ライオングループは、事業活動を通じて引き起こす、または助長する、あるいは製品やサービスと直接結びつく人権への負の影響を特定、防止・軽減し、どのように対処するかということに責任を持つために、部所横断的組織である人権に係る検討会を主体として、自社従業員、派遣社員、ビジネスパートナー、サプライヤー、コミュニティ、消費者・生活者、人権に関連する外部有識者や団体等自社の事業に関わるステークホルダーとの対話を行いながら、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、以下のプロセスで人権デューディリジェンス*を推進しています。
当社グループの事業活動や社会情勢、人権を取り巻く環境の変化に伴い、人権リスクが変わりうることを認識し、人権に対する影響評価を含めた人権デューディリジェンスのPDCAを実践しながら、取り組みの高度化を図っています。
* 企業が人権を侵害するのを避け、侵害による被害者を救済するためにとるべき手段のこと
当社グループは、日用品の開発、製造、販売を主な事業としています。日用品の中でも、特に衣類用洗剤等、洗浄に関わる製品を多く扱っています。これらの洗浄成分である界面活性剤は、植物原料であるパーム油・パーム核油の誘導体を素原料として使用しています。不適切な農園経営による、健康や安全への配慮が乏しい劣悪な労働環境や、低賃金、移民労働者の不当な扱い、児童労働等、社会的公正を欠くさまざまな人権・労働問題があることを、人権に関する国際的な組織やSedexが提供するデータ等から人権リスクに特定しています。
また、日用品の個装及び移送のための段ボール等には包装材料として多くの紙・パルプを使用しており、不十分な森林管理等に起因する環境に関連する人権リスクが想定されます。
製造プロセスにおいては、多くの原材料メーカーや生産委託先の協力を得ています。人権を含めた持続的な調達に関する取り組みが十分ではないサプライヤーとの取引による人権リスクが顕在化した場合には、製品供給や当社グループのレピュテーションリスクにつながる可能性があります。
また、企画、調達、研究、生産、販売、管理等、自社のバリューチェーンでも従業員や派遣社員、ビジネスパートナー等の過重・長時間労働や、人種や性別による差別やハラスメントの人権リスクを引き起こす、または助長することも起こり得ます。製品販売だけでなくサービス等へ事業を拡張する際には、生活者・消費者との接点が拡大することから、個人情報の管理等プライバシーの権利に対してより一層の注意を払う必要があります*。
* 「国際労働組合総連合(ITUC)Global Rights Index」等を参照
当社グループが事業展開している国や地域におけるバリューチェーン上で起こりうる顕在的・潜在的な人権リスクをより明確にするために「国際人権章典」「国連グローバル・コンパクトの10原則」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」「子どもの権利とビジネス原則」をはじめとする人権に関する国際的な規範から、当社グループの事業活動で想定される人権課題を25項目抽出しました。
人権課題の抽出にあたっては、ビジネスと人権を取り巻く社会的な情勢や国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、日本経済団体連合会が策定した人権に関するガイドライン及び外部有識者からの助言を参考にしています。
| 強制労働 | 労働組合を組織する権利・参加する権利 | 母性及び児童の保護 | 適正な報酬・生活賃金の支払い | プライバシーの権利 |
| 住居及び移転の自由 | 同一労働同一賃金 | ハラスメント | 労働の自由・雇用保険 | 地域住民の生活に及ぼす影響 |
| 児童労働 | 採用における差別 | 思想・宗教の自由 | 安全かつ健康的な作業条件を享受する権利 | 水資源へのアクセス |
| 教育を受ける権利 | 雇用条件・待遇における差別 | 過重労働・長時間労働 | 生活水準及び健康の教授に関する権利 | 環境マネジメント |
| 若年労働者の権利 | 機会・評価における差別 | 休息・余暇を持つ権利 | 社会保障を受け取る権利 | 消費者の安全と健康 |
抽出した当社グループの事業活動で想定される人権課題について、ステークホルダーである自社従業員、派遣社員、請負を含むビジネスパートナー、サプライヤー、先住民を含むコミュニティ、消費者・生活者における顕在的・潜在的な影響評価を毎年実施しています。
「国連指導原則報告フレームワーク」等の人権に関するガイドラインを参考に、人権侵害の規模、人権侵害が及ぼす範囲、発生可能性及び救済可能性を評価項目としています。人権に対する影響評価に際しては、各ステークホルダーの人権課題に紐づく部門の責任者が「人権課題チェックシート」にて行った結果を基にリスクマップを作成し、人権に係る検討会で事業や社会の変化、外部有識者を含めたステークホルダーの意見等から総合的に判断し、自社にとっての優先課題(顕著な人権課題)を特定しています。
人権に対する影響評価により特定した自社にとっての優先課題(顕著な人権課題)に対しては、各人権課題への負の影響を防止・軽減、または是正するために以下を実施しています。
| 自社にとっての優先課題 (顕著な人権課題) |
自社にとっての優先課題に対する負の防止・軽減策 | 2025年進捗状況 |
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| サプライヤーにおける強制労働、児童労働、若年労働者の権利、過重労働・長時間労働、安全かつ健康的な作業条件を享受する権利、住居及び移転の自由、教育を受ける権利、労働の自由・雇用保障 | 特に人権リスクが懸念されるパーム油・パーム核油、紙・パルプについてはRSPO、FSC認証品等第三者認証を受けた原材料の調達を促進しています。 |
