サステナビリティ重要課題6 従業員の健康増進
目標
従業員の心と身体のヘルスケアを支えることで、人材力の強化につなげ、持続可能な企業成長を目指します。
指標(2030年) |
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指標の進捗 (2022年実績) |
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2030年までの グローバル共通施策 |
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従業員の健康意識が高く、健全な健康習慣を自発的に身につけようとする行動は、健康の維持・増進とともに仕事のやりがいに満ち溢れた企業人としての自己成長・人生の充実につながります。そして、それは企業の生産性と創造性の向上につながり、持続的な成長を通じて社会全体に貢献できるとライオンは考えています。
当社では、従業員の健康は「会社の健全な成長を支える経営基盤である」との考えを基本とし、経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」に向かい、一人ひとりの「心と身体のヘルスケア」を実現するために、「健康指針」を柱に、会社・従業員・健康保険組合が一体となり、生活習慣改善、お口の健康、メンタルヘルス対策、がん予防、禁煙支援等健康行動習慣化へのサポートがなされています。
当社は、健康経営で解決したい経営課題に対し、目標指標は「働きがいの向上」、「アブセンティズム*1の低減」、「プレゼンティズム*2の低減」を設定しています。2020年の現状を踏まえ、2030年までに「働きがいの向上」はワークエンゲイジメント*3を2.7から3.0へ、「アブセンティズム」は休業率を0.8%から2021年比減(0.7%未満)へ、「プレゼンティズム」はパフォーマンス発揮度を74.5%から85.0%以上へ、課題解決に向けた目標値を設定しました。
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基本的に「健康投資」と「健康投資施策の取り組み状況に関する指標」は1対1で対応する。
しかし、中には複数の「健康投資施策の取り組み状況に関する指標」に対応する「健康投資」も存在するため、そのような「健康投資」を「様々な効果に関連する健康投資」とする。
*1 アブセンティズム:病欠、病気休業している状態。休業率=休業日数/総労働日数
*2 プレゼンティズム:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し業務遂行能力や労働生産性が低下している状態。SPQ(東大1項目版)を用いて測定
*3 ワークエンゲイジメント:ストレスチェックを用いて測定(4段階の設問2問の平均点)
当社は健康で活力ある会社を目指し、全社健康管理責任者(人材開発センター部長)が全社の健康管理全般についての統括を行い、健康サポート室、ライオン健康保険組合が、一体となって施策の企画・立案を行っています(健康管理推進委員会)。さらに、各事業所の健康管理責任者および産業保健推進者、産業保健スタッフ(産業医・保健師等)が連携し、組織的に従業員の健康管理を推進しています。
健康サポート室はすべての事業所(11地区)に設置され、産業保健スタッフが健康管理業務を行っています。各地区の健康サポート室は、本社健康サポート室と連携し、当該地区の健康管理業務の運営管理、健康保持増進を目的とした諸施策の運営・推進を行っています。
本社健康サポート室では、全社健康管理方針及び基本計画や年間計画の策定、企画運営、各統計取りまとめ等の役割を担っています。
従業員の健康状態や予防・健康づくりへの取り組み状況等を経年的かつ全社平均との比較を見える化した健康白書「GENKIレポート」を2022年に発行し、各事業所の健康管理責任者、産業保健推進者と共有しています。「GENKIレポート」はDX部門と連携し、事業所や組織毎にレーダーチャートを用い、ランクアップへの目安人数を記載するなど、自組織の健康状況を把握し、健康増進活動への活用を目指しています。
当社は、健康経営を実施する上場企業の中から、特に優れた取り組みを実践している企業として「健康経営銘柄2023」の選定を受けました。また、優良な健康経営を実践している法人として「健康経営優良法人~ホワイト500~」に2017年から7年連続で認定されました。
