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中期経営計画

中長期経営戦略フレーム「Vision2030」

企業が果たすべき社会的な役割、責任が一層増加してきている中、事業を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への進化を加速させるため、中長期経営戦略フレーム「Vision2030」を策定しました。

「Vision2030」策定の背景

当社グループは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスを起点とし、2030年に向けた経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げ、その実現への企業活動を進めております 。
近年、新型コロナウイルス感染症の拡大による行動様式の変化や地球温暖化をはじめとしたサステナブルな社会への希求など、人々の毎日の暮らしと密接に関わる当社グループの社会的な使命は益々大きくなっています。このような環境下、当社グループは昨年、パーパスの実践を通じて社会課題の解決に貢献し続ける企業への進化を加速させるため、中長期経営戦略フレーム「Vision2030」を策定しました。

「Vision2030」について

中長期経営戦略フレーム「Vision2030」は、パーパスを起点として、2030年に向けた経営ビジョンとそれを実現するための経営戦略からなります。

経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」

当社グループは、ライオンだからこそできるヘルスケア=より良い習慣づくりを進化、発展させることで、サステナブルな社会に貢献し、企業価値の向上を目指します。

経営ビジョン実現に向けた経営戦略

(1)3つの成長戦略の推進

  1. 4つの提供価値領域における成長加速
  2. 成長に向けた事業基盤への変革
  3. 変革を実現するダイナミズムの創出

上記を推進することで、事業成長を加速させます。

①4つの提供価値領域における成長加速

当社グループはアジアを中心としたより多くの生活者に対し、ライオンだからこそできるヘルスケアを提供し、幅広い生活場面で貢献する結果として事業成長を加速し、アジアでのプレゼンス拡大を目指します。その実現に向けて、当社グループの成長の方向性を示す4つの提供価値領域を設定しました。

オーラルヘルス

口の健康を考える「オーラルケア」(の提供)から、口から全身の健康とQOL向上を支える「オーラルヘルスケア」(の提供)へ。

口腔環境と健康寿命の関係が明らかとなる中、国内No.1のオーラルケアメーカーの強みを活かしオーラルケアの革新的な製品とサービスを一人ひとりの生活文脈の中に、ヘルスケアの新たな形として溶け込ませることで、既存事業の枠を超えた事業拡張を目指します。

POHR*1を基盤とする、より「専門的」で「パーソナル化」された次世代のオーラルヘルスケア・プラットフォームなど、人々の新たな習慣づくり・収益機会の創出を目指し、メーカーからサービサーへ、積極的に事業モデルの変革を推進していきます。

*1 Personal Oral Health Record

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インフェクションコントロール

家庭の手洗い習慣を支える「ハンドソープメーカー」から、あらゆる場で感染症のリスクと向き合う「衛生ソリューション企業」へ。

新型コロナウイルス流行を契機に社会の衛生に関する行動様式が見直され、感染症に備える新たな市場が創出される中、長く「清潔・衛生」を守ってきた企業として、使命感を持って事業を変革し、日本、及びアジアにおける衛生対策のリーディングカンパニーを目指します。

誰もが安心して暮らせる社会の実現に向け、居住空間から公共・産業空間へ事業領域を拡大し、菌やウイルスから人々の生活を全方位(身体・対物・空間)で守る「衛生ソリューション」を提供します。

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スマートハウスワーク

これまでの「画一的な家事提案」から、多様な暮らしにフィットした「新しい家事習慣」の創出へ。

生活スタイル・居住状況の多様化が進み、画一的な家事提案では生活者ニーズを捉えきれなくなる中、一人ひとりの毎日を見つめてきた企業として、多様な暮らしにフィットした「新しい家事習慣」を提案し、新たな事業機会の創出を目指します。

家事のスマート化(楽しさ/効率化アップ)を基本コンセプトに家事全般を捉え直すことで「その人が自分らしいと思える心地よさ」を最大化し、多岐カテゴリーにおいて外部パートナーと強固に連携・創発しながら、独自の優位性を確立します。

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ウェルビーイング

“自分らしい健康” を自然に・前向きに維持できる、心と身体の「トータルヘルスケア・サービサー」へ。

一人ひとりが自身の不調・不快に応じて、いつでも適切な予防・改善ソリューションを選択できることで、誰もが自分にとって「健康」な状態を保ち、家族や身近な人とともに毎日を「幸せ」に感じて過ごせる社会の実現を目指します。

習慣的に行うセルフヘルスケアを起点に、生活者との繋がりを築きながら外部パートナーと連携して提供ソリューションの拡充・各サービスの統合を進め、人々のライフステージに寄り添い “自分らしい健康・幸福” を支え続けるトータルヘルスケア・サービサーへの変容を図ります。

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②成長に向けた事業基盤への変革

戦略的投資の継続・強化により、成長を促進する事業基盤への変革に取り組みます。

③変革を実現するダイナミズムの創出

持続的に成長する企業への変革の実現を目指します。

(2)サステナビリティ重要課題への取組み強化

「健康な生活習慣づくり」「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題として、成長戦略の推進との相乗的な取組みを強化します。