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| 「ライオングループサプライヤーCSRガイドライン」セルフチェック及びSedexを活用し、サプライヤーにおけるリスクアセスメント実施を促進しています。 |
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| 「ライオングループサプライヤーCSRガイドライン」に関する覚書に「ライオン人権方針」、「国際人権章典」、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を追加し、サプライヤーにおいても人権方針が支持・尊重するように求めています。 |
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| サプライヤー周辺のコミュニティにおける水資源へのアクセス、地域住民の生活に及ぼす影響、環境マネジメント | サプライヤー周辺の近隣住民を含めたコミュニティにおける水資源へのアクセス等の負の影響を防止・軽減、是正するために、「ライオングループCSRガイドライン」セルフチェックに環境マネジメントに関する質問事項にてコミュニティに対する具体的な取り組み状況を把握しています。 |
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| ビジネスパートナーにおける過重労働・長時間労働、ハラスメント | ビジネスパートナーにおける過重労働・長時間労働等の負の影響を引き起こす、助長する、直接結びつくことを防止・軽減、是正するために、自社従業員に対してe-ラーニングや研修を通して「ライオン企業行動憲章」「ライオン人権方針」の浸透・定着を図るとともに、「コンプライアンス意識調査アンケート」にて当該課題の自社従業員の理解や業務での行動評価を定量的に把握しています。 |
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| 消費者・生活者におけるプライバシーの権利 | 消費者・生活者のプライバシーの権利として個人情報の漏洩リスクを防止・軽減するために、「個人情報保護法」に準拠した「個人情報管理規程」及び「情報取扱に関する基本方針」「情報管理規程」「情報セキュリティ規程」等の方針・規程類を整備し、個人情報保護と情報セキュリティの徹底を図っています。また、自社の従業員への教育として、情報セキュリティ、情報管理体制に関するe-ラーニングを毎年実施するとともに、海外関係会社においても法令に基づき個人情報保護等、情報セキュリティ対策の推進を強化しています。 |
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当社グループは、人権を含む企業倫理に反する問題に適切に対応するため、苦情処理メカニズムとして、社内外の通報制度「AL(オールライオン)心のホットライン」を設置しています。
本システムでは、通報者として自社従業員だけではなくビジネスパートナー等社外ステークホルダーも含んでおり、通報者、被通報者のプライバシーは保護され、調査内容の秘密の厳守が保証されます。また、すべての案件は匿名の通報等を除き、すべての通報者へフィードバックを行っています。
2025年は「AL(オールライオン)心のホットライン」にハラスメントを含む人権に関する通報がありましたが、重篤性が高いと判断される事案はなく、適切に対応しています。
本制度の仕組み、相談・通報内容等の詳細は当社ホームページの下記よりご参照いただけます。
社内外通報制度「AL心のホットライン」の設置それぞれの負の影響の防止・軽減策は質的または量的な指標を設定し、人権に係る検討会で年2回モニタリングしています。
人権の取り組み状況等については、随時自社ホームページ等で開示しています。
当社は、「ライオン企業行動憲章」「ライオン人権方針」の浸透と定着を図るため毎年国内の全従業員(パート社員を含む)を対象にe-ラーニングを通した人権についての研修を行っています。
また、毎年国内全従業員(パート社員を含む)を対象に「コンプライアンス意識調査アンケート」を行い、人権を含むコンプライアンスに関する意識や業務における行動について定量的・定性的に把握するとともに、結果を部門毎にフィードバックすることで、従業員の意識向上やより良い環境づくりにつなげています。
また、人権デューディリジェンスを推進するにあたり、取締役・監査役・執行役員、人権に係る所管部門の責任者等と外部有識者を含め、ビジネスと人権についての勉強会及び意見交換を行い、経営層の理解を深めています。
「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」においてはヒューマンライツ・デューデリジェンス分科会のワークショップやサプライチェーン分科会の啓発ツール制作のワーキングループ等、外部イニシアチブにも参画し、人権を取り巻く社会情勢の理解や啓発を図っています。「日本化粧品工業会」においては、「サステナビリティ指針」の策定や、「バリューチェーンにおける人権・労働リスク対応の手引き」の制作に参画しています。企業における人権を含めた社会の持続可能な発展への取り組み実現に積極的に働きかけています。
サステナビリティ重要課題について事業を展開する国や地域で配慮すべき事項を外部有識者と抽出した「サステナビリティ状況共有シート」を活用し、海外グループ会社に人権に対する影響評価で特定された自社にとっての優先課題に関する事項を含めたヒアリングを行い、防止・軽減、是正策や対応状況を把握するとともに、進捗をモニタリングしています。
海外グループ会社と取引のあるサプライヤーについては、人権・労働を含めた当社グループの調達方針に関わる事項について「ライオングループサプライヤーCSRガイドライン」セルフチェック及びSedexを活用し、サプライヤーによる影響評価を実施しています。