗いに向かう気持ちをラクにする『Magica酵素+』を発売した。これは、食器洗いの前の汚れがついている食器や鍋に対して食器洗いが面倒だと感じている生活者の声に応えた製品だ。こびりつき汚れのある食器や鍋を『Magica酵素+』を入れた水につけおきすることで、酵素が汚れ※15を細かく分解し、手ごわい汚れも軽くこするだけで簡単に落とすことができる。
※15 でんぷん・タンパク質による汚れ
落ちにくい食器の汚れとして、よく挙げられるのが油、でんぷん、タンパク質の汚れが混ざった「複合汚れ」だ。従来のMagicaの油汚れに対するナノ洗浄の技術だけでは、でんぷんやタンパク質を分解しにくく、これらの汚れは物理的にこすって落とすしかなかった。しかし、酵素を配合すれば、こびりついた汚れに含まれるでんぷんやタンパク質を化学的に分解し、簡単に落とすことができる――そこで、台所用洗剤を加えた水に汚れのついた食器をつけおきすることで、汚れをラクに落とすことができるほったらかし洗いの提案を目指した。
ライオンでは、衣料用洗剤や食洗機用洗剤などで酵素を活用しており、酵素がでんぷん・タンパク質を含む汚れに有効であることはわかっていたが、これらの知見をそのまま使うことはできなかった。酵素を配合した衣料用洗剤や食洗機用洗剤は、泡立ちにくい界面活性剤や成分を配合していた。しかし、台所用洗剤では、泡立ち性能が求められるため、泡立ちの良い界面活性剤を選定する必要があったが、これまでの研究から、泡立ちが良いとされている、アニオン界面活性剤は酵素の安定化には不向きであることがわかっていた。そこで、ナノ洗浄の機能を保ちつつ泡立ちが良いアニオン界面活性剤や、でんぷん・タンパク質に対して優れた性能を持つ酵素を選定し、組成全体のバランスを少しずつ調整しながら、酵素を安定化させる最適な配合バランスを検討することで、『Magica酵素+』を実現した。
「つけおきなら食事の後にすぐに食器洗いをする必要がないため、少しゆっくり過ごすこともできます。また、つけおきした後は、食器をゴシゴシこすらなくてもするりと汚れが落ちるので、食器洗いに向かう面倒な気持ちが軽減されるのではないかと期待して当時開発したと聞いています」(瀬尾研究員)
ライオン史上最強をめざした挑戦
さらなる生活者への調査から、購入時に生活者が重視するのは洗浄力であるが、約7割の人がいまだ十分に満足していないことがわかった※16。特につけおき洗いが習慣化していない生活者は、汚れを長時間ゴシゴシこすって落としている実態も見えてきた※16。そのような状況の中、『Magica酵素+』のさらなる改良を任されたのが、瀬尾研究員らの開発グループである。
※16 2021年、当社調べ
「Magica酵素+の改良に向けた目標を、“つけおきをしない従来の食器洗いでもタンパク質やでんぷんの汚れがスムーズに落ちること”に設定しました。そのために考えられた方法のひとつが酵素の配合量を増やすことでした」(瀬尾研究員)
酵素の配合量を増やすにあたって課題となったのは、従来の『Magica酵素+』の開発時同様に、酵素の安定化だった。従来よりも酵素を多く配合するため、安定化させることがより困難になることが想定された。そこで、瀬尾研究員らは、活性剤から酵素の機能を保護する成分(酵素安定化剤)の配合を試みた。過去の知見などから、酵素安定化剤を配合することで、泡立ちの良い界面活性剤を配合した条件でも、酵素が機能を発揮できると予想していた。しかし、目標とする洗浄力や泡立ちなどの性能を発揮するかは未知であったため、ひとつひとつ試作し、効果を検証していく必要があった。
「毎週チームメンバーと打ち合わせをして、検討結果から考察し、次にどのような実験をしていけばよいかを話し合いながら進めていきました。これまでの社内技術や知見も参考にし、衣料用洗剤を開発しているメンバーにも相談しながら、試行錯誤を繰り返しました。数百種類の配合を試したと思います。」(瀬尾研究員)
瀬尾研究員らは苦労の末、台所用洗剤に求められる泡立ち性能を確保しつつ、酵素を従来品よりも3倍量に増やすことに成功し、さらに洗浄力が高まった『Magica酵素+』の改良新製品を実現した。Magicaシリーズの原点である、油汚れをサラサラ落とすナノ洗浄に加えて、タンパク質とでんぷん汚れも3倍量の酵素の力でつけおきなしでも短時間のうちに分解する本製品は、ライオンの台所用洗剤※17において「史上最強の洗浄力※18」を実現した。
※17 手洗い用
※18 複合汚れ(でんぷん・タンパク質・脂質からなる)に対して
瀬尾研究員にとって、この改良新発売された『Magica酵素+』は、初めて自分が主担当として開発を進めた製品となった。
「自分の開発した製品が店頭に並んでいるところを見てみたい、これが私の入社の動機のひとつでした。実際に売られている製品を見て、ついにこの光景にたどりついたなと大きな達成感がありました。同時に、より多くの生活者に手に取っていただき、実際に使ってみてほしいという想いも強まりました。今後も、家事をラクにする製品を開発し続けることで、生活者が家事に取り組む気持ちをもっと前向きなものにしていきたいです」(瀬尾研究員)
・製品、内容、所属については取材当時のものです(2024年4月取材)
- 開発担当 五十嵐研究員
- 入社以来、台所用洗剤の開発を担当。
- 開発担当 瀬尾研究員
- 入社以来、台所用洗剤の開発を担当。