身近な生活の中にある科学への探究心を深めてもらうため、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校や理系職業に興味のある高校生に対し、毎年、平井(東京都江戸川区)の研究所見学や講義を行っています。
実験教室では、ヤシ油を用いた自作の石鹸で泡立ち、汚れ落ちの機能を確認し、界面活性剤の働きを間近に感じることによって、理解を深めています。
研究所見学では、技術の進歩や開発の歴史、製品に応用した技術を紹介することで科学への関心を高め、研究者から直接話を聞くことにより、興味の幅を広げ、職業観の醸成に貢献しています。
2019年 | 6校 | 参加者 168名 |
---|---|---|
2018年 | 4校 | 参加者 83名 |
2017年 | 5校 | 参加者 134名 |
2019年から内閣府男女共同参画局、文部科学省総合教育政策局、一般社団法人日本経済団体連合会が推進する「理工チャレンジ(リコチャレ)~女子中高生・女子学生の理工系分野への選択~」の取り組みに賛同し、「夏のリコチャレ~理工系のお仕事体感しよう!~」に参加しています。
2021年はオンラインで開催し、全国各地からご参加いただきました。
身近な製品の技術を実験教室で学び、工場でのモノづくりの現場を見学。また研究所や工場の若手社員が学生から社会人になるまでの体験談を座談会形式で聞くことにより、自分ごととして進路選択を考えるきっかけとなるよう、引き続き継続していきます。
当社平井研究所がある江戸川区では50年以上の歴史を持つ科学教育センター事業を推進しており、区、学校、区民の3者が協力して身近で起こっている化学現象やその面白さを子どもたちに教えています。
ライオンでは身近な生活の中で体験する『汚れが落ちるしくみ』を学ぶ実験教室を15年以上継続して実施しています。
浸透実験
布に水を浸透しやすくする働きローリングアップ実験
汚れを繊維から引きはがす働き再付着防止実験
汚れを再び繊維に 付着させない働き2019年 | 4回 | ボランティア研究員 35名参加 |
---|---|---|
2018年 | 4回 | ボランティア研究員 49名参加 |
2017年 | 3回 | ボランティア研究員 41名参加 |
江戸川区が主催する「江戸川区環境フェア」に2015年から参加しています。
2019年は「プラスチックゴミと地球」と題したセミナーを開催し、小学生とその保護者、60名以上の方々と一緒に 私たちが今出来ることを考えました。当社の環境対応製品をクイズ形式で紹介することによって、ライオン製品を幅広く知っていただく機会となりました。
このイベントでは、毎年「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」用マイボトルシールを作成し、世界に一つだけのボトルを作成するワークショップ、江戸川区でご協力いただいているハブラシリサイクル活動(テラサイクル)の紹介を行っています。ワークショップでは180名の方にマイボトルシールを作っていただきましたが、中には前年作成したボトルを1年間使用しました、と報告してくださる区民の方もいらっしゃいました。継続してイベントに参加することで、ハブラシリサイクルの認知度も向上してきています。
日々製品開発に携わっている研究員11名が当日の運営を行い、直接区民の方と接し、製品の感想なども聞ける貴重な機会となっています。
ライオンちゃん登場
子どもから大人まで 近づいてきてくれます。マイボトルシール
世界に一つだけのボトルの出来上がり。プラスチックゴミと 地球セミナー
家に帰って出来ることを一緒に考えました。イベント | 参加者 | 運営研究員 | |
---|---|---|---|
2019年 | プラスチックゴミと地球セミナー マイボトルワークショップ |
60名 180名 |
11名 |
2018年 | 地球温暖化セミナー マイボトルワークショップ |
60名 180名 |
11名 |
2017年 | マイボトルワークショップ | 180名 | 11名 |
当社研究員が参加している、公益社団法人日本化学会 コロイドおよび界面化学部会*の取り組みとして2012年より理科教育の充実や次世代の科学者を育てていくという目的で学会開催地の小学生を対象とした実験教室を行っています。
2019年は沖縄で学会が開催され、名護市立稲田小学校の5,6年生33名に洗浄のしくみと泡の実験教室を行いました。
実際に油汚れが落ちていく様子を観察したり、シャボン玉でお手玉をしたり、シャボン玉を凍らせて、膜の薄さを観察したりしました。小学生にとっては90分という長い講義時間ではありましたが、33名全員が最後まで目を輝かせながら取り組むことが出来ました。
この活動を通して、理科に興味を持つ小学生が一人でも増え、理科教育振興の一助になれば幸いです。
*コロイドおよび界面化学部会には8社の企業の9名の研究員から構成されている企業委員会が有り、この8社が協力して行っている活動です。
シャボン玉の膜の観察
シャボン玉を凍らせ、膜の薄さを観察シャボン玉のお手玉
軍手をつけるとシャボン玉でお手玉ができる2019年 | 沖縄 | 参加者 33名 | 当社ボランティア 3名 |
---|---|---|---|
2018年 | 神戸 | 参加者 176名 | 当社ボランティア 6名 |
2017年 | 旭川 | 参加者 160名 | 当社ボランティア 3名 |
株式会社Curio school主催の「MONOCOTO Innovation」(略称:モノコト)はデザイン思考を活用し、中高生が企業とコラボレーションをして「モノづくり」に取り組み、競い合うことで、社会に新しい「コト」をもたらす本格的な「モノ」づくりを実践するプログラムです。ライオンは2019年『中高生の日常生活の中に‘予防医療’を溶け込ませるモノ』をテーマとして取り組む中高生3人のグループ(チーム名:リコピン)を支援しました。
この活動は、普段学校で行う「答えのある解を求める」活動ではなく、「答えのないことを追求する」という中高生にとっては馴染みのないものでした。そのため、初めは試行錯誤を繰り返すことに苦戦していました。
そこに対して、ライオンメンバーが思考法を伝えたり、一緒に議論をすることでより考えを深められるようにサポートしていきます。
活動中、机上で考えるだけでなく、実際に生活者に対してインタビューを実施したり、プロトタイプを作成して生活者に評価してもらうなど、企業が商品開発の際に行うステップも実施しました。
このような活動を通して、次第に学生は社会や生活の中にある課題に「なぜ?」という疑問を持つようになり、それに対して自分の頭でしっかりと考え抜く力と自分で情報を取りに行く行動力を身に付ける事ができたと感じています。
その結果、ライオンがサポートしたグループを「MONOCOTO INNOVATION 2019決勝大会」で優勝に導くことができました。
現代社会は不確実な時代とも言われている中で、今後彼らが活躍するために必要なスキルを「モノコト」を通して習得することに我々はサポートすることができ、我々自身も彼らの社会に対する考え方などを学ぶことができました。
これからも、ライオンとしてこのような取り組みに積極的に関わって行きたいと考えています。