閉じる

View English version

環境とともにTNFD提言に基づく情報開示

ライオングループのTNFDへの対応(概要版)

ライオングループは生物多様性方針に基づき、TNFD提言のフレームワークに則り、当社グループの自然への依存、影響、自然関連のリスク、機会を分析しました。その結果をまとめた自然関連財務情報を開示します(本ページは概要版。全体版はこちら(1.55MB) )。優先的な分析対象は、次の通りです。

  • 事業:オーラルヘルスケア事業、ファブリックケア事業(以下、あわせて「重要事業」という)のバリューチェーン全体
  • 優先地域:ミント油、パーム油の調達先(米国、インドネシア、マレーシア)
  • 期間:2030年まで及びそれ以降

TNFD推奨の開示項目に関する取り組み状況

TNFD推奨の
自然関連開示項目
ライオングループの取り組み状況
ガバナンス 自然関連の依存、影響、リスク、機会に対する組織のガバナンス
  • 自然関連リスク・機会は、サステナビリティ推進協議会傘下のE分科会より、同協議会(年2回開催)に報告され、必要に応じ、経営執行会議・執行役員会・取締役会にも報告される体制となっています。
    詳しくはこちら
戦略 自然関連の依存、影響、リスク、機会が、組織の事業、戦略、財務計画に与える実際及び潜在的な影響
  • TNFD提言に基づき、生物多様性への依存・影響が高い分野において、LEAPアプローチを用いて優先地域を特定し、リスクと機会の分析を行いました。また、戦略のレジリエンスを評価するために、重要事業についてシナリオ分析を実施しました。
リスク管理 組織が、自然関連の依存、影響、リスク、機会を特定し、評価し、優先順位をつけて監視するためのプロセス
  • 事業に大きな影響を及ぼす自然関連のリスクと対応策に関しては、全社共通で管理する「共通リスク」に位置付けて、その取りまとめを行うE分科会と経営企画部が連携して、識別・評価・管理を実施しています。
指標と目標 自然関連の依存、影響、リスク、機会を評価し、管理するために使用される測定指標とターゲット
  • サステナビリティ重要課題と2030年目標を設定し、責任あるサプライチェーンマネジメントの構築、人権の尊重、サステナブルな地球環境への取り組み推進に関する目標を掲げています。

自然への依存と影響

重要事業である各事業のバリューチェーン上流、直接操業、下流における自然への依存と影響の度合いを、定性的・相対的に評価した結果を以下のヒートマップに示しています。(濃い緑:依存度高い⇔薄い緑:依存度低い、濃い青=影響度高い⇔薄い青=影響度低い)
両事業ともに、上流で依存度、影響度が高くなっています。その理由は次の通りです。

  • オーラルヘルスケア事業:ミントの栽培には、大量の水の供給・水の供給を支える気候調整、育成に必要な健全な土壌の提供等で依存しています。水使用による周辺生態系への影響もあります。
  • ファブリックケア事業:パーム油の原料となるアブラヤシの育成及び安定的な収穫のため、安定した気候や健全な土壌に依存しています。また、プランテーションによる土地利用変化(森林や泥炭地の破壊)が、野生動植物に大きな影響を与え、温室効果ガスの排出や大気汚染(ヘイズ)にもつながっています。

シナリオ分析結果まとめ

重要事業について、2030年を想定し、TNFDが推奨している「生態系サービスの劣化度」と「世の中の自然に対する関心・優先度の一貫性」の2軸を掛け合わせてできる4つの象限のうち、第2象限及び第3象限に絞ってシナリオ分析を実施しました。(WWF によれば、直近半世紀で70%以上の生物多様性が減少したことなどから、今後も生態系サービスの劣化が深刻化するシナリオが当社グループにとって優先度が高いと考えています)
分析は、調達や技術開発の担当者も含めたワークショップ形式で行い、事業環境の変化、そこから生じるリスクと機会、それらに対して取るべきアクションについて把握しました。シナリオ分析の結果概要は以下の通りです。(第3象限シナリオが現状に近いものと認識し、上段に記載しています)

figure

第2象限:生物多様性の激しい劣化に対し、 社会全体(国内外の政府・生活者)で、生物多様性保全の必要性が共通認識になっている。
第3象限:生物多様性が激しく劣化するも、生物多様性保全に対する考え方やルールは、国・地域、個人によって大きく異なる。

オーラルヘルスケア事業

ファブリックケア事業

Share