閉じる

View English version

人権の尊重 人権デューディリジェンスの推進

人権デューディリジェンス

ライオングループは、事業活動を通じて引き起こす、または助長する、あるいは製品やサービスと直接結びつく人権への負の影響を特定、防止・軽減し、どのように対処するかということに責任を持つために、部所横断的組織である人権に係る検討会を主体として、自社従業員、派遣社員、ビジネスパートナー、サプライヤー、コミュニティ、消費者・生活者、人権に関連する外部有識者や団体等自社の事業に関わるステークホルダーとの対話を行いながら、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、以下のプロセスで人権デューディリジェンスを推進しています。

当社グループの事業活動や社会情勢、人権の状況等の変化に伴い、人権リスクが変わりうることを認識し、人権に対する影響評価を含めた人権デューディリジェンスの各プロセスを継続的に実施することで、取り組みの高度化を図っています。

figure
人権デューディリジェンス全体像

企業が人権を侵害するのを避け、侵害による被害者を救済するためにとるべき手段のこと

人権に対する影響評価

当社グループの事業活動で想定される人権リスクの概要

当社グループは、日用品の開発、製造、販売を主な事業としています。日用品の中でも、特に衣類用洗剤等、洗浄に関わる製品を多く扱っています。これらの洗浄成分である界面活性剤は、植物原料であるパーム油・パーム核油の誘導体を素原料として使用しています。パーム油・パーム核油は、マレーシア、インドネシアが主要な生産地であり、国や地域、品目として人権リスクが相対的に高く、人権を含めた持続的な調達に関して問題をはらんでいることを人権に関する国際的な組織やSedexが提供するデータ等から特定しています。

具体的には、パーム農園の労働者等脆弱な立場に置かれ得るステークホルダーに対する過重労働、児童労働、違法伐採(焼き畑)による煤煙被害等の人権リスクが想定されます。 日用品の個装及び移送のための段ボール等には包装材料として多くの紙・パルプを使用しており、不十分な森林管理等に起因する環境に関連する人権リスクが想定されます。また、パーム油・パーム核油や紙・パルプ以外にも、製造プロセスにおいては、原材料調達等で多くの原材料メーカーや生産委託先の協力を得ています。人権を含めた持続的な調達に関する取り組みが十分ではないサプライヤーとの取引を要因として、調達における人権リスクが顕在化した場合には、製品供給や当社グループのレピュテーション等への影響に関する事業リスクにつながる可能性があります。

また、日用品の企画・製造・販売においては、企画、調達、研究、生産、販売、管理等、バリューチェーン上に自社従業員や派遣社員、ビジネスパートナー等ステークホルダー間に国内外で多くの接点が存在しているために、人種や性別による差別やハラスメント、過重・長時間労働等の人権リスクを引き起こす、または助長することも起こり得ます。事業構造の変化により生活者・消費者との接点を拡大する際は、個人情報の管理等プライバシーの権利に対してより一層の注意を払う必要があります

「国際労働組合総連合(ITUC)Global Rights Index」等を参照

当社グループの事業活動で想定される人権課題の抽出

当社グループが事業展開している国や地域におけるバリューチェーン上で起こりうる顕在的・潜在的な人権リスクをより明確にするために「国際人権章典」「国連グローバル・コンパクトの10原則」「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」「子どもの権利とビジネス原則」をはじめとする人権に関する国際的な規範から、当社グループの事業活動で想定される人権課題を以下の通り抽出しました。
人権課題の抽出にあたっては、ビジネスと人権を取り巻く社会的な情勢や国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP)、日本経済団体連合会が策定した人権に関するガイドライン及び外部有識者からの助言を参考にしています。

抽出した人権課題
強制労働 住居及び移転の自由 児童労働 教育を受ける権利 若年労働者の権利 労働組合を組織する権利・参加する権利 同一労働同一賃金 採用における差別 雇用条件・待遇における差別 機会・評価における差別 母性及び児童の保護 ハラスメント 思想・宗教の自由 過重労働・長時間労働 休息・余暇を持つ権利 適正な報酬・生活賃金の支払い 労働の自由・雇用保険 安全かつ健康的な作業条件を享受する権利 生活水準及び健康の教授に関する権利 社会保障を受け取る権利 プライバシーの権利 地域住民の生活に及ぼす影響 水資源へのアクセス 環境マネジメント 消費者の安全と健康

