贈呈式の様子
14年目を迎えた「ライオン美らaction」の環境教育実践校認定証贈呈式が、5月1日(水)に那覇市内の八汐荘にて行われました。
贈呈式には2024年度の環境教育実践校に選ばれた県内の小中学校12校を代表して、南風原町立翔南小学校の砂川 充(スナカワ ミツル)校長、うるま市立津堅小中学校の當銘 剛(トウメ ツヨシ)校長が出席され、認定書と助成金(各校25万円)の目録が贈呈されました。
贈呈式、両学校校長による挨拶に続き、翔南小学校及び津堅小中学校の生徒の皆さんから、昨年度「環境教育実践校」として元気いっぱいに活動内容を報告しました。
認定校一覧
国頭(くにがみ)地区
国頭村立 辺土名小学校
辺士名小学校は、豊かな自然環境の中で地域の自然体験、地域資源を活用したものづくりを通して国頭村の自然について理解を深める取り組みに力を入れました。環境について主体的に関わる意欲、実践力を育むよう各学年教科横断的なカリキュラムを作成し、美らアクションの活動に取り組みました。
学級数:8クラス / 児童生徒数:118名 / 学校長名:佐藤 繁 校長
活動内容と詳細
■国頭村の水環境学習(4年生)
水環境学習の一環でカヌー体験。ネイチャーガイド指導の下、外来種などの生態系などを学習しました。
■赤土等流出防止について(5年生)
NPO法人おきなわグリーンネットワークによる出前講座「赤土等流出防止」について学習、流出原因、流出による海の生態系に与える影響を知り、生徒たち自身で防止のために何が出来るかを専門家サポートの下ディスカッションしました。流出防止のためのグリーンベルトづくりも体験しました。
■ビオトープの動植物の観察(4~6年生)
理科の授業内でビオトープを作りました。きっかけは校内の水辺に生息する微生物観察などを行う中で身近な動植物について関心を持つようになり、更に校外にはどういった生物が生息しているか疑問を解決するためです。6年生が主体となり4年生と5年生も活動に参加しました。
■地域環境美化活動(2年生)
生徒自身が主体となり、地元の辺士名のクリーン活動を実施しました。想像以上のゴミがいたるところに落ちていることを知り、何が出来るかを学級内でのディスカッションを経て地元の町をきれいにする活動を開始しました。活動過程でゴミの種類を知ることができ、またどこから来たゴミなのか疑問を持ち、それに対して自主的に学習をするなど、実りの多い活動となりました。
名護市立 屋部中学校
屋部中学校は、校舎裏に東シナ海が広がる自然豊かな環境にあります。校内美化の取り組み、特別支援教育、キャリア教育、総合的な学習の時間などを通して生徒自身の身近に環境教育があることで、主体的で実践的な学びが展開されています。外部の力も効果的に活用し、環境活動に取り組みました。
学級数:11クラス、6クラス(特) / 児童生徒数:360名 / 学校長名:仲田 欣五 校長
活動内容と詳細
■環境ポスター作成・掲示
美化委員が主体となり、学校全体で環境問題に意識を持つことを目的に、各学期に生徒に対して環境問題についてアンケートを実施、集計結果をポスターにして校内に掲示しました。全校生徒の目に留まりやすい場所を活用した様々な環境問題について、YouTube配信も行いました。
■マイクロプラスチックについて
国際海洋環境情報センター(GODAC)の方を招聘し「海洋ゴミ問題について」という内容を受講しました。近隣にある砂を集めてマイクロプラスチックが含まれていないか調べる活動を行いました。この活動を通して実際にマイクロプラスチックが発見されたことで問題意識が高まりました。生徒自身が問題解決に向けて出来ることは何かを考えるきっかけになりました。
■海岸清掃
海岸に漂着した流木を再利用できないかと考え調べていくうちに、流木を使ったペンを作っている方を知り、特別支援生徒と一緒に学習し、My鉛筆を作成しました。
また、普段の生活で使っている製品や他国の文字が書かれたペットボトルなどのゴミが多く、生徒自身で環境問題について考えるきっかけになりました。
中頭(なかがみ)地区
西原町立 西原南小学校
西原南小学校は、学校全体での環境教育活動やPTAの美化活動、地域ボランティアによる校内緑化活動など、学校・PTA・地域が相互に連携しながら活動に取り組みました。また総合的な学習の時間では5年生が他教科や特別活動と関連付けた環境学習も行っており、日常的に環境に考える機会が多く、生徒自身が主体的に活動しました。
