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ハブラシの技術と製造法
~新素材ラバーヘッドハブラシ登場~

ライオンは、口から全身の健康とQOL向上を支える「オーラルヘルスケア」の提供に向けて、生活者一人ひとりのライフステージやお口の状態に合わせた様々な形状のハブラシを開発してきました。

図1.ライオンの代表的なハブラシ

ハブラシは、毛束が植えられているヘッド部(ブラシ部含む)、ハブラシを持つためのハンドル部、その2つを繋ぐネック部の3つから構成されおり、製品ごとに材質や太さ、長さなどが異なっています(図2)。ライオンは現在、ヘッド部に用毛を用いる「用毛ハブラシ」と、ヘッド部がラバー素材でできた「ラバーヘッドハブラシ」を開発しています。

図2.ハブラシの構造

用毛ハブラシ

ライオンが製造する用毛ハブラシは、ヘッド部にある植毛穴に平線と呼ばれる金属を用いて用毛の毛束を固定する方法で製造されます(図3)。

図3.用毛ハブラシの製造工程

また、ハブラシに用いる用毛は、円柱状の「ストレート毛」と根本から毛先にかけて次第に細くなる「スーパーテーパード毛(ST毛)」の大きく2種類に分けられます(図4)。ストレート毛は歯の広い面の歯垢清掃力が高く、刷掃感の高い当たり心地であること、ST毛は狭い隙間のプラークを除去しやすく、やさしい当たり心地であることが特徴です。用毛の太さや長さにより清掃力などの機能性や当たり心地などの使用感も大きく異なるため、目的に応じて多様なハブラシを開発しています。

図4.用毛の拡大図

ブラシ部がラバー素材のハブラシ
「クリニカPROハブラシ ラバーヘッド」

ライオンは、これまでにはない新たな磨き心地を提供するハブラシとして、ヘッド部がラバー素材でできた「ラバーヘッドハブラシ」を開発しました。ラバーヘッドハブラシは、従来のハブラシで用いていた「用毛」ではなく、植毛工程なしで射出成形によりブラシ部を作製するハブラシです。ブラシ部の形状で金型を作製し、金型内にラバーの素材となる軟質樹脂を充填することで刷毛部を作製します(図5)。

図5.ラバーヘッドハブラシのヘッド部の製造工程

ラバーヘッドハブラシは、ラバー素材ならではのソフトな当たり心地による「快適な磨き心地」の実感と、ラバー素材の毛全体が歯面に密着して汚れを拭いとることで得られる「ツルツルな仕上がり」の両立を実現しました(図6)。

図6.ラバーヘッドハブラシと用毛ハブラシの歯面の接触状態
同じ荷重下で顎模型の歯面にハブラシを接触させた状態

研究事例紹介

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