「健康経営銘柄」は、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定しており、2015年から開始されました。「健康経営優良法人~ホワイト500~」は、経済産業省と日本健康会議が、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みのもと、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰するもので、2017年から開始されました。
今回、研究員の自主的な活動から全社活動へ発展した女性特有の健康課題への取り組みや、若年層の生活習慣改善活動など、従業員の健康意識の向上・自発的な健康行動の習慣化を促す施策に加え、当社が長年にわたり予防歯科活動で蓄積してきたノウハウ・データとIoT・AIを活用した技術やサービスの提供により、従業員に留まらず幅広い人々の健康増進に寄与する活動を高く評価いただきました。
これらの健康経営施策について、従業員アンケートを行った結果、満足度は55.0%でした(回答者数1,687人、回答率45.9%)。
当社は、今後も従業員の健康保持・増進に努め、それぞれの自己成長・人生の充実につなげるとともに事業を発展させ、さらなる企業成長につなげてまいります。
健康管理活動の全体像を把握しやすいように、「こころ」・「からだ」・「いしき(健康の自己管理意識)」の3つのテーマを分けています。それぞれのテーマを従業員の年代別に健康管理施策を展開し推進しています。
健康管理活動の全体像
健康行動の習慣化を促進する取り組みとして、健康サポート “GENKI” アクションを展開しています。従業員が「働きがい」を高め、多彩な能力を発揮できるよう、健康において自律した力を養えるようサポートし、パーパス「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」を体現する人材集団の形成を目指して活動しています。
* Good life Enhancement for (K)今日を(I)愛する。
「見れば分かる(健康状態、対策、将来リスク)」 「自己管理ができる(セルフチェック)」 「楽しく健康づくりに取り組める」をコンセプトに健康管理システム“GENKIナビ”を開発しました。PCだけではなく、スマートフォンからもアクセス可能であり、従業員の「健康意識の向上」「健康行動の定着化」を目指しています。また、2022年4月18日からは、従業員の健診データより「将来の健康リスク」を見える化する機能を追加しました。保健指導に“リスク予測結果”を活用することにより、生活習慣の振り返り、行動変容の動機づけを行うことを目的としています。
1) 健康診断結果の見える化(定期健診・歯科健診結果、経年変化、アドバイス等の表示)
2) 日常生活データのセルフチェック(体重、歩数、食事、体温、血圧等の入力・表示)
3) 生活習慣改善に向けた動機づけコンテンツ(目標設定機能等)
4) 問診票(健康診断)の回答
5) ストレスチェックの実施(セルフチェック)
6) 健康ポイント
等の機能が充実しています。
次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーとして、従業員が予防歯科習慣を身につける取り組みに注力しています。セルフケアでは「歯科健診時のチェアサイドの保健指導」「歯科の問診や歯科健診の結果からハイリスク者を対象にした個別指導」「デンタルフロスや歯間清掃用具利用促進キャンペーン」「教育動画の提供」を実施しています。プロケアでは「プロケア受診補助キャンペーン」「お勧め歯科医の紹介」等を実施しています。
* むし歯等になってから治療するのではなく、なる前の「予防」を大切にする考え方。歯科医院等でのプロケアの実施と毎日のセルフケアの両方を継続して実践すること
日本におけるがんの罹患者数、死亡者数は年々増加傾向にありますが、診断と治療の進歩により、一部のがんは早期発見・早期治療が可能となりつつあります。そこで、当社では定期健康診断とは別に、がんの早期発見・早期治療を目的に「3大がん対策補助金制度」を2021年より導入し、臓器別がん死亡率で多くを占める「肺」「胃」「大腸」について、従業員がより精度の高いがん検診を受診できるよう、検診費用を補助しています。また、検診機関の相談なども随時受け付けています。