学級数:18クラス / 児童生徒数:328名 / 学校長名:榮野川 活 校長
活動内容と詳細
■「海と日本プロジェクト」環境学習(5年生)
総合的な学習の時間に「日本財団 海と日本プロジェクト」鹿谷氏による沖縄の海岸や海のゴミ問題について受講しました。生徒からは、ゴミ拾いボランティアへの参加やゴミを見つけたらすぐに捨てるといった身近に出来ることをやっていきたいといった感想が聞かれました。ビーチクリーン活動を通して、ゴミの出し方について考える機会になりました。
■地域ボランティア、PTAと連携した清掃活動
校庭や学校周辺歩道の清掃活動(主に3-6年生が活動)、給食委員が主体となって各学級から回収した牛乳パックのリサイクルなど、生徒自身が過ごしやすい学校生活が送れるように活動しました。PTA主催の美化活動では、休日の午前中を使って地域ボランティアの方にも協力いただき活動しました。
うるま市立 津堅小中学校
津堅小中学校は、SDGsの視点をもった学習カリキュラムが組まれ、津堅島の自然、島の環境や産業について年間を通した体験活動などに取り組んでおり、うるま市環境課と連携した学習「津堅島のごみ処理について学ぼう」といったテーマで活動に取り組みました。一連の活動が認められ、公益財団法人修養団から第19回SYDボランティア奨励賞の特別賞を受賞しました。
学級数:4クラス / 児童生徒数:11名 / 学校長名:當銘 剛 校長
活動内容と詳細
■マイクロプラスチック調査
島の漂着ゴミの実態を知る目的で月1回のマイクロプラスチック調査を実施しました。採取した砂から自然物と人工物に分類、これらの作業を継続的に実施・記録しました。調査結果をもとに海岸清掃する場所を検証する材料となり、効率的且つ生徒自身が意欲的に取り組むことが出来ました。前年度も協力いただいたビティ島応援会(郷友会)も清掃活動に参加したことで、地域も巻き込んだ活動が徐々に根付き、より豊かな自然環境を保全しようという意識が芽生えました。また、一連の活動が認められ、公益財団法人修養団からSYDボランティア奨励賞の特別賞を受賞しました。授賞式では取り組んできた活動報告もすることが出来、生徒たちにとっては貴重な経験の場となりました。
■ビーチクリーン活動
マイクロプラスチック調査と並行して海岸の清掃活動を実施しました。海外から漂着したペットボトルをはじめ、ガラスなどの危険物や悪臭漂うゴミも数多く集まりました。なぜこんなに多くのゴミがあるのか疑問を持ち、考えるきっかけとなりました。
■「水」についての学習
うるま市水道局職員による講和で、生活排水がどこに流れるのかを処理施設見学も通して学習しました。生活排水を処理する過程を見学することが出来、強烈な悪臭、徐々に排水が綺麗に変わる様子は、新しい発見とともに処理施設の重要性を知る機会となりました。
那覇(なは)地区
那覇市立 天久小学校
天久小学校は、那覇市環境教育推進校として、令和3年度優秀校、令和4年度最優秀校として受賞しました。都心に位置しながらも自然環境に親しむ場を作り、身近に環境問題を意識して活動に取り組みました。
学級数:24クラス / 児童生徒数:743名 / 学校長名 松永 智昭 校長
活動内容と詳細
■花いっぱい運動
例年活動している花の手入れや草刈りを更にパワーアップして、効率化と充実を目標に活動しました。天久小学校は、都心に位置している特性上、住宅街に校庭の砂が飛散しないように運動場に芝が敷かれており、敷地も広いため日常の管理が大変でしたが、外部人材も活用し整備しました。夏前には豪雨の影響で、植栽したひまわりが生育しなかったものの、めげずに1人1鉢運動を積極的に行いました。
■ゴーヤグリーンカーテンの作成
学校にある資源を有効活用し、使用済の土嚢袋に土を入れ苗から育てました。グリーンカーテンが完成したことで日陰が出来、涼しい風が通る様になりました。
久米島町立 久米島西中学校
久米島西中学校は、学校、家庭、地域が連携した環境教育活動を推進しています。これまで積み重ねてきた環境教育実践をより深めた内容で、SDGsを意識した活動に取り組みました。
学級数:5クラス / 児童生徒数:119名 / 学校長名:金城 淳 校長
