ライオングループでは、生涯にわたって人々の健康保持をサポートするため、子どものころからの歯とお口の健康意識を育むことに重点を置いています。日本では、小学生に対して正しい歯みがき指導やオーラルヘルスケアを指導することを目的に「全国小学生歯みがき大会」を1932年から実施しています。現在では、活動の場をアジア中心に広げ、小学校で毎年開催しています。
2024年の第81回大会は、参加校が実施日を設定し、DVD教材を視聴して参加する方式で実施され、5,377校、約30万人の小学生が参加しました。この大会は、日本だけに留まらず、アジアを中心とする各国でも開催しています。
当社グループでは、全国小学生歯みがき大会以外にも、アジアを中心とする各国で、正しい歯みがき方法を楽しく子どもに伝えるため、幼稚園や保育園、中高学校等の教育機関でオーラルヘルスケアに関する口腔保健活動を行っています。子どもたちは、歯みがき指導を通じて歯を磨くことの大切さを学んでいます。活動に当たっては、歯科医師や歯科衛生士、教職員に加え、国や行政、社外パートナーとも連携して推進しています。
当社グループでは、子どもたちだけでなく、行政、歯科専門家、パートナー企業等と連携しながら、妊娠期の母親や高齢者、オフィスで働く従業員や歯科医院の患者さん等、アジアのすべての人たちに「予防歯科習慣」を広げる活動も行っています。さらに、衛生上のリスクが高まる災害時のオーラルヘルスケアについても、各地の防災イベント等に参加し普及活動を行っています。日本では、普段からの備え等についてまとめた冊子を発行し、災害時の清潔・健康ケアに関する情報を提供するとともに、各地の防災イベント等に参加し普及活動を行っています。
当社グループでは、人それぞれの生活環境、身体、経済、教育、情報等にかかわらず、誰もが自ら予防歯科行動を習慣化できるよう、社外パートナーとの連携のもと、さまざまな取り組みを展開しています。アジアでは、教会や福祉施設を訪れた方に、オーラルヘルスケアの啓発活動を行いました。
展開事例:おくちからだプロジェクト
2021年より、子どもたちのオーラルヘルスケアの習慣づくりと自己肯定感の向上を目指した「おくちからだプロジェクト」を推進しています。特に、むし歯が多い傾向にある経済的困窮家庭の子ども*を取りこぼさないよう活動しています。「歯とお口の健康」をテーマにしたプログラムを独自開発し、NPO法人と連携してこども食堂を中心に提供しています。子どもたちが楽しく遊びながら自発的にオーラルヘルスケアを学び、習慣につなげられるよう、クイズやゲーム等のコンテンツを展開しています。中でも「デコ歯ブラシづくり(工作)」は、人気のコンテンツです。2024年からは販売店と連携して店頭イベントとしても実施し、生活者の健康な習慣づくりに向けた接点拡大にも取り組んでいます。また、本活動は体験型サステナビリティ研修として行っており、役員や社員のサステナビリティ教育にもつなげています。
* 出所:国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究所 社会医学研究部、足立区・足立区教育委員会(2016年度)