厚生労働省がん対策推進企業アクションより当社の積極的な取り組みに対して令和4年度の「がん対策推進優良企業」として、前年に引き続き2度目の表彰を受けました。
* 肺がん、胃がん、大腸がん
職場における受動喫煙防止策として、喫煙者へ禁煙⽀援と環境整備を推進しました。環境整備では、2020年1⽉より就業時間内の禁煙、同年4月より建屋内の禁煙をルール化しました。また、COPD(慢性閉塞性肺疾患)*の問診結果によりハイリスクとされた従業員に対しては、産業医面談を実施し禁煙指導を行うとともに、受診勧奨を行いました。
喫煙者率推移(国内単体)
* タバコ等が原因で肺の機能が徐々に低下する病気。
GENKIナビ、予防歯科、3大がん対策への投資額(2022年度)
約17百万円
当社は2004年に「メンタルヘルス基本方針」を制定し、厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づき、「4つのケア」を継続的かつ計画的に推進しています。
当社は労働安全衛生法改正前の2006年より、ストレスチェックを実施しています。また、GENKIナビでは、従業員が常時セルフチェックを行える環境を整備し、いつでも自身のストレスプロフィールを確認して、セルフケアに役立ててもらっています。セルフケアに関する教育機会は、入社時(中途採用者含む)に加え、従業員全員が年に1度研修を受講しています。
【ストレスチェック】
2020年からの新型コロナウイルス感染症の拡大により、生活様式と働き方に急激な変化が伴いました。この環境の変化による心理的な影響に対応するために、2020年はストレスチェックを2回実施しました(従来は年1回)。毎年、高い受検率を維持し2022年は98.8%でした。高ストレス者には、産業保健スタッフによる面談を行いました。
実施者 | 実施率 | |
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2017年 | 2,851名 | 96.9% |
2018年 | 3,077名 | 98.9% |
2019年 | 3,097名 | 98.3% |
2020年4月 | 3,112名 | 98.2% |
2020年11月 | 3,157名 | 98.1% |
2021年 | 3,192名 | 99.5% |
2022年 | 3,257名 | 98.8% |
【ストレスチェックの集計結果を活用した職場改善活動】
ストレスチェックの集計結果は、毎年地区や本部の健康管理担当者から各職場にフィードバックし、職場の強みや弱みを分析した上で、健全な職場づくりに活かしています。ハイリスク職場については、健康サポート室のスタッフがフィードバックを行い、職場の課題や改善策について話し合いの場を設けています。
当社は職場のコミュニケーションの向上、職場環境の改善等を通して、健康で活力ある職場づくりを目指しています。
【ラインケア教育】
ラインケアとは、職場のライン上にいる直属の上司等のマネジメント層が、いつもと違う様子に早く気づき、声をかけて話を聴き、必要に応じて産業保健スタッフへつなぐ等の対応により、部下のストレスを軽減し心のケアを行うことです。当社では、マネジメント層がいつでも自然に対応できるようマネジメント層への昇格時にラインケア教育を実施しています。
【メンタル不調者の復職支援】
復職支援会議を開催し、上司、職場の健康管理担当者、産業保健スタッフが連携を取りながら対応しています。復職後の職場再適応を目的としたリワーク*の活用を積極的に推進しています。
* 「Return to Work」を略した言葉で、精神的な病気や不調により休職している人がスムーズに復職することを目的とした復職支援プログラム
健康サポート室では、統括産業医、精神科医、産業看護職がいつでも相談に対応しています。相談対応の際はプライバシーに配慮し、従業員が悩みや不安を安心して話せる相談体制を整えています。また、働き方の多様化に対応し、相談は対面面談のほかに、メールや電話、オンライン面談等状況に応じて実施しています。さらに「心の相談窓口」を設置し、相談したいときに分かりやすい案内を心がけています。そして自身のキャリアについては、キャリアカウンセラーによる相談対応もしています。健康サポート室からは、健康診断後のフィードバックやストレスチェック後の健康相談等、従業員⼀⼈ひとりの健康状態に応じたきめ細やかな対応を⾏っています。