活動内容と詳細
■ビーチクリーン
1年生が主体となって鳥島海岸清掃活動を行いました。海外から漂着したゴミを含めて数多くのゴミが集まりました。この事実を自覚してゴミ問題を考えるきっかけになりました。2年生によるミーフガー海岸清掃でも同様の意識が芽生えたのに合わせて、貴重な植物や生物がいることも分かりました。
■校内美化活動
部活動を中心に校内清掃を実施しました。ほぼ毎日習慣化させることで、日々の美化意識も向上しました。PTAとも連携して、校内に留まらず学校周辺にまで活動を広げました。また、土づくりから行った「花いっぱいの学校」を実施、全校生徒が苗から育て、咲いた花を卒業式で装飾しました。
島尻(しまじり)地区
南風原町立 翔南小学校
翔南小学校は、令和5年度において自然環境や生活環境、未来志向型の環境保全活動に関する様々な取り組みを行ってきました。これまで活動した「土壌改良」「伐採した木を活用した防災活動」といった継続的な取り組みを通して、生徒の環境に関する意識の向上、人間力を育てる教育に重きを置いて活動しました。
学級数:23クラス/児童生徒数:557人/学校長名:砂川 充 校長
活動内容と詳細
■堆肥、腐葉土づくり
前年からの継続で、肥料から土を作り、校内の花いっぱい活動や野菜作りに使うことが出来ました。草花、野菜を育てる上で必要な土壌づくりを行うための小屋を設置し、より充実した取り組みが出来ました。
■ありがとう集会
この活動も昨年に続き、翔南小学校の学習などでお世話になっている地域に方に向けて、ありがとう集会を開催しました。児童集会委員と栽培委員が主体となり、花の苗をプレゼントするために活動しました。活動の過程で種の色の違いなど新しい発見がありました。
■学校の環境美化
全校児童が一人一鉢の活動に取り組みました。また3年生は、理科の学習でモンシロチョウの卵の観察で使用するキャベツの苗植えを実施しました。生徒の理科の学習に対する興味が高まりました。
糸満市立 潮平中学校
潮平中学校は、前年度の取組を土台にして、生徒・教師・PTAが一体となり校内外の緑化活動に取り組んでいます。SDGs視点で生徒会の各種活動、PTA活動を通して環境問題に向き合いました。
学級数:13クラス / 児童生徒数:298名 / 学校長名:玉寄 兼明 校長
活動内容と詳細
■学校の環境整備
整備委員会が主体となり、1年生~3年生各学年が校内の環境整備を行いました。2年生と3年生は草刈り機を使用、1年生は剪定ばさみなどの道具を使って除草しました。刈った草は、一部腐葉土用に保管しました。雑草の生えるスピード、量などを考慮し、重曹を使った除草にチャレンジするも、効果が短く(約1か月程度)、学校ではやや不向きだということが分かりました。環境整備は害虫対策にもなることから、校長のディレクションも含めて力を入れて取り組みました。
■ガーデンテーブル作成
生徒玄関前にガーデンテーブルを作製しました。机上に「ライオン美らaction」ポスター、SDGsのチラシを貼り、校内で「ライオン美らaction」の周知や環境活動に関しての意識向上を目指しました。
※「ライオン美らaction」を通して、樹木の伐採、花の植え付けで学校全体が明るくなり、機械を使用した環境整備、残土や除草の再利用などの活動は生徒の意識向上につながりました。
宮古(みやこ)地区
宮古島市立 下地小学校
下地地区には、与那覇湾奥にそそぐ湧水崎田川、川満のマングローブ、ラムサール条約に登録されている与那覇湾など多くの自然が存在します。下地小学校は、そのような豊かな環境のもとで「地域に誇りを持つ児童の育成」を掲げ、活動に取り組みました。
学級数:14クラス / 児童生徒数:211名 / 学校長名:下地 美和子 校長
活動内容と詳細
■ベチバー植え
赤土等流出防止を目的とし、ベチバー植えを体験しました。宮古で唯一の干潟「与那覇湾」や綺麗な海を未来に残していくためにも、大事な取り組みであることを知る機会となりました。
■マングローブ見学
与那覇湾でマングローブに生息する生き物を見学しました。学習を通して熱帯森林の伐採は、二酸化炭素をめぐる地球温暖化問題の点でも大切であると気づきました。
■宮古馬見学
宮古の産業を支えた宮古馬が、絶滅危惧種であることを知り、大切に育てていくことの重要性を知りました。
宮古島市立 城東中学校