人権に対する影響評価と自社にとっての優先課題(顕著な人権課題)の特定

抽出した当社グループの事業活動で想定される人権課題について、ステークホルダーである自社従業員、派遣社員、請負を含むビジネスパートナー、サプライヤー、先住民を含むコミュニティ、消費者・生活者における顕在的・潜在的な影響評価を実施しました。

「国連指導原則報告フレームワーク」等の人権に関するガイドラインを参考に、人権侵害の規模、人権侵害が及ぼす範囲、発生可能性及び救済可能性を評価項目としています。人権に対する影響評価に際しては、各ステークホルダーの人権課題に紐づく部門の責任者が「人権課題チェックシート」にて行った結果を基にリスクマップを作成し、人権に係る検討会で事業や社会の変化、外部有識者を含めたステークホルダーの意見等から総合的に判断し、自社にとっての優先課題(顕著な人権課題)を特定しています。

防止・軽減、是正策の実施

人権に対する影響評価により特定した自社にとっての優先課題(顕著な人権課題)に対しては、各人権課題への負の影響を防止・軽減、または是正するために以下を実施しています。

自社にとっての優先課題
(顕著な人権課題)
自社にとっての優先課題に対する負の防止・軽減策と進捗状況
サプライヤーにおける強制労働、児童労働、若年労働者の権利、過重労働・長時間労働、安全かつ健康的な作業条件を享受する権利、住居及び移転の自由、教育を受ける権利、労働の自由・雇用保障
  • 特に人権リスクが懸念されるパーム油・パーム核油、紙・パルプについてはRSPO、FSC認証品等第三者認証を受けた原材料の調達を促進しています。
    2024年実績
    認証パーム油・パーム核油誘導体:当社グループ46%(主要原料ベース)
    認証紙・パルプ:当社グループ46%(アイテム比率)
  • 「ライオングループサプライヤーCSRガイドライン」セルフチェック及びSedexを活用し、サプライヤーにおけるリスクアセスメント実施を促進しています。
    2024年実績
    サプライヤーにおけるサプライヤーにおけるリスクアセスメント実施率:当社グループ92%
  • 「ライオングループサプライヤーCSRガイドライン」に関する覚書に「ライオン人権方針」、「国際人権章典」、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を追加し、サプライヤーにおいても人権方針が支持・尊重するように求めています。
    2024年実績
    国内主要企業90社のうち42社と人権に係る覚書を締結済み
サプライヤー周辺のコミュニティにおける水資源へのアクセス、地域住民の生活に及ぼす影響、環境マネジメント
  • サプライヤー周辺の近隣住民を含めたコミュニティにおける水資源へのアクセス等の負の影響を防止・軽減、是正するために、「ライオングループCSRガイドライン」セルフチェックに環境マネジメントに関する質問事項にてコミュニティに対する具体的な取り組み状況を把握しています。
    2024年実績
    「ライオングループCSRガイドライン」セルフチェックに環境マネジメントに関する質問事項でのモニタリングを実施済み
ビジネスパートナーにおける過重労働・長時間労働、ハラスメント
  • ビジネスパートナーにおける過重労働・長時間労働等の負の影響を引き起こす、助長する、直接結びつくことを防止・軽減、是正するために、自社従業員に対してe-ラーニングや研修を通して「ライオン企業行動憲章」「ライオン人権方針」の浸透・定着を図るとともに、「コンプライアンス意識調査アンケート」にて当該課題の自社従業員の理解や業務での行動評価を定量的に把握しています。
    2024年実績
    人権に関する研修を当社、国内関係会社7社、海外関係会社7社にて実施済み
消費者・生活者におけるプライバシーの権利
  • 消費者・生活者のプライバシーの権利として個人情報の漏洩リスクを防止・軽減するために、「個人情報保護法」に準拠した「個人情報管理規程」及び「情報取扱に関する基本方針」「情報管理規程」「情報セキュリティ規程」等の方針・規程類を整備し、個人情報保護と情報セキュリティの徹底を図っています。 また、自社の従業員への教育として、情報セキュリティ、情報管理体制に関するe-ラーニングを毎年実施するとともに、海外関係会社においても法令に基づき個人情報保護等、情報セキュリティ対策の推進を強化しています。
    2024年実績
    国内自社従業員にe-ラーニングを通した個人情報管理規程の遵守に関する研修を実施済み
    自社が医療情報を取り扱うサービスの情報マネジメントシステムに係る認証を維持