従業員の相談窓口として、社外機関と契約し、電話相談やカウンセリングを気軽に受けられる環境を整備しています。また、健康サポート室からも状況に応じて専門の医療につなげ、連携を図っています。
毎年、すべての従業員に対しての健康診断・歯科健診を実施しています。健康診断の項目は、法定を上回る項目内容で実施しています。要再検査や要精密検査となった対象者には、必ず受診するよう勧奨し、個別指導しています。
2022年の従業員の健康診断受診率は99.9%でした。
【特徴的な健康診断・歯科健診の内容】
当社における特定健診、特定保健指導は、健康サポート室とライオン健康保険組合が協力して実施しています。健診受診者にとって生活習慣病の改善に向けて効果的かつ明確な動機づけとなるよう支援しています。
該当者 | 予備群 | |
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2015年 | 13.4% | 12.2% |
2016年 | 12.6% | 13.1% |
2017年 | 15.0% | 14.0% |
2018年 | 13.5% | 14.2% |
2019年 | 13.4% | 14.9% |
2020年 | 13.6% | 14.7% |
2021年 | 14.3% | 14.4% |
2022年 | 13.6% | 12.1% |
(参考)健康保険組合連合会:「令和2年度特定健診・特定保健指導の実施状況」(1,125組合)における被保険者のメタボリックシンドロームの割合は、該当者:15.1% 予備群:13.1%
*1 日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)の該当者及び予備群を減少させるための特定保健指導を必要とする人を抽出するために行うものです。40歳から74歳までのすべての被保険者及び被扶養者に対して、特定健診が実施されています。
*2 特定健診の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善によるメタボリックシンドロームの予防が期待できる層に対して、専門スタッフ(保健師、管理栄養士等)による「情報提供」「動機づけ支援」「積極的支援」等の保健指導を行うことをいいます。
*3 40歳以上の従業員(被保険者)
また、公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(LDH)と協力して、歯周病とメタボリックシンドロームとの関連性を明らかにすることができました。今後も従業員の歯周病予防とメタボリックシンドローム予防への取り組みを強化します。
特定保健指導の対象者には、ライオン健康保険組合及び人材開発センター部長の連名で保健指導の受診勧奨を行っています。特定保健指導の目的、実施内容を理解して、対象者が取り組みやすく、楽しく継続できるような保健指導プログラム内容を提供するように工夫しています。
2020年は、社内コラボ企画として希望者に内臓脂肪を減らすのを助けるサプリメントの提供とメールの定期便により生活改善を支援しました。また、積極的支援は、健康保険組合専任の管理栄養士や豊富な知識と経験のある社外事業者と契約し実施しています。
特定保健指導の対象者減少を目的に、若年層の体重変化状況を検証しました。結果、男性従業員の86%は、入社後10年で体重が5%以上増加していることがわかりました。30代は男女ともにライフスタイルが大きく変化する時期であり、適切でない生活習慣により生活習慣病の土台を作ってしまいます。
そこで、30代肥満者に対し、健康意識を高め、生活習慣改善をサポートするため、内臓脂肪を減らすのを助けるサプリメントと生活改善に有効な資料を2022年は配布しました。アンケートの結果、参加者の6割は「体重を意識するようになった」と回答し、サポートの満足度は78%でした。2023年は、さらに効果を高めるため、配布後、健康保険組合専任の管理栄養士と連携し、定期的な情報発信メールで継続を支援しています。
