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ハブラシリサイクル ハブラシのリサイクル工程(工場見学)

もともと捨てるはずだったハブラシがどのようにリサイクルされ、新たに定規として生まれ変わるかを動画(vol.01とvol.02)で見学してもらい、リサイクル工程や難しさを知ってもらいたいと思います。
この定規には多くの人に使われ役立ってほしいという願いを込めています。

使い終わったハブラシが、再び使える定規になるまで

ハブラシは溶かされ粒状の
ペレットになります

vol.01の工場で作るものは「ペレット」

ペレットとは、プラスチック製品の原料になる直径数ミリの粒で、比較的リサイクルしやすいポリプロピレンという樹脂が主になります。ハブラシ等の資源を一度このペレットにすることで、いろいろなリサイクル品へ加工することができるようになります。

生まれ変わった定規

vol.02の工場で作るものは「定規」

定規として成り立つ要素は「色」「形」「デザイン」です。無色のハブラシペレットから3種類の色つきペレットを作ります。再び溶かし圧力をかけ定規の形にします。目盛りやロゴを印刷すると定規として機能します(デザイン)。

(※この定規は販売しておりません)

vol.1 ペレット化

リサイクルの工程

選別

異物が入っていないか確認します

皆さんに集めて頂いた使⽤済みのハブラシは1箇所に集められ、ハブラシではないもの(異物)が含まれていないか選別を行います。異物の混入はリサイクルされるプラスチックの品質に関わるため、この作業は大事な工程です。

回収対象外:
電動ハブラシの本体や付け替えブラシ、天然毛(豚毛・軟毛等)ハブラシ、歯間ブラシ、ハミガキ、使い捨てハブラシ等

粉砕

ハブラシは様々な種類のプラスチックからできており、現在一番多く含まれているポリプロピレンという樹脂を取り出してリサイクルをしています。
まずはハブラシを細かく砕きます。大量のハブラシをベルトコンベアで少しずつ粉砕機の中へと投入していきます。安全のため粉砕機は壁に囲まれて中は見えません。

比重分離・洗浄

比重分離して、ポリプロピレンを取り出します

ポリプロピレンは水に浮く性質があるため、水槽の中で重さによる選別(比重分離)をし、同時に洗浄し汚れを落とします。
10mほどの水槽の中を3つのロールでゆっくりかき回しながら進みます。ハブラシの毛先等取り除ききれないところもあるため、後の工程で除去します。

除湿乾燥

高さ10mほどの大きなタンクで乾燥

取り出したポリプロピレンを乾燥機にいれ、このタンクの中でプラスチック片をかき混ぜながら水分を飛ばし乾かします。

溶解・造粒

約200度の高熱でプラスチック片を溶かし、フィルターで不純物を取り除きながら、粒状のペレットに加工します。
リサイクル品を作る際に着色の色むらや表面の滑らかさに影響が出てしまうため、ペレット状にするまでの工程で不純物を入れないことが重要です。

vol.2 成形加工

成形加工の工程

顔料混合

ペレットと顔料と抗菌剤を投入

リサイクルしたペレットに色の粉(顔料 がんりょう)と抗菌剤を入れて混ぜます。色むらができないよう均等に混ぜる必要があるため、混合機という大きな機械で回転させていきます。
この段階では顔料はペレットの表面についているだけなので、手で触ると色がつきます。

着色

ペレットと顔料を溶かし色つきのペレットを作ります。ハブラシペレットを高熱で溶かします。溶けたプラスチックは細長い状態で出てきて、水の中を通って冷やされ、空気に触れさせ乾かし、細かく裁断され再びペレットになります。
この段階は手で触っても色はつきません。

成形機・金型

定規の形を作ります。着色して溶かしたペレットを金型という「型」に流し込み、強い圧力をかけ、金型へ水を送り冷やし固めます。自動化された取り出しロボットで定規は取り出され、不要な部分をカットします。
製造する物によって形状や厚さが異なるので、この定規にあった温度や圧力で成形します。

目盛り印刷

定規の目盛りの部分を印刷します。定規には厚さが異なる部分があるので2回に分けて印刷します。印刷の後は形や色や目盛りに問題がないか検査をします。

ハブラシをリサイクルする際の課題

・ハブラシは製品によって様々なプラスチック素材でできている
・現在は、ポリプロピレンを抽出している
・ナイロンの毛などが各工程で邪魔になる
・特にペレット化工程でナイロン毛がフィルタに多くひっかかり手間がかかる
・再生したペレットはくすんだ色となる(いろんな色が混ざる為)

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