中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」

中期経営計画の位置づけ

2030年の経営ビジョン実現に向けては、経営環境の変化の兆候を捉え、戦略を確実に推進するため、3ヵ年の中期計画を3回想定しております。本年からの中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」は、その第1期であり、成長戦略の実行と経営基盤の変革により、成長加速へのギアチェンジをすることで、売上成長とEBITA*2の拡大を目指すとともに、事業を通じて社会課題の解決に貢献します。

*2 当社の恒常的な事業の業績を測る利益指標である事業利益(売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもの)に減価償却費(2022年より使用権資産の減価償却費を除く)を合算したものであり、キャッシュベースの収益力を測る指標です。

基本的な考え方

市場・経済・社会的プレゼンスの向上

当社グループは、これまで「収益性向上」を経営テーマとして取り組み、高付加価値化や構造改革の推進によって、一定の収益性を維持できる経営基盤に転換してまいりました。これからは、社会に対して、より大きく、より良いインパクトを与える企業への進化を図るため、「市場・経済・社会的プレゼンスの向上」を目指します。

重視する経営指標

経営テーマである「市場・経済・社会的プレゼンスの向上」に向けては、パーパスの実践を通じた売上成長とEBITDAの拡大を重視するとともに、ROIC*3マネジメントを活用し、投下資本に対する収益性と効率性の向上を図ります。具体的には、2024年に売上高4200億円(CAGR 4%超)、EBITDA 520億円(過去最高)、ROIC 7.5%水準、ROE 9.0%水準を目指します。

*3 NOPAT(税引後事業利益)を期中平均の投下資本(資本合計+有利子負債)で除したもので、投下した資本に対する効率性と収益性を測る指標

経営戦略

当社グループは、2030年の経営ビジョン実現に向け、「サステナビリティ重要課題への取組み」と「3つの成長戦略」を相乗的に推進し、サステナブルな社会への貢献と事業の成長を目指します。

(1)3つの成長戦略

①4つの提供価値領域における成長加速

当社グループの成長の方向性である4つの価値提供領域に重点を置いて、既存ビジネスの進化と新たなビジネスモデルの創出に挑戦します。生活者に機能価値と体験価値を提供することで、メーカーの域に留まらない、より良い習慣づくりへの貢献を目指します。 特に、2030年に向けて重要となる海外事業の拡大では、アジアでのグローカライゼーション戦略*4を進化させ、最重要市場である中国をはじめ、既存国・エリアにおける事業の強化を進めるとともに、2024年までに2ヵ国以上の新規国・エリアへの参入を図り、アジアでのプレゼンス拡大を目指します。

*4 グローバル化とローカル化の融合を図り、独自の競争優位性を創出する戦略

②成長に向けた事業基盤への変革

前中期経営計画であるLIVE計画(2018~2020年)で実施した先行投資の着実なリターンの獲得を図るとともに、将来の成長に必要な戦略的投資としてM&Aの重点化に加え、SCM・生産インフラ、デジタル、サステナビリティ等を強化します。また、ROICマネジメント、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)、インターナルカーボンプライシング(ICP)によるマネジメントコントロールの強化を図ります。

③変革を実現するダイナミズムの創出

働きがい改革、ダイバーシティ&インクルージョンの推進等により、従業員エンゲージメントの向上を図り、持続的に成長する企業への変革を実現するダイナミズムを生み出します。

(2)サステナビリティ重要課題への取組み

「健康な生活習慣づくり」「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題とし、人々の心と身体のヘルスケアの実現、サステナブルな社会の実現に対し、習慣づくりを通じて貢献します。

①健康な生活習慣づくり

インクルーシブ・オーラルケア*5などを通じて、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしの実現と健康寿命の延伸に貢献します。

*5 オーラルケアから健康格差へアプローチする活動

②サステナブルな地球環境への取組み推進

生活者と共につくる「エコの習慣化」により、脱炭素社会と資源循環型社会の実現に貢献します。環境対応技術の深耕および製品・サービスの開発に加え、家庭での環境負荷を低減する「節水・節電習慣」と「詰め替え習慣・捨てない習慣*6」を、業界・他社と連携して日本を含むアジアに展開します。

*6 先進的なリサイクルの取組み(インフラづくり・リサイクル技術等)による資源循環を実現する習慣づくり

(3)キャッシュアロケーションの考え方

上記の3つの成長戦略とサステナビリティ戦略を相乗的に推進することで、3ヵ年で1200億円超のキャッシュ獲得を想定し、その内の800億円超を将来に向けた戦略的投資に投下するとともに、配当および自己株式取得による300億円超の株主還元を行う想定です。
なお、戦略的に重要なM&Aや、更なる追加的な投資が必要な場合には、財務安全性と加重平均資本コスト(WACC)の水準を考慮し、機動的な資金調達を行います。

詳しくは下記をご覧ください。

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