当社は、コロナ禍での外出自粛等の影響から、2020年の従業員肥満率は25%超と増加し、深刻な健康課題であると認識しました。そこで、感染症対策をはじめ、ライフスタイルが大きく変化する中でも、楽しく前向きにより良い習慣づくりをサポートするため、2022年GENKIナビに健康ポイント機能を追加しました。参加申込は1,107名、実施後のアンケートでは、期間中に、歩数が1,000歩以上増加したと半数以上が回答し、満足度は73%でした。
2023年は、実施期間を拡大し、部所別対抗等全社一体となり、楽しく生活習慣づくりが行えるよう工夫しています。
予防歯科については、1970年代から社内歯科健診とブラッシング指導、スケーリングやクリーニング、講演会による教育等を継続して実施してきました。
2002年からは、従業員の自己管理能力の向上を目指して、健康保険組合、、ライオン歯科衛生研究所(LDH)と協力・連携して、「全ての従業員を対象に口腔の定期健診と一次予防を中心とした口腔保健管理を行うこと」、「従業員の健康管理能力の向上を支援すること」を活動の基本とし、「All Lion Oral Health Activity (ALOHA)」を開始しました。歯科保健プログラムは三か年計画でPDCAを回し、現在は「ALOHA Ⅶ」として活動を実践中です。歯科健診ではプロケア受診の有無により層別を行い、プロケア未受診者に対する保健指導を重点化しています。それにより、プロケアの意識醸成を促しています。
さらに、歯間清掃用具の使用者率を向上させ、セルフケアとプロケアの両輪にて予防歯科を実践できる従業員を増やすことを目指しています。主な活動内容は以下の通りです。
当社は予防歯科を社内外に積極的に啓発を行っています。従業員の予防歯科の実践を重視し、従業員が、かかりつけの歯科医院を持ち、定期的にお口のケアを受けることをプロケアと称し、そのきっかけづくりとして、期間限定でプロケア受診の奨励金キャンペーンを展開しています。プロケア受診の必要性を伝えるとともに、参加者にはオリジナルロゴのステッカーやリモート背景画像を配布する等「受診したくなる」様々なしかけづくりで工夫をしています。
定期的に給食委員会を開催し、従業員食堂の充実を図っています。従業員の健康に配慮し、ヘルシーで美味しい食事の提供を心がけています。また、すべてのメニューにカロリー・塩分・糖度を表示し、減塩醤油を置く等の工夫をしています。
従業員の健康な心身の育成を図り、相互の親睦を深めることを目的に、従業員の文化体育活動を支援しています。
文化系サークルとしては、茶道・華道等、体育会系サークルとしてはヨガ、ピラティス、バスケットボール、テニス、サッカー、野球等全国で52サークル、約700名が活動しています。活動は就労時間後や休日に行い、従業員の心身の健康づくりにつながっています。
従業員の健康増進のために、様々なスポーツ活動の支援や促進に向けた取り組みを行っており、Sport in Life コンソーシアムに加盟しています。 また、スポーツを奨励する取り組みに対して、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー2023」として2022年に続き認定されました。
当社は従業員が快適に働くことができるよう、室内の湿度・温度、一酸化炭素・二酸化炭素濃度、粉じん量等を2ヵ月に一度測定しています。
また、音・照度についても定期的に測定し、職場環境に問題がないかを確認しています。
政府の「日本再興戦略」において重要な課題として掲げられている“国民の健康寿命の延伸”へ向け、「予防・健康管理の推進に関する新たな仕組みづくり」として、すべての健康保険組合に対し、レセプト等のデータの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のためのより効果的・効率的な事業計画として“データヘルス計画”の作成・公表、事業実施、評価等の取り組みが求められています。(厚生労働省 データヘルス計画作成の手引きより一部引用)
データヘルスの取り組みについては以前より、ライオン健康保険組合と協力しながら推進してきました。
そのほか、様々な施策を連携して実施しています。
からだの変化のタイミングに合わせた対象別の対策を強化し、ヘルスリテラシーの向上を図っています。