救済へのアクセス(苦情処理メカニズムの設置)

当社グループは、人権を含む企業倫理に反する問題に適切に対応するため、苦情処理メカニズムとして、社内外の通報制度「AL(オールライオン)心のホットライン」を設置しています。

本システムでは、通報者として自社従業員だけではなくビジネスパートナー等社外ステークホルダーも含んでおり、通報者、被通報者のプライバシーは保護され、調査内容の秘密の厳守が保証されます。また、すべての案件は匿名の通報等を除き、すべての通報者へフィードバックを行っています。

本制度の仕組み、相談・通報内容等の詳細は当社ホームページの下記よりご参照いただけます。

社内外通報制度「AL心のホットライン」の設置

モニタリングの実施

それぞれの負の影響の防止・軽減策は質的または量的な指標を設定し、人権に係る検討会事務局が年2回モニタリング結果をS分科会に報告しています。

コミュニケーション

外部への情報開示

人権の取り組み状況等については、随時自社ホームページ等で開示しています。

教育、対話

当社は、「ライオン企業行動憲章」「ライオン人権方針」の浸透と定着を図るため毎年国内の全従業員(パート社員を含む)を対象にe-ラーニングを通した人権についての研修を行っています。
また、毎年国内全従業員(パート社員を含む)を対象に「コンプライアンス意識調査アンケート」を行い、人権を含むコンプライアンスに関する意識や業務における行動について定量的・定性的に把握するとともに、結果を部門毎にフィードバックすることで、従業員の意識向上やより良い環境づくりにつなげています。 また、人権デューディリジェンスを推進するにあたり、取締役・監査役・執行役員、人権に係る所管部門の責任者等と外部有識者を含め、ビジネスと人権についての勉強会及び意見交換を行い、経営層の理解を深めています。

人権に関する外部イニシアチブへの参画

「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」においてはヒューマンライツ・デューデリジェンス分科会のワークショップやサプライチェーン分科会の啓発ツール制作のワーキングループ等、外部イニシアチブにも参画し、人権を取り巻く社会情勢の理解や啓発を図っています。「日本化粧品工業会」においては、「サステナビリティ指針」の策定や、「バリューチェーンにおける人権・労働リスク対応の手引き」の制作に参画しています。2024年には当社の従業員が所属する「社会課題対策部会」にて、本工業会の会員向けにジェンダー平等に関するアンケートを実施する等、企業における人権を含めた社会の持続可能な発展への取り組み実現に積極的に働きかけています。

海外グループ会社における取り組み

当社グループにおけるリスクアセスメント

サステナビリティ重要課題について事業を展開する国や地域で配慮すべき事項を外部有識者と抽出した「サステナビリティ状況共有シート」を活用し、海外関係会社に人権に対する影響評価で特定された自社にとっての優先課題に関する事項を含めたヒアリングを行い、防止・軽減、是正策や対応状況を把握するとともに、進捗をモニタリングしています。

サプライヤーにおけるリスクアセスメント

海外関係会社と取引のあるサプライヤーについては、人権・労働を含めた当社グループの調達方針に関わる事項について「ライオングループサプライヤーCSRガイドライン」セルフチェック及びSedexを活用し、サプライヤーによる影響評価を実施しています。

Share