城東中学校は、教育目標に「自らに誇りを持ち確かな知性で未来を切り拓く生徒」と設定し、環境教育で育成すべき資質能力を明確に示し、日々の教育活動を展開しています。環境問題について、生徒自身が主体となり向き合う活動を年間通して取り組みました。前年に続きSDGsの取り組み、学校が一体となった未来志向型の環境保全に関する活動を行いました。
学級数:5クラス / 児童生徒数:117名 / 学校長名:垣花 秀明 校長
活動内容と詳細
■浄水場見学
宮古島の飲み水を管理する浄水場を見学しました。夏の時期は1日5,000トンもの水が使用されることを知り、大切な資源を無駄遣いしないといったことを感じました。また、宮古は地下水をくみ上げて飲み水にしていることもわかり、生徒たちにとって新しい発見となりました。
■クリーンセンター施設見学
宮古島のゴミについて理解を深めました。課題解決に向けて何が出来るかを考えるきっかけとなり、地域の環境問題に対する意識を高めることが出来ました。
八重山(やえやま)地区
石垣市立 大本小学校
大本小学校は、これまで活動してきた野鳥観察学習を継続し、季節ごとに校外での観察を取り入れました。また生徒自身がテーマに沿った研究報告の作成と発表会での報告に加え、野鳥保全活動にも力を入れました。学校だけでなく地域人材も活用して、「ライオン美らaction」に取り組みました。
学級数:2クラス / 児童生徒数:4名 / 学校長名:興世山 操 校長
活動内容と詳細
■野鳥観察
約30年間継続している野鳥観察では、野鳥保護の観点からどのように野鳥の住みやすい環境をつくることができるかなどを考えてきました。研究テーマに合わせて観察、また図鑑で調べ、講師から話を聞くなど意欲的に活動しました。今年度、観察することができた珍しい鳥はカンムリワシやその幼鳥、ミサゴやカワセミなどです。
■野鳥を守る活動
公道を走る自動車へ安全運転を心がけてもらう看板づくりを行いました。運転手が見えやすい工夫もし、生徒自身が思いを込めて活動に取り組みました。
■野菜栽培、花植え活動
地域の農家に、土づくりから栽培まで教わり積極的に活動しました。採れた野菜は実際に販売まで行いました。
■木育教室
大本小学校周辺には様々な樹木があり、木の様子を観察、種類についても学習しました。また、活動の中では木のスプーンを作る体験もしました。
石垣市立 川平中学校
川平中学校は、環境学習の一環として、総合的な学習の時間で生徒が主体となり地域のゴミを減らす取り組みを積極的に行っています。地域の実態調査、住民の意識調査、地域への啓発活動や行政への成果報告など地域のことを考えた活動です。川平地域は多くの観光客が訪れるエリアでもあり、ゴミ問題だけでなく海洋教育も含めて石垣島の環境を守ることを考え、活動しました。
学級数:5クラス / 児童生徒数:27名 / 学校長名:比嘉 正樹 校長
活動内容と詳細
■最終処分場見学
市のゴミ処理について問題把握するため、石垣市一般廃棄物最終処分場を見学しました。プラスチックゴミは汚れているとリサイクルに回せないため洗って捨てることが必要、処理上での膨大なゴミの分別は手作業で丁寧に行っているがリソースが少ない状況、リサイクルは相応のコストが発生している、年々ゴミが増え続け、埋立地が予定より早く満杯になりそう、といったことを学びました。問題点解決に向け、リサイクルできるゴミは汚れを落として正しく分別して処分することの徹底、普段の生活でなるべくゴミがでない工夫をする、といった意見が生徒から多く出ました。一連の活動に関して地域にもプレゼンを行いました。
■ビーチクリーン活動
ポイ捨てゴミ含めて継続的にクリーン活動を実施しました。酒の空き缶、生活ごみが藪の中に捨ててあるなど実態が明らかになりました。外国から漂流したプラスチックゴミも多く見られました。沖縄県地域環境センターより講師を招き、プラスチックゴミについて出前授業を受講しました。生徒たちがクリーン活動を通して知った実態と講義も踏まえ、問題点の整理に着手しました。
■名蔵アンパルの自然を守る会
講師を招き名蔵アンパル(干潟およびマングローブ林)に住む生き物について学びました。生物は生息する場所に適応するために進化していること、環境破壊によって絶滅した生物のことを知り、環境保全の大切さを改めて実感しました。