2013年より、満50歳の従業員を対象にした半日の健康セミナー「LIS21シニア」を毎年実施しています。加齢とともに顕著に高まっていく健康リスクを抑制するためには、自己管理能力を高めることが何より重要です。
また、50歳という節目のタイミングにおいて、人生100年時代を見据えて今後の健康、仕事、家庭生活、人生等多面的な視点から自分自身の置かれた状況を振り返り、新たな気持ちでいきいきと働ける気付きを得られる機会にしたいと考えています。
2020年、2021年は集合型セミナーを企画していましたが、新型コロナウイルスの感染症拡大の影響により延期しました。2022年は、オンラインセミナーと動画視聴を組み合わせた研修を実施しました。参加者は277名、参加率は98.9%でした。オンラインセミナーでは、「健康」「キャリア」「マネー」について50代にとって関心が高い内容を講演、動画視聴では、「がん予防」「生活習慣病予防」「フレイル予防」「口腔の健康」等、健康の課題と対策について具体的な内容をオリジナルで作成しました。
アンケート結果では、参加者の9割以上が「理解できた」「満足した」と回答、具体的で分かりやすく、受講者の年代の視点にたった講義内容が大変好評でした。
50歳参加者 | 参加率 | |
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2015年 | 140名 | 87% |
2016年 | 152名 | 76% |
2017年 | 100名 | 68% |
2018年 | 95名 | 68% |
2019年 | 120名 | 85.7% |
2020年 | 240名*1 | - |
2021年 | 277名*2 | 98.9% |
2022年 |
*1 2020年は健康保険組合による動画視聴形式にて開催
*2 2022年は、2021年対象者を含む
当社は、女性の活躍推進に課題意識を持っていた研究所有志が集まり「ウェルビーイングラウンジ」を結成し、ウェルビーイング向上に必要なヘルスリテラシーレベルを上げるための活動を行いました。この活動を全社に展開し、女性特有の健康課題に対する理解を深めました。
2022年は男女問わず、のべ約300人が参加し、アンケートでは、90%以上が「満足した」、80%以上が「知識レベル・意識レベルが向上した」と回答しました。また、他社と連携し、女性の健康に関連した食事に関するセミナー、妊活・不妊治療について当事者や支える立場それぞれから知識を得る機会を提供しました。
2023年には、妊活・不妊治療相談窓口(外部)を開設し、ウェルビーイング向上を進めています。
新型コロナウイルス感染症拡大予防対策として、対策本部をいち早く立ち上げ、擬濃厚接触者や擬感染等の言葉を定義し従業員が「感染が疑わしい状態」になった時、可能な限り迅速に感染の有無を確認し、不安期間の最短化を図ると共に、感染拡大を最小限に抑制することを目的として、PCR検査キットの事業所配備(またはチケット準備)を進めました。また、2021年6月には緊急・対策本部会議において職域接種開催の意思をいち早く決定し、これまでに東西2会場で3回目迄の職域接種を実施しました。
冬期のインフルエンザ流行に備えて、インフルエンザワクチン接種の全額・会社費用負担を決定し、各事業所での予防接種をしました。
* “GENKI”アクション対象者のデータ
昼食後の従業員の歯みがき実施者率
歯みがきに対し関心が高い*従業員の比率
* 歯みがき回数一日2回以上 かつ歯みがき時間3分以上
歯間清掃用具(デンタルフロス)の使用者率
* 2014年度オーラルケア総合実態調査(20〜59歳女性)
歯間清掃用具(歯間ブラシ)の使用者率
* 2014年度オーラルケア総合実態調査(20〜59歳女性)
年内に歯科医院でプロケアを受診した従業員*
* 一年間のうち定期的に歯科医院に行き、クリーニングを受けている者(治療中は除く)
歯周病の割合
一人平均要治療歯数(むし歯)
* 平成28年歯科疾患実態調査(厚生労働省)20〜59歳
一人平均要治療歯数(喪失歯)
* 平成28年歯科疾患実態調査(厚生労働省)20〜59歳
ライオン従業員予防歯科関連データ詳細はこちら当社では予防歯科を広めるために、自社以外にも企業向けオーラルケアセミナーを実施しております。
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